中村倫也「こいつはヤバい」新ドラマ『ウシジマくん』で“原作で最も危険”な洗脳男に

公開: 更新:

中村倫也、現場で山田孝之を見て「あっ、ウシジマだ」と再現度の高さに感激】

――現場でウシジマくんに扮した山田さんを見た時の印象は?

現場で孝之くんと会った時、「あっ、ウシジマだ」と思いました。現場で役になりきった役者さんと写真を撮ったのは初めてでした。それくらい再現度が高いと思いました。

――神堂を演じる上で意識したことは?

お芝居って、基本的には相手に何をぶつけるか、相手をどのように変えたくてその行動を取るのかだと思っています。神堂は、言葉と行動の裏の裏まで常に考え、わかりやすく操作する役だったので難易度は高かったですが、そこを慎重に読み取るようにしました。現場では、相手役の俳優は自分が想定していたものとは違う演技をしてくるわけですから、その人それぞれにどうすれば作用するかなと思って演じていました。また、神堂のクレイジーさは、周りがあってこそ描かれるもの。なので、周りとの呼吸を意識しながら、いかに相手を追い詰めることができるかを考えていました。

――神堂はクレイジーな人物とのことですが、所作などはどう作り込みましたか?

映像において、役の生き様は歩き方や姿勢といったフィジカルな部分に出ると思っています。神堂は変わった人間なので、そこに違和感があると見ていて楽しいかなと思い、遊びを入れながら演じました。上原家の実家に初めて行くシーンがあるんですが、お父さんに挨拶するときのお辞儀も、視線を変えず、板が折れ曲がったかのようにしてみました。実は、こっそり笑ってしまっていたのですが(笑)。体に馴染んでないと現場でもギクシャクしてしまうので、日常から取り入れて、神堂っぽく渋谷を歩いたこともありました。

――演じる上で、一番苦戦したのはどういった部分ですか?

理解できない部分を必死に理解して、自分の持っている経験則に何とか当てはめて、それを現場でどれだけ出せるかという作業です。表現の仕方はいくらでもあるんですが、表面だけになると中身が空虚になってしまうので、やはり両方必要で。洗脳の本を読んだりして、ひとつひとつ固めていった中身の部分を、現場で演じる瞬間、どれだけ発揮できるのか。1シーンごとにチャレンジしました。

――真夏の撮影は、大変でしたか?

ルーペを置いたらすぐ燃えるんじゃないかというくらい真っ黒な衣装で撮影していたので、熱を吸収しすぎて体が焦げ臭かったです(笑)。

――逆に、一番楽しめた部分は?

神堂は人に作用することを意識して生きてきている人物だったのですが、そこは、役者として芝居の奥深さを感じられる要素でした。あとは、こういった自分では理解できない役を模索する作業が、苦しくもあり楽しくもありました。ちょっとクスッとくるような点も、スタッフや共演者も含め一緒に楽しみながら作ることができました。

――神堂の役柄が、中村自身さんに影響を及ぼしたことはありますか?

こういう謎めいた役を演じる時は、自分と役との距離を明確に図りつつ、演技に入って行くようにしています。そういう意味では影響を受けるというよりも、ある程度の距離感を保ちながら演じられたと思います。

――まゆみ役の光宗さんは、撮影現場ではどんな方でしたか?

光宗さんはシャイで人見知りで、どちらかというと不器用なタイプの方です。でも、ものすごく真面目で努力家だと思いました。ストーリーが進行するにつれ、神堂がまゆみを追い込む様子がどんどん加速していくので、その辺りの光宗さんの芝居を、純粋に楽しみながら見て頂ければ。

――では、もし中村さんが神堂のような人間と出会ったら、洗脳されてしまうと思いますか?

絶対されないと思います。でも、そう思い込んでいる人こそ危ないんですよね(笑)。話を聞かなければ良いとは思っています。占いなども、基本的には全く信じていません。楽しむ分には良いのですが、占いって結果をはっきりとは言わないじゃないですか。占いを信じて気を付けたから災難を回避できたとか、占いの結果を正当化されるみたいな仕組みを考えると、どうも信じられなくて。だから、女性と話が合わなくて困る時もあります(笑)。「わかるわかる」って頷ける方がいいですもんね。だからモテないのかなぁ。占いをやったらモテますかね(笑)?

――この作品全編を通しての見どころは?

基本的にドラマは人の生活を覗き見るものだと思っているので、自由に楽しんで頂けたら嬉しいです。前作に引き続き、今回も欲深い動物的なキャラクターがたくさん出てくるので、ぜひ期待していて下さい。また神堂は、ゆくゆく恋人になるまゆみからも最初は変な人だと思われる人。なので、皆さんにも「この人何なんだろう」と思って頂けたら嬉しいです。また、車ファンも唸るくらい格好良い車に乗っているので、そこも見どころです。

――今後演じてみたい役はありますか?

何を演じるかというよりは、誰と作品を作るかが大事だと思っています。ものづくりって、一緒にやる人たちとの作用でアイデアが膨らんでいくので、面白い方々と面白い台本でお芝居ができたら最高ですね。あえて挙げるならば、人間って誰しも馬鹿な一面があると思うので、ものすごくわかりやすい、笑えるくらいおバカな役を演じてみたいです。

――最後に、この夏チャレンジしたい事を教えて下さい。

今年の夏は、東京、長野、富山、大阪で舞台があります。なので、地方で何を食べようか今から考えていて。富山は初めて行くのですが、Twitterでファンの方が「白エビが美味しい」とおっしゃっていたので、食べるのが楽しみです。あと、長野では上田で上演するのですが、歴史が好きなので、真田丸で話題になっている上田城に行きたいです。滞在期間はそんなに長くないのですが、蕎麦も食べたいですね。

PICK UP