有村架純インタビュー 主演映画『ビリギャル』への思い

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――有村さんはどんな高校生活をおくっていましたか?

私もさやかと同様“リア充”でした(笑)。地元の高校に通い、アルバイトもしたし、友達とカラオケやボーリングに行ったり、公園でのんびりしたりと青春を満喫していました。あとは、中学校時代の仲がよい友達と、高校生になったらみんなで旅行に行こうって計画を立てて、アルバイトを頑張りました。新潟でスキーをしたり、兵庫の田舎にキャンプへ行ったりしました。

――逆にやり残したことはありますか?

やり残したことは、高校時代の恋愛です。私は自分の夢に必死で、好きな人がいてもお付き合いをするということには興味がなくて。だから、“制服デート”をしておけば良かったなぁと思っています。

――有村さんにとって、友達とはどんな存在ですか?

私は、友達に自分の夢を言っていなかったのです。事務所への所属が決まって上京する時に初めて言ったら「東京に行くの? 寂しい」ってみんなが泣いてくれて。その時は本当に嬉しかったです。今は、なかなか地元に帰って会うこともできないし、毎日連絡もとらないですが、会えば昨日会ったばかりかと思うくらい距離を感じない存在です。いつ会っても、私が女優になる前に一緒に過ごしてきた時間を忘れないでいてくれるので、とても気持ちが楽です。こういうのって本物の友情ですよね。

――では、有村さんのお母さんはどんな方ですか?

両親が離婚したので、母がひとりで姉と私のことを育ててくれました。父親代わりにもなってくれて守ってくれました。とても強いと思うけど、本当はすごく弱いと思う。だから、今度は私が守らなくちゃと思います。

――ああちゃんのように、有村さんのことをいつも応援してくれる存在なのですね。

はい。ああちゃんとさやかのような絆があると思います。夢を話した時も全く反対もせず、「頑張りなさい」と送り出してくれました。実家に帰った時は、私の好きな料理をいっぱい作ってくれて、「あれもあるで、これもあるで」と嬉しそうに出してくれます。

――有村さんがさやかのように夢に向かって走る時、役立ったことは何ですか?

私は自分の気持ちを言葉にするのが下手な子どもでした。思っていることがあっても言えないし、聞かれたことにもすぐ答えられなくて。間を空けてから「はい」って答えるので、「わかる?」と聞かれますが、わかるけど「わかる」って言えない。さらに「本当にわかる?」と聞かれたら「うーん、多分……」となってしまう子で。そんな時、当時のマネージャーさんから「毎日日記をつけてみて。思っていること、今日あったこと、やったこと、目標など何でも良いから書いてみて」って言われ、毎日書いてマネージャーさんに渡して、結局大学ノート10冊分ぐらいになりました。そのおかげで自分の考えを頭で整理することができるようになりました。今でも考えがわからなくなったら口に出したり、目標を紙に書いて冷蔵庫に貼ったりしています。

――では、スランプに陥った時の乗り切り方は?

自分自身でも考えますが、人との普通の会話の中でヒントをもらい、腑に落ちることが一番多いです。よっぽどわからない時はマネージャーさんに相談します。

――最近言われて印象的だったことはありますか?

お芝居に関してもう少し何かを見つけたいと思っていた時に、映画「ストロボエッジ」の廣木隆一監督に「お芝居は引き算だから」と言われました。役作りをする時に特徴や癖など外側ばかり見つけようとしまっていて。もちろんそれも大切なことですが、そこばかりに目を向けていたので、根本の部分を見つけていたようで見つけてなかったのかなと思いました。「引き算」と言われたことで、外付けしていたものを全部払うことができました。その丸裸の状態で勝負すれば良いということがわかれば、後は役として動いていくものがすべてなのだと感じました。

――それが最初におっしゃっていた「さやかの根本を掴む」ことに繋がりますね。では、『ビリギャル』をどんな人に観てもらいたいですか?

もちろん同世代の人たちに観ていただき、受験や自分のやりたいことを頑張ってほしいと思いますが、坪田先生、ああちゃん、お父さんが各々の教育論を持っているので、大人の方々にも是非ご覧観いただきたいです。

――最後に、受験や新たなスタートを控えている方々にエールを!

新しいことを始める時には勇気がいるし、自信が持てないこともあると思いますが、やりたいことや目の前のあることを一生懸命やれば、周りの人は知らない間に味方になってくれます。だから、怖がらずにやりたいことをやって、周りの人の心を動かして欲しいです。

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