有村架純インタビュー 主演映画『ビリギャル』への思い

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――今回は金髪ギャルといった新たなイメージの役に挑戦していますが、オファーを受けた時はどう思いましたか?

“金髪ギャル”というイメージをいろいろ思い浮かべて、最初は「自分にできるかな」、「ギャルらしさをどこで出していこうかな」といろいろ考えました。

――役作りは難しかったですか?

どうすればギャルらしくなれのるか、とても悩みました。クランクインの直前まで、「何々じゃねえ?」「超○○」というセリフが浮いているというか、自分のものになっていない気もしていて。だけど、自分にないものを無理に出そうとすると、見ている人まで苦しくなって台無しになってしまうと思ったので、私らしくいようと心掛けました。「ギャルだから云々」ではなく、さやかの根本にある「楽しいことを全力で楽しむ」という部分を忘れずにいれば大丈夫。私らしいさやかを演じれば良いんだと思うと、悩んでいた部分全部スッと入ってくるようになりました。今回の経験で、この先どんなに濃いキャラクターを演じる機会があっても、根本をきちんと掴めば良いと学ぶことができました。

――さやかに一番共感できる部分は?

私は女優という夢に向かって走っていますが、オーディションがうまくいかなくてやる気を失った時もたくさんありました。だから「自分がここに行ったらどうなるだろう」と想像する部分にはとても共感できます。劇中で、さやかがくじけそうになった場面で「きっとこういう気持ちで苦しんでいたのだろうな」と、その時の経験や気持ちを思い出していました。

――ご自身の金髪姿を初めて見た時はどう思いましたか?

最初はとても違和感がありました(笑)。「なんじゃこれ?」って、自分の中で笑いが起きましたが、5日もすればすっかり見慣れました。今回はウィッグでしたが、本当に金髪にしてみたくなりました。撮影の初日に、松井愛莉(本田美果役)ちゃんと蔵下穂波(香川真紀役)ちゃんと阿部菜渚美(岡崎結衣役)ちゃんとカラオケやクラブに行くシーンがあり、はじけることができたことも大きかったと思います。

――松井さん蔵下さん阿部さんとはどのように親交を深めましたか?

みんな年齢がバラバラでしたが、ひとつのことを楽しんでやろうという気持ちから一気に仲良くなりました。みんなクラブに行くのも初めてだし、普段カラオケでもはしゃいだりしないので、どういう風にすれば良いのかわからなかったですが、私たちの「とにかく楽しもう」という気持ちがどのシーンでも出ていると思います。

――4人で夜の街を走るシーンは、深夜に道路をふさいで撮影をしたとか。

夜中の1時入りで3時から撮影開始になったのですが、もう時間の感覚が分からなかったです。腹時計も不思議な感じで(笑)。とても寒かったですが、良い思い出になりました。

――4人で温泉に入るシーンもありましたね。

あのシーンはお店の閉店後、夜中の1時から朝6時くらいまでかかり、出たり入ったりしたからもう寒くて。温泉から出たら「寒い、寒い」って言いながら、すぐにみんなでサウナに入りました。ある意味“裸の付き合い”だったので、そこでも一気に距離が縮まったと思います。

――伊藤淳史さんとは今回は初共演ですが、共演した手応えはいかがでしたか?

現場でたくさんお喋りしていたのに、撮影に入ると一言もセリフを間違えないしNGも出さないのです。その姿を見て切り替えが素晴らしいと思いました。それに、いつでもフランクな方なので、いつもそのスタンスで現場にいられるのがすごいと思いました。私たちに対しても、どのスタッフさんに対しても対等だし、どれだけ大変なスケジュールでもブレることがない方で、本当に勉強になりました。

――今回は先生役ですが、先生らしい部分はありましたか?

実はそんなになくて(笑)。でも、私は逆にそれが良かったと思っています。「俺が何かやる」みたいな感じではなく、お芝居以外の場面でもずっと同じ目線でいてくださったので接しやすかったです。「先輩だから」と思ってしまうと、少し距離のある関係性になると思うのですが、同い年のような感じで接して下さっていたのでとても助かりました。

――ああちゃんこと母親役の吉田羊さんとの共演はいかがでしたか?

外見は派手でもさやかがまっすぐ生きられたのは、ああちゃんのおかげだと感じていて。そんなああちゃん役を演じられたのが吉田さんだったから、私もさやかを演じきることができたのだと思います。吉田さんが演じるああちゃんを知れば知るほど、その気持ちは大きくて、芝居で引っ張っていただきました。

――撮影以外で、吉田さんの温かさを感じたエピソードは?

吉田さんは帽子が大好きだそうで、いつも可愛い帽子をかぶっていらっしゃいます。撮影中に私の誕生日があったのですが、帽子をプレゼントしてくださいました。今も愛用中です。この日は、吉田さんは別の作品の現場に行かれていたのですが、キャストの皆さんと一緒に映った“おめでとう動画”を送って下さり、最後に吉田さんが「おめでとう」ってコメントを下さって……すごく感動しました。そんなお気遣いがとても嬉しかったです。タイトな撮影の中“ひつまぶし”を一緒に食べたのも思い出です。あんなに心が広いお母さんがいたら、本当に頑張らなきゃと思いますよね。

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