山田孝之、林遣都、阿部進之介インタビュー 新ドラマ『REPLAY&DESTROY』への思い

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山田孝之さん主演で、2011年に「au LISMO Channel」で放送され好評を博した携帯ドラマ『REPLAY&DESTROY』がテレビシリーズとしてついに復活。新たな要素を加えた連続ドラマとして、4月28日(火)25時14分より(通常は毎週火曜 25時11分より)TBSにて、4月26日(日)24時50分よりMBSにてスタートする。

本作は、男3人のシェアハウスを舞台に、山田さん演じる映画監督志望の日本一偉そうなフリーター・横山要とその仲間たちが、周囲で起こる出来事や悩める他人に無理やり関わり、“屁理屈と無駄話によって何かが変わる瞬間”に立ち会っていく“世直し哲学チープストーリー”。テレビドラマ&映画「荒川アンダー ザ ブリッジ」や映画「大人ドロップ」などを手がけた飯塚健が監督・脚本を手がけており、山田さん自身も企画の立ち上げに関与している。今回は、山田さん、横山のルームメイト・真野真広を演じる林遣都さんと、新田広重を演じる阿部進之介さんの3人にインタビュー。ドラマ化が決まった時の思いや、見どころ、作品を通じて伝えたいことなどについて語っていただいた。

――携帯ドラマから3年半の月日を経てのテレビドラマ化。率直な感想はいかがですか?

山田:ドラマ自体も横山要というキャラクター自体も大好きで、どうしてもまたやりたいと思っていました。以前は尺の短い携帯ドラマでしたが、ドラマになればもっと登場人物の面白い部分や駄目な部分などを見せられる。尺を長くして伝えたいことがたくさんあったし、もっと多くの人に見てもらいたいという気持ちがずっとあったので、決まった時は嬉しかったです。

林:撮影が本格的に始まる1年半前ぐらいに、「またやるかもしれない」という話を飯塚さんと孝之くんから聞いていて。孝之くんとふたりで会った時に「やるからには真野と新田もマストだから」と言ってもらえたことがとても嬉しくて。「だったらやらせていただきたい」と答えました。また、僕が飯塚さんと孝之くんに出会った「荒川アンダー ザ ブリッジ」という作品では、スタッフさんは、昔から飯塚さんに付いている方々ばかりだったので、現場にとても愛情が溢れていたんです。そのチームにまた参加できるということも嬉しかったですね。

阿部:携帯ドラマを撮影している時、とても楽しくて。またいろいろな表現方法でできたらと思っていたので、僕も決まった時は嬉しかったです。この作品は新田広重という自分の役を通して横山要という人間を描くということがとても楽しいんです。

――山田さんは、企画の立ち上げにも携わったそうですね。

山田:今、飯塚さんとふたりで声をあげたら、乗ってくる面子がいるだろうという確信があったので企画を立ち上げました。企画という肩書きは嘘ではないけど、実はそんなにたいしたことはしていないんですよ。僕は、実現のためのコネクションや技術的なことについて全く知らなかったので、飯塚さんがさまざまな関係者に話をしに行き、予算組みや資金集めなどをしてくれました。飯塚さんに「どういう部署があって、どういう言い分が出ているのか」と聞いたり、いろいろな場を見学させてもらったりして今後のために勉強させていただきました。

――どのようなきっかけで、企画に関わろうと思われたのでしょうか?

山田:これまで、現場で初めて作品について決定したことを聞かされることが多かったんです。もちろん制作陣で話し合った上で決めたとは思いますが、僕は何も聞いてもないし、意見も言わせてもらっていないので、「こうなった理由は?」とか「もう少しこうした方が良いのでは?」と思うこともありました。きちんと納得した上で、みんなでもっと良いものを作りたいという気持ちがあったので「じゃあ入らせてください」とアピールしました。

――企画者として名前を連ねた理由は?

山田:もし、企画者に名前が連なってなければ「口うるさい俳優がただ現場でいろいろ言っていただけ」となってしまうけど、名前を出せば「もっと深く入り込んでいきたい」、「もっと面白くしたい」、「今後、皆さんも面白いことを僕と組んでやっていきませんか?」という意思表示になると思って。アピールすることに意味があると思ったので、今回はあえて記載していただくことにしました。

阿部:企画から携わっている孝之の思いや方向性は、現場にいる僕たちも肌で感じていました。彼は「ついて来いよ」というタイプではないし、言葉で何かを言うわけではないですが、自然と引っ張られていきました。

林:飯塚さんの現場では俳優はあくまでひとつの部署であり、他のスタッフと同じという空気が漂っています。俳優も他のスタッフと同じ姿勢で、意識を高く持ってやるべきだというのは僕も思っていたので、孝之くんが先頭になってやっている姿を見ると「俳優として出来ることってまだまだいっぱいあるんだな」と感じることができました。

山田:日本の俳優は1年にたくさんの作品に出演することが多いですが、そうではなくひとつの作品に早い段階から携わればもっと面白いものができると思っています。それに、人の動きやお金の仕組みなどがわかると、現場に立った時の責任感がもっと増すんじゃないでしょうか。今回のことが、俳優たちの意識が高まるきっかけになればと思っています。

阿部:どの俳優も、言いたいことはあるけど「変えられないかな」とか「これは言っちゃ駄目かな」という気持ちがあると思います。それに切り込んでいる孝之は、いろいろなものを背負ってくれているように見えます。もしかしたら今度は僕が企画をやるかもしれないし、遣都がやることもあるかもしれないけど、最初に切り込んでいく力があるのはすごいですよね。

山田:いずれ干されて終わるかもしれないし(笑)。でも、そうならないために慎重にね。どうやったらいいかということですよ。

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