日本各地には、その土地ならではのチェーン店が様々ある。だがその中でも福島県のレストラン、メヒコはあまりに独特すぎる!

福島に行って、有名なレストランチェーンを聞くと「メヒコでしょ!」と即答。メヒコ、とは変わった名前だ。これはメキシコ(MEXICO)のスペイン語読みで、つまり店名はその国名からきている。このメヒコ、福島県民への馴染み方がハンパではない。「こないだ行ってきた」と口々に言う。「おばあちゃんのお誕生日に行った!」「だいぶいい所だよ、メヒコ!」とどうやらチェーン店の割に特別なお祝いの日に行く、高級感があるようだ。いわゆるファミレスよりランクが上なのか?「テンション上がるね」と、メヒコに行くことには特別感があるらしい。

それはいいのだが「フラミンゴ見ながら食べられる!」と言い出すのでわからなくなってきた。「動物園で食事するような」お店なのだという。そして何がおいしいかを聞くと「カニピラフ!」とこれも即答。ここでまたさっぱりわからなくなってきた。メキシコの国名からメヒコと名づけられたのに、タコスもトルティーヤもないという。「クリスマスもカニピラフ!」「お祝い事はすべてメヒコのカニピラフ」とドヤ顔でみんな言うのだが、メキシコはどうなったんだ?

レストランチェーン、メヒコは福島県内に5店舗あるうえに茨城県にも5店舗ある人気チェーンだ。いわき市のお店に行ってみると「メヒコ」の店名とともに「フラミンゴ館」の看板が。

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店内に入ると高級感でいっぱい、そしてラテン感はまったくない。ギャルソン風の店員さんがいて、フレンチレストランっぽい。なるほど、お誕生日にはよさそうだ。そして窓の外を見ると、ギョギョギョ!フラミンゴが思うよりたくさんいるではないか!

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高級感漂うレストランの窓に、フラミンゴの群れ!違和感満載だが、お客さんは楽しそうだ。「いわき市に動物園がないので」と、確かに家族連れにはいいのだろう。いわき店には30羽のフラミンゴがいるそうだ。

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そこへやってきたのが、カニの足が乗ったピラフ!福島名産ではないカニを、メキシコ料理ではないピラフに乗せて提供する福島のメヒコ。どういう考え方なのか?

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出てきたカニピラフに、お客さんたちはカニの足から黙々と身をこそげ落としている。すると、意外なほどカニが山盛りになる!なんとも豪勢なカニピラフだ。なるほど、これは誕生日のお祝いにもよさそう。「カニの味がぎっしりです」と満足げな福島県民。「カニだけでもおいしいし、ピラフだけでもおいしい」「ホロホロフワフワでおいしくて、フラミンゴを見てる暇もない」と嬉しげに語る。このカニはアラスカ産ズワイガニで、ピラフはカニのエキスを染み込ませる秘密の製法。なんともおいしそうだ。メヒコでは他にも「生カニ重」や「カニクリームコロッケ」も人気だが、メキシコ料理はない!

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いわきフラミンゴ館のすぐ近くには、「メヒコ・シャークワールド」もある。中に入ると、巨大水槽にサメだらけで、まだフラミンゴの方がわかる気がする。でもこちらでもお客さんは楽しそうに、サメを見ながらカニピラフを食べていた。

このメヒコは、1970年創業。営業本部事業部次長の國分勉さんによると「創業者が水産関係の仕事に就いていて、とくにカニが好きでした。福島県民にたくさん高級なカニを食べてもらいたいと、カニピラフを考案。ズワイガニをお皿にたくさん盛ったメニューができました。またメキシコ滞在中にフラミンゴが群れる姿に非常に感動し、日本に帰ったらフラミンゴを見ながら食べられるレストランを作りたいと考えたそうです。」

なるほど、自分が好きなもの、感動したことを福島のみなさんに味わってもらいたいとのピュアな思いがこうなったのか。何が儲かるかより、何を伝えたいか。そこには意外に大事な起業精神が見える気がする。

ところでこのフラミンゴ、誰が世話をするのか。早朝にお店に行くと、黄色い作業着を着た人物がお世話をしていた。この方、なんと勤続23年の店長・佐藤正昭さん。飼育員の資格も取得し、店長と兼務で30羽のフラミンゴをひとりで世話している。繁殖にも成功し、毎年ここでフラミンゴが生まれているというからすごい!「フラミンゴが好きなので、大変と思ったことはありません」ってあなた、偉大です!

メヒコが番組に取り上げられて、福島県民は総立ちになっただろう。フラミンゴを見ながらカニピラフ。一度ぜひ、食してみたい!

【文:境 治】

読みテレ

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