今年の桜開花は早い! ~休眠打破とは?~ 気象予報士・蓬莱大介の【お天気ライブ ほうらい屋】【19】

公開: 更新: 読みテレ
今年の桜開花は早い! ~休眠打破とは?~ 気象予報士・蓬莱大介の【お天気ライブ ほうらい屋】【19】

3月中旬、桜の時期はもうすぐです。
今年は早い開花となりそうです。
3月10日に発表されたウェザーニュースの予想によると…

サクラ開花予想サクラ開花予想

近畿地方では、大阪城公園が3/19には開花して、3月中に満開となりそうです。
近畿各地3月終わりから4月初め頃が満開の予想です。例年より約1週間早くなる見込みです。

©ytv (7825)

全国の開花予想では、一番早い開花が福岡で、次いで東京です。

気温が高ければ桜の開花は早くなるというのは、皆さんご存じだと思いますが、必ずしも南の暖かい地域から開花していくとは限りません。東京は鹿児島や和歌山よりも先に咲きます。
なぜ東京がこんなに早いのか?都市化の影響もありますが、それだけではないんです。
実は、桜の開花というのは、春の暖かさだけでなくて、冬の寒さも必要だからなんです。
この仕組みを休眠打破といいます。

画:蓬莱大介 (7769)

①    秋~冬の寒くなる時期は、桜のつぼみは休眠します。
②    冬の寒さをある程度受けると「休眠打破」といい、つぼみは目が覚めるのです。さあ、冬を経験したぞ。ここから暖かくなっていくんだと。冬の寒さがあまりない時は、目覚めが悪く開花も遅くなります。
③    そして、3月になり春の気温が高いほど、つぼみは成長していきます。
④    開花してからも気温が高いとどんどん花が咲きます。もしこのタイミングで寒くなると、花の開花はペースダウンになります。

というわけで、暖かい鹿児島よりも、冬と春の気温のメリハリが大きい東京の方が開花は早くなるんです。

もうまもなく桜シーズン。
今年もわいわい集まってのお花見はできませんが、
花を愛でる気持ちは持ち、新型コロナウイルス感染拡大が収まる明るい未来に胸ふくらませたいですね。

(3月11日追記)
3月11日に広島でソメイヨシノ開花発表がありました。
全国一番乗りです。
予想に反して記録的な早い開花となりました。
広島の観測では観測史上1位の早さ(平年より2週間以上も早い)
全国の歴代の早さでは2位となります。(1位は高知3/10)

プロフィール
蓬莱大介(ほうらい・だいすけ)
気象予報士・防災士。1982年兵庫県明石市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。2011年読売テレビ気象キャスター就任。 現在、読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」「かんさい情報ネットten.」「ウエークアップ」「a-yan」にレギュラー出演中。読売新聞(全国版)で連載記事「空を見上げて」を執筆。
著書 「クレヨン天気ずかん」(2016年主婦と生活社)
「空がおしえてくれること」(2019年 幻冬舎)

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