群馬のシャネル?奈良唯一の名物?千葉のバーチャー?どういうことよ、全国お弁当EXPO!

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群馬のシャネル?奈良唯一の名物?千葉のバーチャー?どういうことよ、全国お弁当EXPO!

まだまだ続く自粛生活。外食する機会は減り、お弁当やテイクアウトがありがたい。そこで全国の名物お弁当、テイクアウト料理を見て回ろう。

まずは群馬。県民たちにお弁当はどこがおいしいか聞くと「登利平(とりへい)!」と老若男女誰しもが言う。「登利平はブランドになってる」「シャネルみたいなもんじゃねえかい」シャネルは言い過ぎじゃないの?

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だがとにかく群馬県民の登利平信仰は厚い。「かるた大会の時に昼ごはんで出る」と子どもたちは言う。もちろん上毛かるたの大会だ。お母さんの弁当と比べたら?と聞くとすかさず「登利平っす!」と子どもたちが答えるほどだ。

この登利平の鳥めし弁当が群馬県民のソウルフード。どんだけおいしそうか、と見てみると、意外に茶色い鶏胸肉がごはんに乗ってるだけ。

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しかもこの肉が薄―くていまひとつありがたみを感じない。だが独特のタレに浸かったこの鶏肉を、同じタレのかかったごはんと食べるのがこのうえない幸福なのだそうだ。

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この鳥めし弁当を群馬県民は20個、40個と大量に買っていく。人が集まる時に欠かせないアイテムとして馴染んでいるのだろう。登利平は群馬県内に26店舗展開しており、全店で1日1万個も売れているというから驚きだ!

続いて奈良!大阪の人に奈良について聞くと「鹿以外何もない」とにべもない。歴史はあるのに何かと印象の薄い奈良県だが、お坊さんに聞くと「大阪には豚まん、京都には和菓子や漬物がありますが、奈良には柿の葉寿司があります」と答えてくれた。柿の葉寿司?そういえば関西にいくと駅でおみやげとしてよく売ってるけど、奈良のものだったんだ。

奈良県に行くとあちこちに柿の葉寿司のお店がある。メーカーによって少しずつ味が違うそうで、奈良県内には50軒も専門店があるそうだ。元々柿の葉寿司はさばがはじまりなのだが、さけも加わってこの2つが定番になっている。

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奈良のご家庭にお邪魔すると、柿の葉寿司が出てきてみなさんばくばく食べている。オーブントースターで5分ほど温めて食べるのもおいしいのだそうだ。奈良県は柿の収穫量が全国2位、そして柿の葉には抗菌作用があり、さばの押し寿司を保存しておくことで柿の葉の香りもまとってさらに長くおいしく食べられると定着したらしい。作り方を見ると、握ったお寿司にさばの切り身をまるでトランプを配るように次々に乗せている。柿の葉に包んで風情たっぷりの柿の葉寿司ができあがる。

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最後は千葉のバー弁、チャー弁。ってそれ、何だ?バー弁はバーベキュー弁当、チャー弁はチャーシュー弁当の略で、それぞれ別々のお弁当屋さんの名物メニューなのだが、語呂がいいのでよく並べて呼ばれる。

バー弁は木更津市内の浜屋で売られている。様々な弁当が並ぶ中に、なぜかたぬきのイラストのパッケージでバーベキュー弁当が一際目立っているではないか。だが中を開けると意外に地味。茶色い豚肉がごはんに乗っかり、あとはしば漬けとポテトだけ。群馬の登利平の豚肉版に思えてくる。

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これが本当に千葉県を代表する弁当なのか?ところが子どもたちは、バー弁が出てくると大喜びでむしゃむしゃ。大人たちも食らいついて満足げだ。

次にチャー弁のとしまやに行ってみると、たぬきではなくカバのマークがお出迎え。こちらも様々なお弁当の中に、丸いチャーシューがどかどか乗ったチャーシュー弁当が目立っている。開けてみると、やはり茶色い豚肉がブコツにごはんに乗っかって、あとは漬物だけ。

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やっぱり地味だなあと思うのだが、これを千葉県民たちがむしゃむしゃおいしそうに食べる。絶妙の甘辛さで、チャーシュー一枚でごはん全部食べられるほどだと言う。

群馬の登利平、奈良の柿の葉寿司、千葉のバー弁チャー弁。それぞれ独特だが、その土地のテイクアウト文化を支えている。人が集まる機会が減って大変そうだが、このご時世のおいしいテイクアウト料理は多くの人にありがたいはずだ。頑張ってください、きっともうすぐ、明るい春が来るだろうから。我々も、おいしい弁当をもりもり食べて耐え切ろう!

【文:境 治】

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