ちんちこちん!茶色い!異端!どえりゃあうみゃあ名古屋めしの神髄を知れ!

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ちんちこちん!茶色い!異端!どえりゃあうみゃあ名古屋めしの神髄を知れ!

この国には都道府県ごとに独自の食文化がある。各地で多彩に花開いた個性的でそれぞれおいしい食があるのは素晴らしい。ただその中でも、あまりに独自で、他県民には少々ついていけない異端とも言うべき食文化を擁する県もある。そう、愛知県の名古屋めしだ。

なぜかことごとく茶色く、濃いメニューばかり。コテコテでゴテゴテ。もう少し薄くても、もう少しやさしくてもいいのでは?と他県民としては思うのだけど、とにかくひたすら濃く茶色い名古屋めしの特徴をいくつか挙げていこう。

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まず、熱い。なにかとアツアツ!何か意地を張ってでも熱くして食べるんだ!という意気込み。熱々状態のことを愛知県民は「ちんちこちん」と呼ぶ。どこかヤバい言い方だ。典型が味噌煮込みうどん。味噌のつゆがぐつぐつ、ぐつぐつと煮えたぎって出てくる。それを愛知県民は「あつい、あっつい!」と叫びながらかきこみ「でらうま!」などと叫ぶ。どこか無理してない?

ちんちこちん文化の象徴が鉄板。名古屋めし文化ではスパゲティを鉄板に乗せて提供する。アツアツに熱した鉄板になぜか玉子を溶いてしき、その上にスパゲティを乗せるのだ。もうもうと煙る湯気を浴びてメガネを白く曇らせながらスパゲティを食べて、よく見えないくせに満足げな顔をする。味噌カツも鉄板に乗ってきたのをはふはふ食べて「目と耳と匂いとでおいしさ4D」などと奇妙な表現をする。きっと口の中、ヤケドしてんじゃね?

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そして台湾!これはもちろん、有名な味仙の台湾ラーメンのこと。創業者が台湾出身で、故郷の担仔麺を日本人に食べてほしいと独自に開発して生まれたメニューだ。オリジナルは濃く辛―いスープが特徴だが、スープを薄くしたものもあってアメリカンと呼ぶ。コーヒーのアメリカンから来てるのだろうけど、どこかいい加減。この味仙の台湾スープは名古屋めしのひとつの定番となっており、台湾スパや台湾きしめん、台湾カレーなどへと広がりを見せている。

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次にあんこ!愛知県民はあんこ大好き!いや、日本中の人があんこは好きだが、好き過ぎ!そんなにあんこが好きなのはおかしい、というほどあんこ好き。その象徴が小倉トーストだ。有名な名古屋の喫茶店文化の中に、この小倉トーストは組み込まれていて、モーニングのメニューには必ず小倉トーストが含まれている。朝からそんなに甘いものを食べるものか、と言いたくなるが、とにかく喫茶店に朝行くとほぼみんな小倉トースト。実は小倉トーストにはあんこの下にマーガリンが塗られている。このマーガリンとあんこが絶妙なハーモニーなのだと愛知県民は主張するのだが、不協和音にしか思えないけどなあ。

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最後はやっぱり味噌!しかも赤味噌!名古屋めしと言えば味噌は赤味噌。白味噌を知らずに大人になる愛知県民も多いそうだ。この赤味噌を使ったメニューが名古屋めしの定番にはいくつもある。もちろん筆頭は味噌煮込みうどん。これは赤味噌でなければならないメニューだろう。そして味噌カツ。どうしてだろうと言いたくなるほど、名古屋めしではとんかつに赤味噌だ。ソースなんか誰もかけない。とんかつを味噌のたれで煮込んで食べる味噌カツ丼なんてのもある。そしてどて煮。もつを赤味噌の汁で煮込んだ名古屋めし流のもつ煮だ。なんともおじさんっぽいメニューだが、おいしそうではある。ソウルフードだと称してはふはふ食べる愛知県民。赤味噌と言えば何と言っても味噌おでん。「出汁にからしなんてバカじゃねえの?」とそこまで否定しなくてもと思うが、とにかく名古屋めしではおでんは味噌なのだ。あまりに茶色くどろどろでわからないが、大根や卵とおぼしき物体をみなさん「でらうま!」と叫びながら食べている。「血管を赤味噌が流れている」と、想像すると不健康そうなことを言ってご満悦な愛知県民。ああ、もうついていけそうにない。

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熱々!台湾!あんこ!赤味噌!これが名古屋めしの神髄だ。とにかくいずれも、濃い!過剰!○○過ぎ!それが名古屋めしなのだ。ついていけない、けれど試しに食べるとなかなかうまい。動けるようになったら、名古屋に出張する用事をつくって、食べたいなあ!

【文:境 治】

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