海ってそんなにめずらしい?海なし8県民の切なさを知れ!

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海ってそんなにめずらしい?海なし8県民の切なさを知れ!

日本は海に囲まれた島国だ、とよく言われる。だから日本人にとって海は身近で、海産物をよく食べ、夏は海水浴が当たり前。そう思ってるのは実は47都道府県民の中の、39都道府県民だ。残りの栃木・群馬・埼玉・山梨・長野・岐阜・滋賀・奈良の8県民は海岸線を持たない海なし県に住んでいる。海が遠く、海が憧れだという彼ら「海なし8」の県民たちは、海とどれくらい縁遠いのか。39都道府県民にはわからない海なし8の切なさを、徹底研究してみよう。

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彼らにとって、海は驚きの連続だ。サンダルを履かないと砂浜が熱くて歩けない、それだけで驚愕するのだ。波に揉まれれば驚き、海の水のしょっぱさに驚く。

また、海なし8は日焼けにやたらと憧れる。栃木県民の女子高生は「日焼けした肌がブランドだ」と言ってはばからない。長野県の湖畔にいたお父さんは「日焼けに憧れてたんだよ」と言う。「真っ黒になりたかったんだけど、途中でピリピリ痛くって・・・諦めたんだ」と切ない思い出を語ってくれた。

それから海なし8にとっては、海辺にあるものは何でも超レアだ。貝殻を見つければ宝石のように大切に集めて持って帰り、なんてことない海藻を見つけると「おおー!わかめか?」と珍しがって持ち帰る。長野県民の青年たちは「砂を持って帰る」と言うからびっくりだ。「コンビニの袋にパンパンに詰めて持って帰る。海の砂はきめ細かくてきれいだから」と言うのだが、持って帰ってどうすんの?

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一方、海なし8の中で群馬県民は最近、海が身近になったという。圏央道が鶴ケ島から茅ヶ崎まで開通したことで、高崎市から茅ケ崎海岸まで高速道路で約1時間40分で行けるようになったのだ。これまで群馬県民にとって海水浴は、遠く新潟県や茨城県まで出かけるものだったが、おしゃれな湘南の海がぐっと身近になった。湘南の海で探すと、次々に群馬県民に巡り合うことができる。高崎市から着た群馬夫婦に感想を聞くと「海外に来たみたい」と喜んでいる。「あっという間に湘南に来れるので、海なし県の劣等感持ってなーい!」と誇らしげに言う夫だが、奥さんに「いやあるだろ、まだ!」とつっこまれていた。

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海なし8にとって海の幸は縁遠い食材だ。だから彼らは貝にめっぽう疎い。ホタテや赤貝、アオヤギなどの貝を握った寿司の写真を見せると、ほぼほぼ答えられない。それはまだいいとして、あさりの「砂抜き」さえやったことがない人が多い。代わりに彼らは川魚をよく食べる。鯉やイワナが定番だが、長野県佐久市では小ブナを好んで食べるそうだ。しかも、季節によっては袋入りの生きた小ブナ200匹がスーパーで売られている。どうやって料理するかとあるお宅におじゃますると、鍋に煮汁を沸騰させたらなんと!フナを生きたままその鍋に少しずつ入れていくではないか!ええー?!なんかちょっと残酷!これは小ブナの甘露煮として、この地方で親しまれてきた料理だという。うーん、あんまり食べたくはないかなあ。

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そんな海なし県民もお寿司は大好き!ただ、普通の県民とどうも寿司の好みが違うようだ。長野県民はサラダ軍艦がだんぜん好き!サラダ軍艦とはイカゲソやカニカマのマヨネーズあえを軍艦寿司にしたもので、野菜が入ってないのにどこがサラダかと言いたくなる。なーんかお子様向けじゃない?と思うがこれを大人もよく食べるのがよくわからない。

また山梨県民はなぜかマグロ好き。というか、彼ら寿司屋でマグロばっかり注文する。そこまではいいのだが、マグロをアナゴなどに塗るあの甘ダレで食べるのは理解できない。その昔、遠くから運ばれて変色したマグロをおいしく食べる知恵として生まれた食べ方だそうだ。なるほど、海なし県らしい食文化だけど、物流も発達したしいまはどうかと思うな。

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あれこれ挙げたが、海なし県独特の海への気持ち、また海なし県だからこその文化がおわかりいただけたことだろう。どこか寂しく切ない海なし県民を哀れみながら、海あり生活を楽しみたい。この状況がよくなったら、海水浴にも行きたいものだねえ。

【文:境 治】

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