ラーメン好きすぎの山形県民の辛味噌ラーメンは味噌ラーメンなのか何なのか?

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ラーメン好きすぎの山形県民の辛味噌ラーメンは味噌ラーメンなのか何なのか?

ラーメンが好きかと言われたら多くの人が「好き!」と答えるだろう。だが山形県民のラーメン好きを知ると、自分も好きと言っていいのか自信をなくすはずだ。彼らはとにかくラーメンが大好きで、中華そば年間支出金額で6年連続1位に輝く。その金額は2018年度で16,260円。2位は新潟県の11,648円で、約1.5倍も違うではないか。

そして山形県のラーメンといえば暑い暑い夏用の冷やしラーメンというのもある。またゲソ天ラーメンという、その名の通りゲソの天ぷらをトッピングしたものもある。こうしたバリエーションの豊富さも山形県のラーメンの魅力だ。

その多彩な山形ラーメンの中でも辛味噌ラーメンはまた独特だ。味噌ラーメンのわりにはスープが赤味を帯びていない。透明度の高い白いスープで、味噌ラーメンといえばこってり濃い味のイメージがあったがそれは間違いだと思い知ることになる。ではどこが「辛味噌」なのかと見れば、スープと麺の上にドーンと巨大な味噌玉が乗っているではないか

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山形県民、この辛味噌をスープに溶いて食べる。なるほど、巨大な味噌玉が透明なスープに溶けると全体が赤みを帯びて堂々とした味噌ラーメンとなる。溶かすと辛味も行き渡るので、好みに合わせて味噌を溶く量を調節できる。やはり子どもたちには全部溶くと辛すぎるようだ。辛味噌ラーメンのメッカである山形県南陽市の白岩孝夫市長は「味噌玉を全部溶けば、大人です」と妙なところでドヤ顔で語る。

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この味噌玉は、なんと7割がニンニクだと言う。味噌に大量のおろしニンニクを加えて、そこに赤唐辛子も入れて混ぜこむのだ。こんなに入ってると食べ終わったあとに、ニンニク臭くなりそうだが、山形県民ときたらまったく気にしない様子。大丈夫なの、本当に?

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辛味噌ラーメンのメッカは南陽市だが、山形県内の他の市町村でもけっこう出してくれる。ただ、バリエーションがかなり広がっていて味噌ラーメンではない辛味噌ラーメンもけっこうある。味噌ラーメンではない辛味噌ラーメンってちょっと何言ってるかわからない感じだが、塩味やしょうゆ味のスープに巨大な味噌玉が乗せられ提供する店もあるそうだ。どの味がベースでも、辛味噌を溶けば辛味噌ラーメンになるということだ。おそるべし味噌玉のパワー。

それにしても山形県民、そのラーメンのバリエーションの豊富さは彼らのラーメン好きが生んだのだろう。もっともっと、彼らがラーメン文化を進化させてくれれば我々他県民も楽しめるというものだ。これからもラーメンを極めてもらいたいものだ。

【文:境 治】

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