高知県民が大好きな田舎寿司はネタが魚じゃない!はあ?それ寿司って言う?

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高知県民が大好きな田舎寿司はネタが魚じゃない!はあ?それ寿司って言う?

高知県民は田舎寿司と呼ばれるお寿司が大好きだという。へー!よくわかんないけど食べてみたい!高知県ならやっぱりカツオがネタなのかなあ、とか思うよね?ところがこの田舎寿司、寿司は寿司でもネタに魚を使わないそうだ。えー?!魚じゃなきゃ何をネタにするの?おいしいの?

秘密のケンミンSHOW」で紹介された田舎寿司は、一見すると赤身や白身がネタになってる彩り鮮やかなお寿司に見える。だがよくよく見ると、うーんこれは何だ?そう、やっぱり魚じゃないのだ。赤いのはミョウガ?白身に見えたのは何か山菜のようだ。そう、高知県民熱愛の田舎寿司は海の幸ではなく、山の幸、山菜をネタにする。他にも、タケノコやフキ、シイタケ、そしてなんとコンニャクも使うというからびっくりだ。コンニャクがネタの寿司って、それは寿司と言えるのだろうか。またリュウキュウと呼ばれる、大きなハスのような食材も定番だ。シャキシャキの食感がたまらないと高知県民は言う。

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田舎寿司は、酢飯にも特徴がある。ユノスを使うのだそうだ。ユノスとは、柚子を使った寿司酢のこと。高知県は柚子の生産高ダントツ一位。柚子の絞り汁をたーっぷり入れた寿司酢を使うことで、爽やかな寿司になる。酢飯の特徴はそれだけではない。沿岸部では、酢飯に焼いた鯖の身を混ぜ込む。ちょっと何言ってるかわからない感じだが、鯖の身が入った酢飯で山菜をネタに寿司にするとまたおいしい、らしい。

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ネタは季節によってバリエーションも豊富。春は菜の花をネタにしたり、夏はチャーテという瓜の一種もネタにする。そんな多様なネタを甘く煮込んで、柚子の香りいっぱいの酢飯で寿司として食べると、おいしいのだそうだ。なんだかだんだん、おいしそうな気がしてきた。

それにしても、カツオの一本釣りで知られる高知で、なぜ山菜を使った田舎寿司を食べるようになったのだろう。RKC調理製菓専門学校の理事・三谷英子さんによると、高知には「おきゃく」と呼ばれる宴会文化があり、田舎寿司はそんな場で親しまれてきたのだそうだ。意外にも高知県は84%が森林で山の多い土地柄。海は遠いので、山菜の寿司が発展して、明治時代から一般的になったという。「秘密のケンミンSHOW」の県民熱愛グルメは、ルーツを辿ると戦後生まれたものが多かったが、明治時代に定着した田舎寿司はちょっと珍しい食文化と言えそうだ。南国土佐で魚を使わない寿司が生まれたなんて面白い。

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考えてみれば寿司といえば魚、というのは固定概念かもしれない。おいしければ何をネタにしてもいいのだ。と思うと食べたくなってきたけれど、誰かこの辺りで田舎寿司が食べられるお店、知りませんか?

【文:境 治】

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