『FAKE MOTION』板垣瑞生、菅田将暉と『ソロモンの偽証』成島出監督に教えてもらった“俳優の面白み”とは?【連載PERSON vol.21】

公開: 更新:

人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON~人生を変えたテレビ番組」vol.21は、卓球に命をかける青春エモストーリーが話題のドラマ『FAKE MOTION - たったひとつの願い -』(日本テレビほか、毎週水曜24:59~)で主演を務めている板垣瑞生さんが登場します。

スカウトをきっかけに芸能界デビューした板垣さん。2015年公開の映画『ソロモンの偽証』(成島出監督)では、1万人のオーディション・ワークショップを経て、準主役・神原和彦役に抜擢。「第25回 日本映画批評家大賞」で新人男優賞(南俊子賞)を受賞しました。近年では、『連続テレビ小説 エール』(NHK)や主演ドラマ『社内マリッジハニー』(MBS)での演技が好評を博しています。

時は卓球戦国時代。主人公の都立八王子南工業高校副部長・土方歳鬼(板垣)や、敵の元エース・明智十兵衛(草川直弥)たちが、東京でエビ高連合軍を結成し、大阪の宿敵である天下布武学園に挑む『FAKE MOTION -たったひとつの願い- 』。東京VS大阪の熱き戦いだけでなく、シーズン1『FAKE MOTION -卓球の王将-』から半年後の世界が丁寧に描かれており、前作からのファンの期待にも応えています。

そんな板垣さんに、テレビとの関わり、先輩の背中を見て俳優を志したこと、さらに映画監督からもらったある言葉について赤裸々に語ってもらいました。

板垣さんが影響を受けた作品や俳優は?
板垣さんが影響を受けた作品や俳優は?

――板垣さんを形成しているテレビ番組を教えてください。

『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』です。大好きで何回も見ていますし、映画も観ています。『SPEC』も(『FAKE MOTION』と同じで)完全にフィクションなのに“ノンフィクション化”しているというか。見ている人が“これはなんで?”という違和感を持たないのが「スゲー!」って思いましたし、SPECもほしいしみたいな(笑)。瀬文さん(加瀬亮)の「心頭滅却 !」とか、“男たるもの”をそこで学んだ気がします。それと、心の底から楽しそうと思いました。「ラミパスラミパスルルル~」とか「さとっておさとが、さとポッポ!」とか、ああいう世界観が良いなって思いましたし、“自由なんだな”って。

――ちなみに、どんなSPECがほしいですか?

絶対に指パッチンを失敗しないSPECですね。理由は秘密です(笑)。

――秘密なんですね(笑)。では、影響を受けたエンタメ業界の方を教えてください。

最初は菅田(将暉)さんとお会いして“お芝居をしたい”と思ったので、それがなかったらと思うと……。当時、今の僕と同じ20歳くらいで、演技をやっていてもスゴいし、プライベートで話していてもものすごく面白いし、“逆に何ができないんだろう?”って。自分もお芝居で上を目指そう!”とその時に思いましたね。それと、成島出監督には、“こういう役者もあるんだ”とか、“これができないとダメなんだ”って一つずつ教えてもらいました。

――そういった出会いがなければ、役者さんの方向に行っていなかったかもしれないですか?

僕、やりたいことがなかったんです。ちょっと暗かったし、人前に出るのが苦手だったので、本当に役者になれて良かったなって思います。

――性格も変わったんですね。

変わりましたね。7年前の僕も、2年前の僕も全然違います。最近色々やらせていただいて、より楽しむようになっていますね。

――そうした出会いの中で、役者としてのターニングポイントになった言葉を教えてください。

成島監督に言われていたのは「ウソをつくな」と。(台本を見て)“こんなことないでしょ”って思ったら、そこで話が終わってしまう。監督には、それを「“本当にあるか・ないか”だったら、ある人になりなさい」と教えて頂いて。それからは“フィクションをノンフィクションにしなきゃいけないんだ”って思いながらやっています。そこだけはずっと変わらないですね。

――現在はさまざまな作品で活躍中ですが、芸能界に入った頃と心境の変化はありますか?

これからも変わっていくと思うんですけど、そもそも芸能界に入る前の僕もきっと変わっていたから(笑)、そう思うとあまり変わっていないのかなって。

20歳になって引き出し的なものも増えてきている気がするので、そのあたりは面白いですし、自分はここまでしかできなくて、こうやったらこうできるんだ……っていう実験をずーっと繰り返している感じです。ただ、“挑戦したい”とは常に思っていて、それは今でも変わらないですね。5年後も10年後も新しいものを作りたいと思っていると思います。

(取材・文:浜瀬将樹)

PICK UP