“女優”日向坂46・渡邉美穂、心に留めている母の言葉とは?『星になりたかった君と』の撮影秘話も【連載PERSON vol.18】

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人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON~人生を変えたテレビ番組」vol.18は、1月4、5日に放送されるドラマ『星になりたかった君と』(日本テレビ、24:59~)に、琴坂那沙(ことさか・なさ)役で出演する日向坂46渡邉美穂さんが登場します。

2017年にけやき坂46(現・日向坂46)の二期生としてデビューした渡邉さん。グループ活動はもちろん、ソロ写真集「陽だまり」(幻冬舎)を発売したり、『とりあえずNBAファンになってみる?』(NBA Rakuten)で番組MCを担当したりと個人としても活躍。女優としては、舞台『あゆみ』、ドラマ『DASADA』(日本テレビ、Huluほか)シリーズに出演するなど注目を集めています。

そんな彼女が今回演じるのは、星に癒しを感じる闘病中の大学生。プラネタリウムで出会った鷲上秀星(眞栄田郷敦)と心を通わせていく中で、ナユタ(板垣瑞生)という謎の青年が目の前に現れて……という物語です。今回は渡邉さんに、本作の魅力はもちろん、アイドルとして大切にしている言葉など、たっぷりと語ってもらいました。

那沙(渡邉美穂)、秀星(眞栄田郷敦)
那沙(渡邉美穂)、秀星(眞栄田郷敦)

――『星になりたかった君と』のヒロインに抜擢されたときの感想からお聞かせください。

マネージャーさんから電話で聞いたんですけど、おうちでテレビを見ていたくらいリラックスしていたときだったので、ビックリしちゃって、家の中をウロウロしてしまいました(笑)。いつもはアイドルをメインでやっているので、そういったお仕事とは違うお芝居をやらせていただけるのは、素直に嬉しかったです。

――本作は星に絡めた恋愛ラブストーリーです。脚本を読まれてどんなことを思われましたか?

ラブストーリーなんですけど、パラレルワールドのような要素もあって、最初は不思議な気持ちになりました。私自身、SFチックな作品が好きなので、いろんな楽しみ方ができるなってワクワクしましたね。

――もともとラブストーリーはご覧になっていましたか?

それがあまりなくて……ホラーやミステリーが好きなので、ピュアなラブストーリーに免疫がなかったんです(笑)。脚本を読んだときはキュンキュンしちゃって、“どうしよう?”“できるかな?”って不安でしたし、それからは恋愛ドラマを見るようにしていました。

――作品を見て勉強をされていたと。

いざ台詞を言うにしても、どういう言い方で話せばいいのか、どういう表情をすればいいのか、そうした細かいところでも、ご覧になっている方には伝わると思うので、そのあたりを中心に勉強をしました。

那沙(渡邉美穂)
那沙(渡邉美穂)

――今回、病気を患っている役どころですが、演じる際に気をつけた部分があれば教えてください。

病が進行しているシーンでは、階段を上ったり、歩いたりするのさえしんどい……という描写があるんですけど、本当にしんどさを出せるように、スタートがかかるギリギリまで息を止めていました。

――渡邉さんなりに工夫されたんですね。

ちょっとあがいてみました(笑)。これは誰にも言っていないです。

――監督やスタッフさんとはどんなコミュニケーションを取られたんですか?

最初の頃は、思っていても自分から言えなかったんですけど、最後の方には「ここをこういうふうに言いたいんですけど」って言えるようになったので、自分の中で成長できた部分かなって思います。共演者の皆さんもスタッフさんも優しい方しかいなかったので、支えていただきました。

――共演者の方とはどんなお話をされていたんですか?

眞栄田さんは同い年で、板垣さんはひとつ下と、ほとんど同年代だったので、本当に若者の話というか(笑)。私、バスケットボールを10年以上やっていたんですけど、眞栄田さんもバスケをやっていらっしゃったらしくて「じつは俺もやっていたんだよ」って教えてくださいました。

ナユタ(板垣瑞生)、那沙(渡邉美穂)
ナユタ(板垣瑞生)、那沙(渡邉美穂)

――撮影の合間でコミュニケーションをとることで、役に活かされたんですね。

そうですね。初めてお会いした時は、お互い人見知りだったので、全然喋ることができませんでした。でも、初めての撮影が出会いのシーンだったので、そのぎこちなさが逆に良かったのかなって。その後、だんだん喋れるようになりましたし、物語上でもお互いの距離が縮まってくるので、いい意味でドラマに反映されていたのかなと思います。

――那沙さんは星に魅せられている女の子ですが、渡邉さん自身が魅せられているものはなんですか?

ASMR動画(キーボードを打つ音、咀嚼音など、“音”を聞く動画)や自然音が好きで、YouTubeでも雨音とか日常の生活音などを調べて聴いています。じつは昨日も雨音を聴いて寝ていました(笑)。あと、ASMRが大好きすぎて、1人で楽しむために、自分で録音して聴くこともあります(笑)。

――渡邉さんのASMRはファンの方も喜びそうな企画ですね。

「ASMRを録っているんだ」ってことは(公に)言ったことがあって「ぜひ、やってください!」と声をかけられることもあるんですけど、ちょっと恥ずかしいです(笑)。

バラエティ番組でも活躍中の渡邉さん。お気に入りの番組は?
バラエティ番組でも活躍中の渡邉さん。お気に入りの番組は?

――そんな渡邉さんが、現在ハマっているテレビ番組を教えてください。

お笑いが結構好きで、いろんなバラエティ番組を録画して見るんですけど、中でも、全放送回を見るくらい『相席食堂』が大好きです。音楽を聴いたり、映画を見たりもするんですけど、仕事でかなり疲れているときって、受け付けないときがあって。でも、なぜか“『相席食堂』だけは欠かさず見よう”って思うので、私的にはお仕事を頑張るモチベーションになっています。いつかロケに行きたいなって思います。

――ちなみに、どの回がお好きなんですか?

島田珠代さんが出られている回が大好きで、何回も見ました(笑)。もちろん存在は知っていたんですけど、『吉本新喜劇』になじみがなかったんです。関西出身の日向坂メンバーに「本当にすごい方だよ」って聞いたので、どんな方なんだろう? って思って、初めてロケを見たら“とんでもない人だ!”って(笑)。面白すぎてドハマりしちゃったので、いつか『新喜劇』も観劇できたらと思っています。

――渡邉さんがエンタメ界で影響を受けた人を教えてください。

二階堂ふみさんが好きで、二階堂さんが出られている作品を見て“自分もお芝居をやりたい”って思ったんですよ。じつは、各所で「二階堂さんに憧れているんです」ってお話をさせていただいたら、たまたまご本人のお耳に入ったみたいで、ご自身のフォトブックに宛名付きのサインをして送ってくださって……。もう“わぁ~!”ってなりました。本当におこがましいんですけど、いつか一緒にお仕事ができたら嬉しいです。

――二階堂さんにはどんな魅力を感じているんですか?

人となりも素敵な方だと思うんですけど、やっぱり演技です。女優さんなので、いろんな役柄を演じていらっしゃるんですけど、“本当の二階堂ふみさんはどんな人なんだろう?”と思うくらい演じ分けられていて、心惹かれてしまいました。

――アイドル・役者として活動する中で大切にしている信念や言葉などがありましたら教えてください。

私は母親の影響がすごく大きくて、何か悩みがあったとき、基本的に母親にしか相談しないんですよ。そんなとき、小さいころから今までずっと言われているのが「“自分がどうなりたいか”を考えなさい」という言葉です。心が揺さぶられて「どうすればいいのかわからない」って乱れてしまったときも、同じように声をかけてくれるので、その言葉をずっと心に留めています。

――お母さんの存在は芸能活動する中でも大きいんですね。

私の仕事に関しては「大変だと思うし、詳しくは分からないけど、娘が熱心に取り組んでいるっていうことだけで、応援しようと思える」って言ってくれるので、すごく励みになります。

――アイドル活動をする中では、目標を立てることも大事かと思います。「なりたい自分」になるために具体的にどんなことをされていますか?

目標があっても、1日、2日で成し遂げられるものってそう簡単にはなくて。長期的にモチベーションを保ちたいと思ったときは、持ち歩いているノートに箇条書きします。些細なことでも、スケールが大きいことでも、とにかくやりたいことリストを作って、「ここにいく」「このお仕事をいつかやる」とか全部書きだしています。

――たとえば今回の「女優になる」みたいなことも書いてらっしゃったんですか?

じつは、日向坂46に入ったあとに「一人でドラマに出たい」って書いていました。今回、そこに星のマークをつけてきました。

――そのほかに書いていた目標はあるんですか?

ずっとバスケをしてきたので「バスケに関するお仕事をやりたい」って書いていたら、NBAに関する配信番組のお仕事をいただいたので、なんだかんだ叶っているなって思います。

――日向坂46さんの人気の理由のひとつが、バラエティ能力の高さだと思います。オードリーさんと共演されている『日向坂で会いましょう』(テレビ東京系)では、芸人さんがやるようなハードなお笑いにも挑戦されていますが、同番組は、学びの場でもあるのではないでしょうか。

そうですね。たぶんアイドルになっていなかったら、番組で大喜利とかモノボケやることって絶対なかったと思うんですよ(笑)。最初は恥ずかしかったんですけど、やることによって自信にもなったし、単純に芸人さんとお話させていただくのは、すごく面白いし楽しいので、貴重な経験をさせていただいていると思っています。

――他のバラエティ番組では、あそこまでの厳しさはないですもんね。

感覚がマヒしちゃっていて、本来だったら普通のコメントを言えばいいところを“ボケたほうがいいのかな?”って考えるようになったので、そういう弊害はあります(笑)。

――オードリーさんとは約3年ほどご一緒されていますが、印象は変わりましたか?

最初は、表で「トゥース!」とかやっていらっしゃるけど、“裏ではこんな寡黙なんだ!”ってビックリしちゃいました(笑)。でも今は、カメラが回ってない間でも、逆にお二人の方からメンバーにお話をしてくださるので、距離が縮まって良かったなって思います。すごく私たちのことを考えてくださっているみたいで、そういう愛も感じますね。

――とても良い関係性を築かれているんですね。ありがとうございます。それでは、最後にドラマの見どころ教えてください。

人を思いやる気持ちだったり、秀星くんと那沙ちゃんが惹かれあっていく姿だったりを見て、心温まるものを感じていただけたらと思います。この作品を見ることによって、自分の大切な人や好きな人のことをより強く思っていただけたら嬉しいです。

(取材・文:浜瀬将樹)

那沙(渡邉美穂)
那沙(渡邉美穂)

<あらすじ>
関東一帯でたびたび起きる大規模な通信障害。それは偶然か必然か……。天文学者になる事を夢見ながら、人生に思い悩む大学休学中の鷲上秀星(眞栄田)と、心臓を患い余命いくばくもない琴坂那沙(渡邉)。他人に心を開くことがない二人は、いつも星に魅せられていた。

ある日、同じプラネタリウムを見にきていたところで偶然出会い、二人の運命は交錯していく。「私は星になりたい」そんな那沙に少しずつ惹かれていく秀星。徐々に心を通わせていく中で、秀星はある事実を知ることになる。

そして、秀星の祖父・貴生(嶋田久作)が密かに研究しているパラレルワールドの理論の完成も間近に迫る頃、那沙の病状が悪化、姉の詩織(高月彩良)は手術をする決断を迫られ……。そんな中、謎の青年ナユタ(板垣)が那沙の前に現れる。

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