亀梨和也の演技力に脱帽!中村倫也や綾野剛もゲスト出演していた“今見るべき”ドラマ『妖怪人間ベム』

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KAT-TUN亀梨和也主演のドラマ『妖怪人間ベム』(日本テレビ系、2011年放送)が、在京民放5社(日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビ)が運営する民放公式テレビポータル「TVer」にて期間限定で無料配信されている。

1968年に放送された人気アニメを実写化した本作。ベム(亀梨)、ベラ()、ベロ(鈴木福)は妖怪人間だ。普段は人間に化けているが、感情が高ぶると、妖怪の姿に戻ってしまう。ベムたちの目的は“人間になりたい”というシンプルだが難しいもの。願いを叶えるため、ある人を探して放浪を続けている。

第1話では、偶然知り合った刑事・夏目章規(北村一輝)の娘・優以(杉咲花)とベロが仲良くなり、彼らと共に食事をすることに。人間との接触を避けてきた3人は、妖怪であることを隠すよう努めていた。しかし、夏目家に飾られていた写真を見たベムは驚がく。そこには“人間”に近づく重要なものが写っていて……という展開。毎話登場するゲストも豪華で、第1話に中村倫也、第2話に風間俊介、 第5話に斎藤工、そして第7話に綾野剛など、今では主役級の俳優が出演していた。

アニメの実写化は、時として叩かれてしまうこともある。しかし、本作は大胆にアレンジを加えながらも、アニメへのリスペクトを忘れていない。子供から大人までが見られる“ドラマ”に落としこんだことで、多くの視聴者を飽きさせることなく魅了した。

そんなドラマオリジナル要素のひとつとして、夏目たちが住む街に、不思議な力を使って人間の悪意を利用する黒幕・名前の無い男(柄本明)が存在。彼と対峙していく中で、ベムたちの秘密が明らかとなっていく。この柄本の奇妙な雰囲気が物語の面白さを引き立たせている。もちろん、物静かで無愛想だが優しさに溢れるベムを演じる亀梨、アニメのキャラクターに寄せたビジュアルをまといつつも違和感ない芝居を見せる杏、純粋無垢なベロを担う鈴木など、登場人物の演技力の高さも見逃せない。

ストーリーも秀逸だ。基本的には、名前の無い男に操られる人たちを、ベムたちが退治する……という展開なのだが、ラストシーンに至るまで、登場人物の苦悩がしっかりと描かれており、放送を見終えた後も余韻が残る。そして、ベムの人間に対する愛を強く感じるのも魅力のひとつ。妖怪の姿を見られた人間から怯えられ、迫害されたとしても、ベムは人間を信じ、愛することをやめない。

私たちは所詮人間。妖怪人間の気持ちは分からない。だが、ベムたちが体を張って教えてくれる“信じることの大切さ”は十二分に伝わってくる。SNSが普及し、何が本当で何が嘘なのか分からない……と感じることの多い現代。約10年前に産声をあげたドラマ『妖怪人間ベム』は、今まさに見るべき作品なのかもしれない。

(文・浜瀬将樹)

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