中村倫也×小芝風花×小池栄子・鼎談!共演して意外だったことは?『美食探偵 明智五郎』

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中村倫也が主演を務める日曜ドラマ『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系、毎週日曜22:30~)が、4月12日にスタートする。

原作は、東村アキコが手掛ける初のサスペンス漫画「美食探偵―明智五郎―」(集英社「ココハナ」連載)。容姿端麗だが変わり者の美食家探偵・明智五郎(中村)は、移動弁当屋「いちご・デリ」の店主・小林苺(小芝風花)を探偵助手に駆り出し、類まれなグルメの知識を使って殺人事件の解決にあたっている。そんな中、浮気調査を依頼してきた主婦(マグダラのマリア/小池栄子)は、明智との出会いをきっかけに“本当の自分”に気づかされ、殺人鬼へと変貌。明智の気を惹くように、次々に殺人を“演出”していく――。

物語の要となる中村、小芝、小池に役柄や物語の魅力について語ってもらった。

――原作・東村アキコさん、脚本・田辺茂範さん、映画のスタッフの方もいらっしゃいますが、この布陣についての見どころは?

小芝:「タラレバ娘」を読んでいたので、東村さんの作品に参加させていただけるのはとても嬉しいですが、素晴らしい先輩方と作品に自分なんかが出ていいんだろうかと少し怖くもあります。勉強させていただこうという気持ちです。脚本家の田辺さんは前に『トクサツガガガ』(NHK)でご一緒させていただいたことがあるので、また一緒にお仕事できることは嬉しかったですし、「やっぱ、小芝いいな」と思ってもらえるように頑張ります。

中村:東村さんの「かくかくしかじか」という本が好きで、そのときから東村さんってこんな感じの人なのかなと思い描いていたものがあって。先日現場でご挨拶させていただいたのですが、これからまたコミュニケーションを深める機会があれば、色々な面が見えてくるのかなと楽しみです。

それと、出来上がった画からは異質な感じがしていますね。この題材を日テレの日曜ドラマ枠でというのもなかなかチャレンジングだと思いますし、ザッピングしているときに、「あれ……」と止まるような雰囲気のある画やカメラワークなんかが面白いなと思っています。

小池:東村先生来たんだ! お会いしたかったな……。きっとマリアの要素を持っている方なんだろうなと勝手に思ってたので、それを聞いてみたかったというのもあって。

特に私と明智さんのシーンは、別世界に飛んでいるような感じでとても美しいですね。照明の使い方や画作りの仕方なんかも見どころです。

――原作を読んでの感想を教えてください。

小芝:マリアと明智のシーンは結構怖くて、ミステリアスなセリフやシーンが多いんですが、私が演じる苺と明智の絡みはポップでコミカル。そのギャップが面白いんです。ドラマでも、苺は面倒見がよくて料理の面で振り回されるのはそのままで、楽しいシーンになっていると思います。

小池:原作を読んで、とても美しいミステリーだなと思いました。苺ちゃんと明智のシーンはとてもコミカルだし、倫也のお芝居は漫画から飛び出してきたかのように、リアクションが面白くて。現場ではかわいくて笑っちゃったんですけどね(笑)。原作ファンの方は漫画に忠実にと求められる方が多いと思うのですが、それも決して裏切ってはいないし、監督はドラマオリジナルのお芝居を意識して演出してらっしゃるので、知っている方も知らない方も楽しめるようになっていると思います。それに、こうして扮装させていただくと気持ちが盛り上がるので、役者としてはありがたいですし、ノリノリでお芝居させていただいています。

中村:まず漫画を読んで、あの顔面なのに、なぜ僕にオファーがきたんだろうと今でも疑問はぬぐえないんですが、うす顔ながら精一杯やらせていただいてます(笑)。物語はミステリーや食にまつわることが真ん中にあるんですが、ドラマでいう各話の事件の“動機”に着眼点があるタイプのミステリーはなかなかなかったんじゃないかなと。そこが漫画もドラマも見どころの一つだと思います。

僕自身、漫画や小説の原作ものをやらせていただく機会が増えてきているんですが、いい意味で誠意をもって、“(原作を)あまり気にしない”というスタンスなんです。もちろん、原作の良さを、ドラマでもしっかりとリスペクトを持ってやっていくということは、スタッフとの共有認識としてあるんですが、スタッフが、衣装やディレクションをリスペクトを持って用意してくださるので、僕自身は、台本とキャストとスタッフと、その瞬間を一番面白いと思えるものを作りたいなと考えています。

――衣装を着てみての感想は?

中村:意外と似合うなと思っています(笑)。つけるのは初めてなんですが、ループタイが良いなと。ネクタイがスタンダードとされている中で、ループタイというチョイスが、他とちょっと違って好きですね。これは祖父のおさがりという設定で、この石言葉を調べてみると、“禁断の愛”でぴったりじゃんと思いました(笑)。

――セットでお気に入りの場所はあったりしますか?

中村:動物のアイテムが多いんです。その中で蝶の標本を狙っていて、「これいくら?」って美術さんに聞きました(笑)。フラミンゴの置物なんかもあって遊び心がありますし、一方で、キッチンは最新式のアイランドキッチンなのが面白いですね。

――役の魅力を教えてください。

小芝:私の役はリアクションが大きく喜怒哀楽が激しくて、明智さんに振り回されているので、そこが面白くなっていたらいいなと思っています。

小池:マリアは、肉体的な浮気をされるよりも、他の女性と食事を共にしている、そういう時間を共有していることを腹立たしいと思って犯罪に手を染めていくんです。それは、私自身もとてもよく分かるんです。実生活でも、仮に旦那さんが、かわいい女の子とキスしている写真よりも、楽しそうに2ショットでご飯を食べている写真の方がイラつくんです(笑)。おそらく、世の女性は共感してくれる方がたくさんいると思いますし、そのマリアが“チルドレン”を作っていくという、その発想も面白くて。自分の手を汚さずとも、この先殺人が行われていくわけですが、いつかそのチルドレンに結束されて反逆されるんじゃないかと不安に思ってます。

小芝・中村:あはは(笑)。

小池:こんな従順なしもべたちいるかなって(笑)。「あれ、俺たち・私たち利用されてたんじゃないか?」って。今いただいている台本の中には、まだそういうシーンは出てきていないですが、正直、こんな気持ちになるとは思っていなかったので、ドキドキしています……。

中村:明智という男は、一言で言うと変わり者です。喋り方もレトロで回りくどさもありつつ、言葉遣いも丁寧なのか丁寧すぎるのかよく分からない。独特な間や言葉選び、思考回路があるんです。そんな変わり者の明智が、振り回したり振り回されたりするんですが、こういうアクの強いキャラなのに、ちゃんとみんなと混ざらないと物語が運んでいかないなと感じていて、それが面白いなと。ですが、混ざり過ぎてもダメで、その塩梅をどうしていくかが、役者として楽しいところだなと思っています。

――これまでに探偵を演じたいと思ったことはありますか?

中村:小さい頃にホームズの児童図書を読んだりして好きでしたね。でも演じてみると、謎を解くにあたって、セリフが多いのが大変で……。この前は15ページくらいを一人で喋らないといけなかったので、耳から炎が出そうでした(笑)。

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