福島原発事故・被災者の活動を追う…思い出詰まった家屋の解体をドローン撮影

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6月17日(日)25時5分からの『NNNドキュメント'18』(日本テレビ)は、「ここで、生きた~原発に奪われた私の家~」と題して放送する。

原発事故の避難区域だった福島県の沿岸部では、家屋の解体が急ピッチで進んでいる。期限内に申請すれば、国が費用を負担するためだ。事故から7年、人が住まない家は痛みが激しい。故郷を離れて暮らし、避難先に新しい生活の拠点もできた。住み慣れた我が家、先代から引き継いだ家を解体する……割り切れない思いを抱えたまま、決断の時は迫る。

楢葉町からいわき市に避難する松本淳さん(38歳)は、2015年から、解体される家屋をドローンで撮り始めた。映像は4分程度にまとめ、DVDにして被災者に贈る。活動の内容が知られるようになり、これまで約40人の被災者に、解体前の我が家の映像を届けてきた。松本さんもあの日、津波で一瞬にして我が家を失った。写真など思い出も流され、自宅があった場所は災害ガレキの仮置き場になった。ここに何があったのか、知る由もないほど故郷は変わった。「そういう思いをした自分だからこそ使命がある」という意志のもと、撮影のため毎日のように被災地に通っている。

今回、自宅の撮影を依頼するのは、両親が建てた家の解体を決めた男性、闘病中の夫に我が家を見せたかった妻、親子で住んだ家を壊すことにした息子といった面々。松本さんが届けた映像を見て、涙を流し、子どもたちとの思い出を語り、故郷のことを語る……。解体される我が家と、それを撮り続ける男性を通して、被災者の心の移り変わり、故郷への思いを描く。

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