ろうにゃくにゃんにょがハマる茨城県のにんたまラーメンって何それ?

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ラーメンで有名な県といえば、豚骨ラーメンの福岡県、札幌ラーメンの北海道をはじめ、京都府や山形県、福島県もそれぞれ独特のラーメン文化で知られている。だがまだまだ眠れるラーメン県はありそうだ。2月8日の「秘密のケンミンSHOW」では、新たなラーメン王国として茨城県を取り上げた。

茨城県のラーメンと言われても、他県民にはまったくイメージが浮かばない。だが番組では、茨城各地で親しまれてきた独特のラーメンを紹介していった。水戸市には具だくさんで甘辛いあんをたっぷりかけるスタミナラーメンがある。筑西市には昭和が香る鶏ガラ醤油ラーメンになぜか鶏チャーシュー、さらには鶏皮ものせて食べる下館ラーメンがあるそうだ。県北の日立市や常陸太田市では、豆腐も入って巨大な味噌汁にしか見えない豆腐味噌ラーメンが大人気だという。

だがこうした味わいや製法などの違いを飛び越えて、まったく異次元のラーメン店も茨城県では広く人気だという。ある県民は「遊びに行くラーメン屋」と表現した。他の県民たちも「ずっと居座れる」「なんでもできる」などと普通のラーメン店には使わないことを言う。さらには「ラーメン食わなくてもいいんじゃね?」などと、驚天動地のことまで言い出した。食べなくてもいいラーメン店とは、いったいどんなラーメン店なのか?

それが茨城県内に11店舗を展開する「にんたまラーメン」だ。名前までどこか人を食ったようなところがあるが、これは「にんにくとたまご」の意味なのだ。それはそれでおいしそうだ。

お店に行くと、普通にお客さんがおいしそうにその「にんたまラーメン」を食べている。ごくごく一般的なラーメン店の光景だ。

だがよくよく見ると、まずドリンクバーがあるのに感心する。ラーメンにはあまり必要ない気もするが、あればあるでいいかもしれない。さらに店内を見ると今度は大きな本棚に大量のマンガが置かれているのを発見。さながらマンガ喫茶のようだ。なるほど、これならずっと居座れる。

そこまではまだいい。だが店内にゲームコーナーがあるのを見るとなんだかわからなくなってくる。一台や二台ではなく、「ゲーセン」と言っていいくらいたくさんのゲームマシンやクレーンゲームが並んでいる。「遊びに行くラーメン店」とはまさしくその通りのお店だったのだ。

さらにさらに、小美玉市の店舗には風呂まであるのを見ると、もはやラーメン店としてのアイデンティティは崩壊してしまう。ラーメンも食べられるレジャーランドと言った方が正しいのではないだろうか。ラーメンの券売機に「お風呂セット」とあるのでかろうじてラーメンがメインなのだとわかるわけだが。

入浴中のお客さんに言わせると「そのうちそこらじゅうのラーメン店にお風呂がつくんだよ、進化なんだよ」ということだそうだ。進化と言うより、突然変異ではないかという気もするが。

スタジオでは、茨城県民代表として、デーブ大久保と鈴木奈々がラーメン王国・茨城をプッシュする。鈴木奈々はとくに興奮しすぎて立ったまま身体全体を使って猛烈アピール。勢い余って「ろうにゃくにゃんにょがハマるんです」と奇妙な日本語を繰り出すほど。間違って言ったのか、そもそもそう憶えてしまっていたのかはわからないが、茨城では老若男女みんながラーメン大好きなのはよくわかった。

それにしても、茨城は茨城で、こんなに豊かなラーメン文化を育んでいた。県ごとに独自のラーメンが楽しめるなんて楽しいではないか。やはり県民文化はまだまだ奥が深そうだ。

【文:境 治】

提供:読みテレ

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