吉岡里帆、劇場版出演で『コナン』の偉大さを痛感「変な仕事したら許さないからね!」

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劇場版21作目となる『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』(4月15日公開)では、江戸川コナン(=工藤新一)と服部平次という東西の高校生探偵が揃い踏みするというファン垂涎のストーリーを展開。さらに、今後にも大きく絡んでくる百人一首の高校生チャンピオン・大岡紅葉が、スクリーンに初登場を果たす。「平次の婚約者」を名乗る紅葉の登場は、平次と幼馴染みの遠山和葉の関係にどんな影響をもたらすのか。そんな平次と和葉を前に、新一と毛利蘭の関係にも変化が生まれるのか!? 胸キュン間違い無しの“淡い恋のストーリー”に注目が集まっている。

本作で、ゲスト声優としてオリジナルキャラクター・枚本未来子を演じているのは、ドラマ『連続テレビ小説 あさが来た』『ゆとりですがなにか』『カルテット』や、CM『UR賃貸住宅』『綾鷹 にごりほのか』などに出演している、吉岡里帆さん。このインタビューでは、アニメ声優初挑戦や役柄の印象などについて語っていただいた。

――アニメ声優は初挑戦となりますが率直な感想は?

『名探偵コナン』はとても歴史のある作品で、劇場版も21作目なので、すごく責任の重い仕事だなというのが最初の感想です。現場に入る1か月前は研究期間といいますか、“声優には何が必要なのか”などを勉強してから挑みましたが、とにかく難しかったですね。役者業は自分の身体の動きや表情が映っているので、そこからお客さんが感情を読み取れますが、アニメには私の見た目や顔の動きは入らない。だから演じる側がそのアニメの型にちゃんとはまるように形を変えていくという作業が必要なのですが、そこが面白さと難しさを併せ持っているなと、経験させていただいて勉強になることが多かったです。

――特に難しかった演技は?

声の出し方としては、少し憂いを帯びた表情というか、涙目の表情の声をあてるのが難しかったです。アニメーションの顔を見てどの声を選択するかを自分で考えるのですが、悔しいとか悲しいという感情は音の緩急で付けられるのですが、涙ぐむという声は、私が泣いたから出るかというとそうではなくて、一番テイクを重ねたシーンです。

――出演が決まった際の周囲の反応はいかがでしたか?

誰にも報告していなかったのですが、友だちからたくさん連絡がきました。一番びっくりしたのが、高校の時の塾の先生から連絡がきて、「何年ぶり?」って思うくらい久しぶりでした。「吉岡、コナンくん出るんだってな。俺大ファンだよ。絶対に舞台あいさつ観に行くから京都に来てね」って言ってくれてすごく嬉しかったですし、改めて『名探偵コナン』ってすごいなと思いました。でも、アニメファンの子からは「いくら仲の良い里帆でも変な仕事したら許さないからね!」と言われて背筋が伸びました。あんなに友だちからプレッシャーを与えられることはないなと感じましたね(笑)

――アフレコを終えてみて自己評価は?

35点です。初心者ですのであまり自分を評価できないといいますか、みなさんは何年も何年もかけてこの作品に出られていると思うので、そういう意味で私自身の点数は低いです。ですが、やっぱり心の込め方みたいなものはずっと役者業で勉強してきて、できる部分というのは全力でやっているので、そこはみなさんに失礼のないように声を入れたつもりでいます。

――今回演じるのは和葉と同級生の未来子。どんなイメージを持たれましたか?

眼鏡をかけていて、かるた部の主将なので、一見すると真面目な堅物で暗い人なのかなというイメージがありますが、意外と活発な子で、はつらつとした高校生らしい子だと思います。特に和葉ちゃんとのやり取りが多くて、和葉はすごく元気でからりんとしたところが魅力だと思うので、その和葉と友だちになれるようなテンションというか、その辺りは意識しました。

――役作りはどのようにされましたか?

声に行きつくまでは結構な時間がかかりました。レギュラー声優のみなさまが声を入れたDVDと台本を照らし合わせて、みなさまの声とは違うラインのキャラクターの声を出すこと、色々な声を当てて録音してみてその声と顔が合っているのかなど検証を重ねて、これでやろうかなというのを現場に持って行ったらOKが出たので、それに決めたという感じです。監督からは「無理に新しい声を作るというよりは、自分の声を生かした音。無理をせずに声を出すことが一番の正解だと思う」とアドバイスいただいたので、私の声を生かしつつも声優さんの発生をまねた声という感じになりました。

――ビジュアルも吉岡さんに似ていると思いますが……

似ていますか? もしそうだとしたらすごく嬉しいですね。あと、朝ドラで眼鏡の役を演じて以来、眼鏡に愛着が生まれました。仕事でも眼鏡をかけてやってくださいと言われることもあったり、自分にとっても好きなキャラクター像なので、眼鏡っ子を演じられるのは嬉しいです。

――ご自身も作品の舞台となっている京都の出身ですが、何か影響はありましたか?

地元の言葉なので、無理な負荷がかからなかったというのはすごく大きいです。例えば、これが初めての声優業で東北弁のキャラクターを演じてくださいと言われると、やっぱりあと1か月は準備期間がいるなという感じだったのですが、関西弁なのですごく馴染みのある音でした。関西独特の間があって、初めの方で服部くんに「何いうてんの!」というセリフがあったのですが、どのくらいの強さで普段学生同士がツッコんでいるのかなどはわかるのでコツを掴みやすかったです。

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