茅島みずき、奥平大兼ら出演『卒業式に、神谷詩子がいない』インタビュー

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2022年3月、高校の卒業式に神谷詩子(茅島みずき)の姿はなかった。

一体、彼女に何があったのか?

Zドラマ『卒業式に、神谷詩子がいない』(日本テレビ、毎週日曜13:45〜)の第1話が、2月27日より放送されます。

2019年、高校1年生の春、中学のときのトラウマで高校生活に希望を見いだせずにいた詩子は、寺島史也(奥平大兼)、 安藤しず香(田鍋梨々花)、工藤健介(中川大輔)、宮田萌(莉子)、小林真斗(杢代和人)と出会う。やがて、ダンスをきっかけに距離が縮まった6人は「ファンファーレ」と名付けたグループを結成。かけがえのない仲間になっていくのだが……。

今回、魅力的なタイトル、ベールに包まれた展開、Z世代(90年代後半に生まれた世代)に絶大な人気を誇る役者陣と、注目せざるをえない本作のメインキャスト6人に、話を聞きました。

――みなさんの年齢は17~24歳とさまざまです。学校が舞台のドラマと聞いて最初の感想を教えてください。

茅島:学園モノは限られた年齢でしかできないですし(現在17歳)、同世代の方とお芝居できる機会がなかなかないので、お話を聞いたときは嬉しかったです。最年長の中川さん(24歳)とは年齢差もあるんですけど(笑)、事前に監督から「みんなでタメ口で話そう」と言われていて、みんな仲良くタメ口でお話しています。

中川:(笑)。

田鍋:学生の頃からお仕事を始めたのもあって(現在18歳)、青春をあまりしてこなかったので、このドラマを通して青春できるのかと思うとすごく嬉しかったです。

莉子:私は昨年高校を卒業したんですが(現在19歳)、この短期間で、自分が過ごした3年間とは違う青春をもう一度体験できるのはすごく嬉しかったです。今をときめく俳優さんたちと青春を送れるのも新鮮味があって、楽しみな気持ちでいっぱいでした。

中川:僕はずっと(学園モノを)やりたかったのですごく嬉しかったです。もともと学校だったところでロケをしているのもあって、2回目の青春という感じでした。

杢代:現役の高校生のときに(現在17歳)学園モノに出演できて嬉しいですし、すぐに制服がなじみました。

奥平:いま高校3年生(18歳)で今年卒業なんですけど、コロナでうまく楽しめなかったんです。そういうこともあって、この6人でお芝居をしながら学生生活を楽しめそうだなという期待がありました。

――それぞれの役の印象と、演じる上で大切にしていたことは?

奥平:史也くんは気持ちの表し方がヘタな子。素直に言えばいいのに、遠回りするから結果的に相手を傷つけてしまうというか……。

今までは少人数でお芝居することが多く、集団でお芝居することが少なかったので、今回は、自分の役というよりも、全体的なバランスを考えました。本読みの段階で、自分の役は“こういう子なんだろうな”と思いつつ、たとえば健介くんに対してはどういう立ち位置なのか、自分視点ではなく、客観的にどう見えるのかを考えました。

杢代:(真斗は)人に言えない悩みを持っていて。普通の男の子にはない感性や感覚を持っているんですけど、楽しむところは全力で楽しむんです。その“全力”部分は一番大事にしていました。楽しいときは、その悩みを持ち込まないというか……。フレッシュでリアルな高校生を演じることができたと思います。

中川:(健介は)陽キャのサッカー部。史也が言いたいことを素直に言えない子だとすると、その真逆で、怒りも楽しさの感情もなんでもストレートに表現する、一番動物的な子だなって思います。気をつけていたのは、一番大きな声を出すということです。

一同:(笑)。

奥平:健介が一番難しいと思う。オンエアを見てもらえれば分かると思うんですけど、健介が一番盛り上げてくれました。

茅島:役とくらべたら大人だなって思います。

中川:24歳なんでね(笑)。

茅島:詩子は、心を開いた人には明るく、友だち思いで、自分よりも周り第一に考える素敵な子です。ただその分、自分の悩みを内に秘めてしまうので、そういうところ(を表現するの)は難しかったなと思います。みんなとは、演技以外の部分でも仲良くするところから始めたので、リアルに楽しんでいるところが映像にも出ているんじゃないかなと思います。

田鍋:私が演じたしず香は、第一志望の高校受験に失敗して、この学校に入り、みんなと出会うのですが、親からの期待に応えなきゃという気持ちと、みんなと過ごしたい気持ちで葛藤していて……。基本的には元気な子なんですけど、“抱えるもの”がある分、その差をうまく演じられたらいいなと思っていました。

莉子:萌ちゃんは、元気で明るくて、この中でいうと、一番“今どき”っぽいのかなと思います。思ったことをすぐに言える子なので、会話をするシーンでも相槌を多くするなど、さりげない言葉のリズム感を大切にしながら演じていました。(自分自身との)テンション間はそこまでかけ離れていなかったので、すごく演じやすかったです。

――初めて会ったときと印象が変わったメンバーを教えてください。

茅島:杢代さんですね。本読みの時、一番静かだったんですけど、現場に入ったら話しかけてくださったんですよ。同い年というのもあって“気軽に喋れる方なんだな”って思いました。そこからよくお話しています。

田鍋:茅島さんと杢代さんですね。茅島さんとは、雑誌「Seventeen」(のモデル)で一緒なんですが、頻繁に会うことはなく、このドラマを通してたくさん喋るようになりました。もともとはクールで大人っぽい印象を持っていたんですけど、実際に話してみると、おしゃべりが大好きで、“THE17歳”と感じるかわいらしい一面もあるので、そのギャップがいいなと思います。杢代さんは最初静かな人だと思っていたんですが、いまは、たくさんおしゃべりする元気な方だなという印象です。

莉子:共演する前から出演作を見させていただいていたので、その役のイメージがあるのかもしれませんが、私は奥平さんですね。落ち着きがありつつも、年齢関係なく、どんな人とも分け隔てなく話せるコミュニケーション能力を持っていて、素敵な方だなと思います。

中川:茅島さんです。初対面のときは、あまり話さなかったんですけど、撮影に入って少しずつ話すようになって……。最終的には“明るい人なんだな”って。最初とのギャップが大きかったです。

杢代:僕は田鍋さんです。最初はクールで物静かなイメージがあったんですが、蓋を開けてみたらテンション高いなって。1つ年上なのですが、フラットに緊張せず喋れる方で、仲良くさせていただいています。

奥平:杢代くんは最初とイメージが違うなって思います。(接してみると)素直でいい子。年齢は1つ下なんですけど、全然年下に見えなくて。大人で落ち着きのある方だなと思うようになりました。

――撮影中の裏話エピソードを教えてください。

杢代:ある撮影の日、僕と大兼くんだけ5時間くらい空き時間ができたんです。SNS動画用に体育館で10分ほどバドミントンをしたあと、その後3時間くらい本気でバドミントンをやり続けました。100回くらいラリーが続いたこともありました。楽しかったです。

奥平:部活並みにやったよね。衣装さんに顔向けできないくらい汗だくになってやりました。

茅島:クランクインしてすぐに、みんなに韓国ドラマ『わかっていても』をおすすめしたら、もともと莉子ちゃんは見ていたんですが、それから奥平さん、中川さん、梨々花ちゃんも見てくれたんですよ。1人(杢代さん)だけ見てくれなかったんですけど(笑)、毎日感想を言い合うのが楽しかったです。

杢代:僕はまだ見たことないんですけど、話には入っていました(笑)。

奥平:みんなで集まって楽しいシーンをやるとなったとき、中川くんが“健介”として場をぶち上げてくれることが多かったです。中川くんが僕らを笑わせてくれて、すごく大変だったと思います。

――本編では、茅島さん、田鍋さん、莉子さんのダンスシーンがあるそうですね。どれくらい練習したのですか?

茅島:私は1人で踊るシーンがあったのでけっこう練習しましたね。

田鍋:3人で一緒に合わせたのは5回くらいかな?

奥平:本読みの時、ちょっとしたリハーサルを見させてもらったんですけど、すでに踊れていてすごかったです。

中川:たくさん練習していると思います。撮影中、女子3人がダンスするシーンをモニターで見たんですけど、練習の成果が現れていて……24歳は泣きそうになりました。

一同:(笑)。

茅島:初日にいきなり1人で踊るシーンがあったんですけど、まったく喋ったことのなかったみんな(5人)に見られながらの撮影だったので、すごく緊張しました。でも、すごく画がキレイで、かっこよく撮っていただけたので、自分でも(完成が)楽しみです。

――各メンバーについて「〇〇No.1」を決めてください。

★「かわいさNo.1」=中川さん
奥平:年下の僕が言うのもおかしいですけど「かわいさNo.1」かな。クールなイメージがあって、もちろんカッコいいんですけど、かわいい面もある。

莉子:私も「かわいさNo.1」ですね。よく語尾を伸ばすんですが、喋り方が緩い部分がかわいらしい。

★「素直さNo.1」=杢代さん
奥平:俺は「素直さNo.1」かな。いい意味で、普通だったら言うのをためらっちゃうことも、素直に言うもんね。純粋でいい方なんだろうなぁと思います。(自分が何か言われたとしても)むしろすがすがしい。

(全員が同調)

中川:すごい満場一致だ!

★「大人No.1」=奥平さん
中川:大人だなぁ……。

杢代:大人というかおじさんに見えるときがある(笑)。聴いている曲も世代が全然違うし、着ている服も古着でカッコいいんです。

中川:好きな食べ物が白子とかね。

奥平:じゃあ「おじさんNo.1」ってこと? ちょっとイヤだなあ(笑)。

中川:「大人No.1」だね。

茅島:この中で一番個性的。趣味も洋服づくりとか……話を聞いていてすごく面白いです。

田鍋:喋りが上手だなって思います。難しい言葉を流ちょうに話すし、“説明が分かりやすいな”と思いますね。

莉子:自分を持っている方だなと思います。演技の在り方、趣味とかも“俺はこれが好き”と言えるところが魅力的ですね。

奥平:いい気分ですね〜。

★「予想外さNo.1」=茅島さん
奥平:「予想外さNo.1」。(年齢が)1つしか変わらないんですけど、この現場だと一番下の年代ということもあって、年下としてかわいく見えるんですよね。人にかわいがられる才能があるなって思います。

中川:クールな印象とむじゃきさのギャップがあります。

杢代:大人っぽく見えるのに、6人で話していると末っ子感がすごい(笑)。

★「ミステリアスNo.1」=田鍋さん
奥平:「思考の読めなさ(ミステリアス)No.1」。別に悪い意味で言っているわけではないんですけど、何を考えているのか読めないことがあります。

莉子:そういうのを(気持ちを)自分の中でコントロールするのが上手なんだと思いますね。

茅島:かといってクールとかではなくて、普通に明るいんですけど、何を考えているのか分からないときがある(笑)。

田鍋:「何を考えているか分からない」ってよく言われるんですよね。実際は、たいしたこと考えてないんです(笑)。

★「アネキNo.1」=莉子さん
茅島:これは「アネキNo.1」ですね。

中川:今までのコメントを聞いていても素晴らしいなって思います。

奥平:本当大人ですよね。自然に言うこと聞いちゃうみたいな。

莉子:“(言うことを)聞かせている”わけじゃないです。(記者に向かって)「決して圧をかけているわけではない」と書いておいてください(笑)。

杢代:よく怒られるんですよ。お姉ちゃんと弟のような関係で、休憩中、僕がポロっとこぼしたことも「そんなこと言わないの!」って(笑)。

――最後に視聴者にメッセージをお願いします。

茅島:友人関係のこと、進路のこと、家族のこと、中高生って一番悩みが多い時期だと思うんですが、そういった悩みや葛藤をリアルに表現しているドラマです。それぞれのキャラクターで抱えている悩みが違うので、共感できる役や話が多いと思いますし、(見た人の)背中を押してくれる作品になっていると思います。

本作は、本編のみならず、各SNSのプラットフォームでショート動画を月〜土毎日配信する「かじるドラマ」や、物語をより深く楽しみたい人に向けた「浸るドラマ」(地上波放送終了後、本編をTVerで配信)など、新しいカタチで作品を楽しめるコンテンツが盛りだくさん。各種メディアをチェックすることで、より作品にのめりこむことができるだろう。

(取材・文・写真:浜瀬将樹)

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