現場はカオス!?間宮祥太朗&上白石萌歌『バンクオーバー!』見どころを語る

公開:

間宮祥太朗さんと上白石萌歌さんが銀行強盗役と弁護士役で共演する日本テレビ系のスペシャルドラマ『バンクオーバー!~史上最弱の強盗~』が、9月19日(22:30~)、9月26日(23:00~)の2週連続で放送される。  

本ドラマはのっぴきならない事情で銀行強盗に入った猿渡佐助(間宮)を主人公に、そこに居合わせたもう一組銀行強盗や、たまたま銀行に居合わせ人質となってしまう弁護士・大木さくら(上白石)といった人質たちを巻き込んだ、現場での奇妙な議論や出来事をコミカルに描く新感覚のサスペンスコメディ。次第に明かされる登場人物たちの外見と中身のギャップや、それぞれが抱える“ウラ事情”など、彼らの本当の姿がわかった時に奇跡の大逆転劇が始まるという予測不能なストーリーが展開する。

卓越したギャグセンスでコメディに定評のある、元芸人の森ハヤシが脚本を担当。共演者も細田佳央太さん、ファーストサマーウイカさん、伊藤万理華さん、袴田吉彦さん、貴島明日香さん、般若さん、ニシダさん(ラランド)ら個性的な面々がずらりと揃います。今回、間宮さんと上白石さんに本ドラマの見どころなどを聞いてきました。

――とても面白そうなストーリーなのですが、最初に脚本を読んだ時の感想をお聞かせください。

間宮:事前にどんな内容かあまり聞かずに脚本を読んだのですが、とても面白いドラマになっていると思います。それぞれのキャラクターが抱えている、バックボーンや事情などが、一つひとつの出来事の中、複数の視点で描かれるんです。限られたシチュエーションの中で起こる物語でもあり、会話劇で見ている人を楽しませないといけないというプレッシャーのようなものも感じました。

上白石:すごく情報量の多い作品だなと思いました。台本をめくるたびに想像もできないことが起きて、読んでいる私も、ニヤニヤしたり、声が出たりしました。これが立体的になったらどうなるんだろうって思います。絶対に前編、後編と合わせて見てもらいたいドラマだなと思います。

――間宮さんは銀行強盗、上白石さんは弁護士という役どころ。どんな風に演じたいかなど、役作りの上で工夫をされている点はありますか。

間宮:この作品は割とコメディ要素が多いんです。でも、コメディだと意識して演じるとちょっとブレるんじゃないかなって思いました。佐助という役は最初はフラットにみんなの真ん中にいて、後半になってどんどん振り回されていくような形が面白いんじゃないかなって。コメディを意識せずやった方が良さそうだなと思って、そこは監督とも話をしました。

――演じる佐助にはどんな印象を持ちましたか。

間宮:妹のためにっていう気持ちで行動を起こしたりしている。自分を犠牲にしても家族には幸せになってほしいという気持ちでいるところから、家族思いの性格なんだろうなと思いました。

――銀行強盗という役柄も演じる上では面白い挑戦なのでは?

間宮:佐助が銀行強盗をするきっかけがあって、ネタバレになるので、どうしてそこに至ったかはあまり言えないんですが、他の人たちの強盗するきっかけもそれぞれ違っていて、色々あるんだなって興味深かったです。コメディ要素は強いけど、銀行強盗に入る切迫感のようなものは完全に無くさないように演じました。

――上白石さんは大木さくらという役に対してどんな印象を持ちましたか。

上白石:さくらちゃんは弁護士で、正義感がとても強くて責任感もある強い女の子。でも隠された秘密もたくさんあって、完璧ではない部分や、人間らしい部分もたくさん出てくるんです。そこをぜひ見てもらいたいです。

――撮影がスタートしていますが、現場の雰囲気はどうですか。

間宮:普通に生きていたら自分の視点から、一方向から起きていることだけを見るんですけど、それが例えば5人いたら5つの視点があって、それを描いていくことになるので、同じことが起きているんですけど、撮影は5回やるという感じ。(複雑なので)初日は正直困惑した部分もありました。2日目にそういう風に進んでいくんだなって理解しました。みんなまだ探っている感じがあると思います。

――ファーストサマーウイカさんをはじめ、歌手や芸人など多彩なキャストの方も多いですが、そういう共演者から刺激を受けたことはありますか。

間宮:俳優だけでやっていない方たちの特色というか、スパイスというのがあって、その人の人となりとか個性とか、本人が意識しているかどうかはわからないですけど、その個性がそのまま作品に持ち込まれる印象があります。今のところ会ったのはウイカさんだけですけど、もともとあるウイカさんのイメージが作品にも生かされる。そこが俳優だけやっている人間との違いかなって思いました。視聴者がウイカさんを見るだけで、最初から期待感を持ったり、面白いことが起きるだろうと思ったりするんじゃないかなって。

上白石:みなさん全く違う畑で活躍されている方が多くて、お芝居の作り方、役の作り方も(自分たちと)違うんです。そういう方たちの引き出しやスパイスが自分にも欲しいなと思います。今までにないくらい刺激を受ける現場だなと思いました。

――お二人は『僕はどこから』(2020年、テレビ東京系)で兄妹役を演じて以来の再共演となります。お互いの印象についてはどんな風に感じていますか。

間宮:最初に思ったのはすごく髪が伸びているなって(笑)。前にやった時はすごいショートだったんです。前回は妹役で結構撮影も一緒になることが多かったんですが、今回再共演して安心感があるなと思いました。今年の最初にはお姉ちゃん(上白石萌音)とも共演していたので、現場で「姉がお世話になりました」みたいな話もしました。

上白石:以前、血の繋がった兄妹役を演じて、今回再会できて、私もとても安心感を感じます。現場に知っている人が1人いると、緊張もほぐれます。あの時は兄妹として接していましたけど、今回は強盗犯と弁護士という不思議な関係性。お芝居以外で話すのも楽しいです。姉もドラマでお世話になったのでそのことについて話したり、今回は前回と違い、人間性や関係性が全く違うドラマなので、その不思議さについて話したりもしています。

――登場人物の共通点として、「外見と中身のギャップ」があるという点が面白いと思うのですが、その辺りはどのように感じていますか。

間宮:「見た目で人を判断するなよ」っていう説教じみた作品ではないと思っているんです。でも、自分の一方的な固定概念で予想外のことが起きる、そういう感じがあるドラマだと思います。誰でも見た目で判断してしまう時、反射的に(目からの情報で)人を判断している部分はあると思うんです。そしてそれ自体は悪いことではないと僕は思います。でもそこで「表層的なものを見ても何もわからないんだよ」というのはこのドラマを通じて伝えたいなと思います。

上白石:私自身、世間の方の思うイメージと自分自身で感じる自分のイメージが違っているなと感じることがあったりするので、すごく興味深いテーマだなと思いました。キャストの方がみなさんバラエティ豊かで、現場もすごくカオスな状況が続いていて、軽快だし、だけど、コメディだけでなく、もっと重要なテーマも提示できると思います。

――カオスな状況というのはどんな状況なんでしょうか。

上白石:例えばSM嬢がいたりとか、出演者に何度も共演している細田佳央太くんがいるのですが、「誰?」って感じの格好で出演しているんです。交わることのない人が同じ場所に集められている感じが不思議で(笑)。現場の空気がいい意味で馴染まないところが面白いなって思っています。

――ドラマの内容にちなんで、「人間見た目だけじゃ判断出来ないなあ」と思った体験はありますか?

上白石:撮影現場で、よくスタッフに強面の男性カメラマンがいることもあるんです。でも話してみると、柔らかい方で、甘いものが好きだったりして、人は見た目ではわからないなって。小学校の時も派手でヤンキーみたいな子がいたんですけど、私が荷物を持っていて両手がふさがっている時にドアを開けてくれたりして、人の本当の優しさに触れた気がしました。人は見た目でわからないことがたくさんあるなと思いました。私自身、しっかりしたイメージを持たれることがあるんですけど、片付けが苦手で、ズボラなところもあるんです(笑)。しっかりしていると思われるのがありがたい反面、そんなにしっかりした人間じゃないよって思うこともあります。

――最後に作品の見どころについて改めてコメントお願いします。

間宮:ここは絶対見て欲しいとかでなく全部見逃さず見て欲しい。そんなドラマだと思います。最初から最後まで楽しんで欲しいなと思います。

上白石:全ての登場人物の一言一言が全部伏線になっているので、一言も聞き逃して欲しくないなと思っています。全編を見終えた後にもう一度最初から見てもらうと、新しい気づきもたくさん出てくると思います。そこを楽しんでもらいたいです。

(取材・文:名鹿祥史)

<番組情報>
『バンクオーバー!~史上最弱の強盗~』(日本テレビ系)
前編:9月19日(日)午後10:30~11:25
後編:9月26日(日)午後11:00~11:55

<前編あらすじ>
とある地方銀行前。緊張の面持ちで銃を取り出した猿渡佐助(間宮)はその日、訳あって“銀行強盗”に手を染めようとしていた……。

……が、勢いよく押し入った先では、中東系とアフリカ系のいかつい男2人組が従業員に銃を突きつけ、まさに銀行強盗真っ最中! 想定外の鉢合わせに、いきなりピンチに! しかし、佐助には絶対に失敗できない深〜い“事情”があった。

佐助は、人質の一人・弁護士のさくら(上白石)の提案を受け、先客の強盗2人組に交渉を試みるが、彼らには言葉が全く通じない。しかも、この2人も強盗に至った深〜い“事情”を抱えており……。 

それぞれの、のっぴきならない“事情”が次々明らかに! シンプルだったはずの銀行強盗は、それぞれの事情が複雑に絡み合う、予測不能のジェットコースターストーリーへと展開していく。

画像ギャラリー

PICK UP