タモリ、浜名湖が日本有数のウナギの産地になった理由を探る『ブラタモリ』

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街歩きの達人・タモリが“ブラブラ”歩きながら知られざる街の歴史や人々の暮らしに迫る『ブラタモリ』(NHK総合、毎週土曜19:30~)。1月18日は、「浜名湖~“ウナギといえば浜名湖”なのはなぜ?~」と題して、タモリと林田理沙アナウンサーが静岡県・浜名湖をめぐる。

昭和40年代には全国の7割を占めるほどにまでなった、静岡県のウナギ。浜名湖が絶好の養殖場となったのは、ウナギの養殖に適した奇跡的な条件が重なったからという。今回は、浜名湖が日本有数のウナギの産地になった理由を、タモリがブラブラ歩いて解き明かしていく。

オープニングでウナギの蒲焼に舌鼓をうったタモリは、まず船で浜名湖へ。波しぶきを浴びるとちょっとしょっぱく、浜名湖が海水と淡水が混ざった「汽水湖」で、そのためウナギの稚魚・シラウウナギが集まるということが判明。

続いて、浜名湖の近くにある養殖池へ。ハウスで養殖されているウナギだが、その水は真水の井戸水を使っている。効率的に養殖するには、1年じゅう安定した水質が適しているのだという。

ではなぜ、汽水湖の浜名湖のほとりで、真水の井戸水が湧くのか? 近くの崖を見ると、泥の層の上に砂礫の層が重なり、その間から水が湧き出していることが分かる。この砂礫層、実は20kmも東の天竜川がもたらした台地で、ウナギが大きく育つには天竜川の存在が必要だったのだ。

ウナギの養殖池は、最初は浜名湖のほとりに、チャートの石を積んだ石垣で作られていた。しかしこれ以上拡大できなくなると、陸上に池を作る必要が出てくるが、ここでも浜名湖周辺は池を作りやすい地形的な特徴があったという。

そこでその謎を探りに旧・東海道へ。緩やかな高まりが続くその地形は「浜堤」と呼ばれ、波の作用で運ばれた砂が作る緩やかな高まりが続いたもの。そして、浜堤と浜堤との間にある水はけの悪い低地は、養殖の池を作るのに適していたのだそう。

さらにこの浜堤の1つは、上に東海道本線の鉄道が走っている。池で作られたウナギはすぐに、日本の大動脈である東海道本線で全国に広がることが出来たのだ。

そして最後に向かったのは、浜名湖の最も南にある無人島。そこから見える、太平洋に通じる約200mの切れ目の部分は「今切口」と呼ばれるが、この今切口、実は室町時代の大地震と津波によって砂州が破壊されて出来たもの。もしもこの切れ目がなかったら、浜名湖は汽水湖にならず、ウナギの養殖も盛んになってなかったかもしれないそうで、まさに「すべての始まり」と呼べる場所だということが明らかになる。

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