「ぼくは猟師になった」著者でワナ猟師の千松信也さんに密着『ノーナレ』

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4月30日(月)22時45分から放送される『ノーナレ』(NHK総合)は、「けもの道 京都いのちの森」と題して、京都の市街地と山の境界線に暮らすワナ猟師、千松信也(43)さんに密着。同番組は、ナレーションを入れずにしみじみと伝えていく、新しいタイプのドキュメンタリー。

著書「ぼくは猟師になった」「けもの道の歩き方」で、これまで光があたることのなかった猟師のリアルな暮らしぶりと、「獣」と向き合うだいご味を発信しつづけている千松さん。「自分たちで食べるものは、自分たちで賄いたい」と、週4日の仕事以外は、森のそばで過ごす生活を17年にわたって続けている。これまで密着取材は受けて来なかったものの、3年にわたる交渉の末、秋から春にかけての猟期の取材許可がおりた。

木々の傷や葉についた泥の痕跡からシカやイノシシの気配を探り、花に集まるミツバチの蜜から目には見えない自然の循環を感じとり、広大な山のなかにわずか直径12センチのワナを仕掛ける。「けもの道」を歩く日々は、便利さを追い求める都会生活のなかでは得られない、生命への驚きと生きることの喜びに満ちている。

獣害対策として1年間に駆除されるシカやイノシシの数は、日本全国で84万頭にのぼる。「世間から非効率で無駄だと切り捨てられるもののなかにこそ、本当の豊かさがある」と語り、いまも森に分け入り、獣たちと共に生きる千松さんの日々を追う。

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