ギャンブル依存症は回復可能、本当に必要な支援とは?

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「生きづらさ」を抱える全てのひとに向けた福祉番組『ハートネットTV』(Eテレ、毎週月~木曜20:00)。10月31日(火)から「シリーズ 依存症」を3回にわたって放送。特定の物質や行為にのめりこみ、健康や生活に支障があってもやめられない“依存症”だが、回復可能な疾患でありながら、適切な治療を受けられずにいる人が多いという。そんな現状について考えていく。

31日は、「第1回 ギャンブル依存症 孤立する当事者と家族」と題して、ゲストに田中紀子さん(ギャンブル依存症 支援団体代表) 、佐藤拓さん(精神科医)を招き、統合型リゾート(IR)推進法案の採択でにわかに注目が集まる“ギャンブル依存症”について考える。

次の通常国会でIR実施の詳細を示す法案が提出される見込みだが、今の日本には、既存ギャンブルも含めた依存症対策法がない。去年12月に設置された関係閣僚会議では、家族の申告で施設利用を制限できる仕組みや、パチンコの出玉規制などが議論されたが、こうした国の対策に対して不十分と言い切るのは「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中さんだ。政府の対策は入場制限ばかりで、依存症になった人をどう支援するかという視点が決定的に抜けていると言う。厚生労働省研究班の調査によればギャンブル依存症の疑いがある人は推計320万人。必要な支援を受けられずに孤立している患者と家族も多くいる。行き場を失った当事者を支援する田中さんに密着。当事者や家族の苦しみを直視し、本当に必要な支援とは何か考える。

11月1日(水)は、「第2回 クレプトマニア —罰だけでなく治療を—」を放送。また、11月2日(木)は、月に1回の「WEB連動企画“チエノバ”」で、依存症者の家族の声に耳を傾ける。

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