小芝風花「感じた事をそのまま役に…」ドラマ初主演『ふたりのキャンバス』

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小芝風花近藤正臣さんとの共演で「見習いたい」と思った事とは?】

――遠藤雄造役を演じた近藤正臣さんとの共演はいかがでしたか?

『あさが来た』では、近藤さんとのシーンがなくてお会いできず、今回の顔合わせで初めてお会いしました。「前の時(『あさが来た』)はおじいちゃんと孫の設定だったけど、今回も同じような設定だから楽しくやろうね」と声をかけてくださり、とても優しかったです。現場では、周りをすごくよく見ていらっしゃる方で、スタッフさんとのコミュニケーションの取り方も勉強になりました。また、台本に書かれていないことにも臨機応変に対応されていて……。例えば、台本では「座る」としか書かれていないのに、近藤さんはお茶が出されたらお茶を飲む、コップを触りながら話すというような自然なお芝居をなされていて。小道具などは、現場に入ってみないとわからないのですが、柔軟に対応されているのをみて、私も見習いたいと思いました。

――遠藤氏と里保のシーン、演じてみていかがでしたか?

消極的な里保が、遠藤さん(近藤さん)に歩み寄ろうと試みて、「あ、大丈夫かも!」と安心しかけた瞬間に、不要な一言を発し近づきかけた心が離れてしまうというシーンや、憧れの同級生の奏美とも似たようなトラブルになってしまうシーンがあります。そういった心のすれ違いや、それぞれの思い、本心といった描写を表すのは、ものすごく難しいですが、すごくわかりやすく台本に書いてくださっていたので演じやすかったです。撮影自体もほぼ順番通りだったので気持ちもつながりやすかったです。

――奏美役の中村ゆりかさんとの初共演はいかがでしたか?

ドラマの奏美と同様、謎めいた雰囲気で話しかけにくい印象がありましたが、いざ話してみるとちょっと天然なところもあり、そこが可愛らしくて。撮影が進むにつれて仲良くなり一緒にカラオケに行ったりもしました。

――人が語ったお話を絵に表現する工程を体験していかがでしたか?

絵心がないということもあり、大変でした。まず、鉛筆で下絵を描く段階から始まるのですが、構図自体も思いつきませんし、“炎の渦”“一面瓦礫”“全身に火傷をおった人”という言葉を聞いても“絵”としての想像が及ばなくて、本当に難しかったです。ですが、皆さんが描かれている完成作品からは、ものすごいエネルギーを感じますし、資料館に行ったときと同様、本当に心臓がつぶれるくらい、胸が苦しくなりました。

――美術コースに通う里保ですが、筆さばきなども意識を?

美術の先生が演技指導のために現場にも入ってくださっていたので、すごく心強かったです。里保はずっと絵を描いてきた子なので、演じるうえで、筆使いがたどたどしくなるのは嫌で、筆使いや見え方は何度も確認しました。

――2012年に女優デビュー、5年目の女優人生ですが今のお気持ちは?

あっという間でした。連ドラだったら3ヶ月、映画だったら1ヶ月というように、出演するときはみっちり入りますが「もし、次のお仕事が入らなかったらどうしよう」という不安も……(笑)。今は、今回のように一度お仕事をさせていただいた方から再びお声をかけていただくということが、少しずつ増えてきています。悩みながらでも精一杯頑張っていたら、チャンスはやってくるんだ、と思いますし、期待されている以上のものが出来るようになりたいです。

――最後にメッセージをお願いします。

今回は「原爆」を題材にしたドラマで、今の世代の人が原爆の話を聞いてどう思い、どう感じるか、そしてどう表現していくのかという事がテーマになっているので、共感していただける部分がかなり多い作品だと思います。この作品をきっかけに、「原爆」というものに対して少し考える時間を作っていただけたら嬉しいですし、「原爆」の作品と構えて見るのではなく、壁にぶつかった時に、「もう一回頑張ろう」と思っていただけたら嬉しいです。

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