宮沢賢治に学ぶ「不安や孤独」を「生きる力」に転換する知恵

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仕事で悩んだり、壁にぶつかったり……。そんな悩みを解決すべく、歴史上の人物の知恵と行動から探っていく番組『先人たちの底力 知恵泉(ちえいず)』(NHKEテレ、毎週火曜22時)。4月11日は、「宮沢賢治 “好き”こそ苦しみと生きる道」と題して、不安や孤独を生きる力に転換する知恵に迫る。

大正から昭和初期にかけて東北岩手の地に生きた童話作家にして詩人の宮沢賢治。「銀河鉄道の夜」や「雨ニモマケズ」など幻想的な独自の世界観と自己犠牲の精神で国内だけでなく海外にも多くのファンがいるが、その37年という短い生涯は苦悩の連続だった。質屋という家業を貧しい人からの搾取だと嫌い、跡を継ぎたくないと父に抵抗しても逃れることができず、さらに2歳下の妹・トシが若くして亡くなるなど理不尽な現実に直面し、たびたび精神的危機に陥った。

自分の無力さに悩み苦しんだ時、賢治がすがるように取り組んだのが詩や童話などの創作だった。自分の存在や社会を深く見つめ、そこでわき上がってきた言葉を表現することが前を向いて生きる力を与えてくれたのだ。どう生きるべきかという問いに向き合い続けた賢治の人生を、生きづらさを抱える現代の若者に照らし合わせながら、文学を創作する中で賢治が見いだそうとした知恵=苦しみと生きるヒントを探る。

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