岩見十夢のレコ発で「ザ・ぶどうかんズ」奇しくもファーストライブ

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NHKのEテレで放送中の知的エンターテインメント番組『シャキーン!』(月~金曜日7:00)に、人気楽曲を数多く提供し、幼児から大人まで世代を超えて魅了し続ける岩見十夢。番組に登場する架空のバンド“ザ・ぶどうかんズ”のメンバーでもある。そんな彼の、約10年振りのニューアルバム「行ったことない街」の発売記念ライブが、3月25日に東京・下北沢440で行われた。

お昼からのライブということもあり、満員の会場はたくさんの親子連れの姿も見られ、非常にアットホームな雰囲気の中、この日のゲストである中村佳穂が登場。おもむろにピアノを弾き始めた瞬間から会場は釘付けとなり、途中、飛び入りで参加した小寺良太(Dr)との即興性溢れるセッションも含め、その瞬間瞬間をピアノと歌で紡ぐ圧倒的なパフォーマンスを披露。35分と短い時間であったが、その才能(岩見曰く「音楽の神様」)を十二分に見せつけた。

そして、セットチェンジ後、岩見が登場。この日のバンドメンバーは“ザ・ぶどうかんズ”の面々。SEもMCなく登場するや否や歌い出したのは、アルバム内唯一のハードなナンバー「アホウガラス」。楽曲・歌声・演奏を含めその独特の“存在感”が遺憾なく発揮され、会場は一気に“十夢ワールド”へ。短いMCを挟み続いて披露された「サイコロソングス」がはじまると同時に今や恒例となりつつあるギターのイルミネーションが点灯。会場から笑いが漏れるもなぜかそこに違和感を感じないのは岩見の“存在感”がなせる技か。途中、ファーストミニアルバム「アンダー・ザ・サン」からこの日にぴったりの「十年経っても」や、セカンドミニアルバム「カモン・ダーリン」から「ため息の雲」といった昔からのファンも嬉しい楽曲も織り交ぜつつ、ラストはMVにもなっている「生きているからだ」と「72億人分のあの人」を立て続けに披露し本編は終了。

アンコールではサプライズゲストとして、“ザ・ぶどうかんズ”のメインボーカルを務めるやついいちろう(エレキコミック)が登場。岩見の弱点(「Yeahhh!」にリズム感がないなど)を散々いじり会場を大いに盛り上げた後、中村も参加して“ザ・ぶどうかんズ”の「おぼえてわすれて」「いいわけ!?」を披露。奇しくもこの日が“ザ・ぶどうかんズ”のファーストライブとなった。

10年振りのニューアルバム、数年振りの玉川裕高(Gt)、吉井功(B)、小寺良太(Dr)という布陣での東京でのバンドライブ、そしてサプライズゲストなど現在の“岩見十夢”が凝縮されたようなその贅沢かつ濃密なステージに会場からは大きな歓声が送られレコ発ライブは大盛況の内に終了した。

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