中原中也、愛と苦悩…溢れ出す思いから「詩」が生まれるまで

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MCに伊集院光武内陶子アナウンサーを迎え、古今東西の「名著」を読み解く番組『100分de名著』(Eテレ、毎週月曜22:25)で、1月にピックアップするのは中原中也(1907~1937)の詩集。作家の太田治子を指南役に招き、俳優の森山未來が朗読を担当する。

多くの人たちに読み継がれている詩人・中原中也。青春の切なさや人生の哀しみをうたった繊細な詩を350篇以上も紡ぎだし、30年という短い生涯の中で、「山羊の歌」「在りし日の歌」という2冊の詩集を残した。山口市湯田温泉に陸軍医の息子として生まれ、少年期は「神童」と呼ばれるほどの優等生だった中也。しかし、16歳のときにダダイズムの詩と運命的な出会いをしてから人生が一変する。言葉のもつ大いなる力に目覚めた中也は、やがて詩人を志し、その思いの全てを原稿用紙にたたきつけ始めた。

1月16日の第2回は、「“愛”と“喪失”のしらべ」と題して放送。長谷川泰子との恋、小林秀雄との三角関係、そして別離。その苦悩が中也を詩人にしたともいわれている。切ないまでの恋心、そして別離の哀しさ。溢れ出すような激烈な思いが「ことば」として結晶していくとき、そこに「詩」が生まれるのだ。「朝の歌」「サーカス」といった初期を代表する詩を通して、「愛」や「喪失」が人間に何をもたらすのかや、そうした苦悩にぶつかったときに生まれる言葉の奥深さを明らかにしていく。

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