バカリズム、フリップ芸を封印した理由。珠玉ネタ「トツギーノ」で感じた矛盾「僕じゃなくても…」

公開: 更新: テレ朝POST

アンタッチャブルサンドウィッチマンがMCを務め、芸人たちがその磨き上げたネタを披露する『お笑い実力刃』。

「今夜はこの芸人だけスペシャル」と題した6月9日(水)の放送には、バカリズムが登場。MC陣も大興奮したテレビ初出しの3ネタを披露するなど、1時間にわたり“バカリズムの魅力”をたっぷりお届けした。

さらに、ファンから寄せられた質問をぶつけゲストを丸ハダカにするトークコーナー「実力ファンからの切れ味質問」では、バカリズムが“フリップネタ”を封印した理由を告白! 珠玉ネタ「トツギーノ」で感じたある“矛盾”とは?

◆バカリズム「ピン芸人のよさは孤高感」

これまでじつに250本以上のネタを作ってきたバカリズム。ファンからの「ネタを一緒に作る座付き作家さんはいますか?」という質問に、「いわゆる座付き作家はいない」と回答する。

その理由について「1人で作るのが一番早い」と説明したバカリズムは、ピン芸人のコントは特殊であるため、ネタはすべて1人で作っていると話す。

というのも、もともとボケ・ツッコミという設定があるコンビ芸人に対し、ピン芸人は自身の設定を決めるところからはじまる。

自分が「ボケ」であったり「ボケを相手にする側の人」であったりとその選択肢が多いため、はじめの設定を決めるのがなかなか難しいそう。「(作家と一緒に考えるにしても)最初の一歩目が難しい」と、ピン芸人ならではの特性を明かした。

そして、サンドウィッチマン・富澤から“理想の台本”について問われると、「かっこいいと思われたい」という本音が!

続けてバカリズムは「ピン芸人のよさは孤高感」と話すが、「体ひとつで戦っている感があると思われようと必死(笑)」と本心を包み隠さずオープンにし、スタジオの笑いを誘った。

そんなバカリズム、単独ライブの前には1人でパソコンに向かいネタを作っているという。

日ごろからネタになりそうなことをメモしているのかというとそうではなく、身の回りで起きた“おもしろい出来事”を脳内ですべて記憶し、いざネタを作るときにアウトプットしていると話す。

ここで特筆すべきは、バカリズムが2006年から15年連続で単独ライブを実施していること。

芸歴26年、脚本家や俳優とマルチに活躍し続けるバカリズムが今もなお単独ライブを続ける背景には、「ネタを作り続けておかないと…」という思いがあるのだとか。

バカリズムは、「5年ブランクがあった場合、いざネタを作るとなったときに5年前のセンスでつくることになる。そうすると、観客に“懐かしい”印象を与えてしまう」と説明し、「常に過去の自分を切り捨てていくために単独ライブをやっている」とその真意を打ち明けた。

現状に甘んじることなく、常にセンスを磨き続けるバカリズムのプロ意識の高さがうかがえる。

◆“フリップネタ”封印は「ダサいから」

一方、以前は代表的ネタの「トツギーノ」をはじめ、“フリップネタ”のイメージが強かったバカリズム。

しかし現在、フリップネタは封印。その理由について今回、「誤解を恐れずにいうと…ダサいから」と率直に答えた。それは一体どういうことなのか?

バカリズムは、「フリップネタの人のことを言っているわけではない」とあくまでも自身にあてはまる個人的な意見だと強調しつつ、「自分のネタの持ち時間に、イーゼルを立てて(フリップを)めくっているだけという自分が嫌だ」と思いを明かす。

その背景には、以前「トツギーノ」を披露しているときに感じた“矛盾”があるようだ。

そもそも「トツギーノ」はもともと映像ネタだったものの、「なんとか舞台上でやって笑ってもらいたい」という思いからフリップネタで表現。

フリップを目立たせるために自身は黒い衣装で舞台に立つなどの工夫を凝らした“渾身のネタ”だったが、そこまで強いこわだりがあったにもかかわらず、舞台上での自分は黒子…。この状況に矛盾を感じ、あるとき「僕じゃなくてもできる…」という思いまでもがふと頭をよぎったのだそう。

さらに「(フリップネタは)1人でコントをしている人に比べて楽をしている」と考え、その後フリップネタを封印することに。

このような経緯を聞いたアンタッチャブル・山崎は、「“シュールな人”というイメージが先行してたけど、聞けば聞くほど大衆的な人間だよね。雰囲気や目の付け所は人とは違うけど、それより全員に笑ってもらいたいという意識が強い。“俺の笑いについて来い!”というタイプじゃない」とバカリズムを分析。

これを受けてバカリズム自身も、「 (“俺の笑いについて来い!”というタイプとは) 全然違う。精神的には“ホントお願いします。笑ってください”と思っている(笑)」とネタに臨む姿勢を打ち明けていた。

このほかトークコーナーでは、バカリズムがサンドウィッチマン・富澤に“ネタ作り”について逆質問! アンタッチャブルも衝撃を受けた、そのスタイルとは?

さらに、サンドウィッチマン・伊達が「落語みたい」と舌を巻いた1人4役をこなすロングコントも披露。テレビ初出しとなる珠玉ネタの数々、必見だ!

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