声優・小林由美子が語る、2代目野原しんのすけ就任の舞台裏。役作りに迷走…眠れなかった日々も

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三ツ矢雄二浪川大輔がさまざまなゲストを迎え、“声優”にまつわるトークを繰り広げる人気企画だ。

5月18日にYouTubeチャンネルで公開された動画には、アニメ『クレヨンしんちゃん』で野原しんのすけ役を務める小林由美子と、野原ひろし役を務める森川智之が登場。

ともに “2代目声優”ということで、知られざる声優交代の舞台裏について明かしている。

◆国民的キャラを演じる声優の苦労話

2018年、初代声優の矢島晶子から役を引き継ぎ、野原しんのすけを演じている小林。

誰もが知る国民的アニメキャラクターということで、当初は「しばらく眠れない日々でした」と当時を振り返る。

ここで浪川が「オーディションだったんですか?」と就任の経緯を質問すると、小林は次のように答えた。

「オーディションかはわからないんですが、ある日音響会社のスタッフの方から電話がかかってきて、『直接話したいことがあるので今すぐ来れませんか?』って。絶対怒られると思って、まず土下座からはじめようと(笑)。そしたら『しんのすけの2代目をやってもらえますんか?』という話をいただいて」(小林)

予想外のオファーに驚きつつも、小林は「イエス以外の答えは出なかったと思いますし、イエスって言ったことに対してまったく後悔はしてないです」とキッパリ。

こうして晴れて2代目しんのすけ役に就任すると、その後数カ月にわたって “しんちゃんレクチャー”を受けた。

「先代がやっていたアニメのDVDをいただいて、そのDVDを聞きながらしんちゃんのしゃべり方や抑揚とか、野原しんのすけというものをレクチャーしていただきました」(小林)

「どういう風にしんちゃん役に近づいていったの?」と三ツ矢が質問すると、小林は役作りに苦労して迷走した当時のことを語りだす。

「はじめは“声マネ”ばかりに意識がいきすぎてしまって、矢島さんのセリフを録音機で撮って、波形機(声の形を計測する機械)で自分のセリフと違うところをチェックしたり、今思えばまったく意味のないことをしていました。声を似せることばっかりに意識がいって、まったく芝居ができていなかったんです」(小林)

そんな小林を変えたのは、スタッフの意外な“一言”だった。

監督や音響監督に『モノマネしてほしいんじゃないんだよ。野原しんのすけっていう“嵐を呼ぶ5歳児”を天真爛漫に自由にやってもらいたいんだ』と言ってもらって、そこからお芝居を楽しもうと意識を切り替えられるようになりました」(小林)

それからは、役作りのために自宅で何度も練習を重ね、ときにはしんちゃんの声で日常会話をしたことも。苦労のかいあって、自分なりのしんのすけを作り上げることができた。

小林のストイックなエピソードに、「日常会話しんちゃんってヤバくない?」と浪川が驚き。小林は「娘がビビってました。ちょっと心を閉ざしはじめました」と、役作りのしすぎで家族に不審がられたと明かし、スタジオは笑いに包まれていた。

動画ではこのほか、野原ひろし役を務める森川智之が先代・藤原啓治さんとの知られざるエピソードを告白。さらに森川は、これまで演じてきた人気キャラの声を演じ分けて「外郎売り」にも挑戦。必見だ。

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