鈴木明子が初めて明かす、現役引退を思いとどまった特別な試合「ひとりじゃないんだって思えた」

公開: 更新: テレ朝POST

4月15日(木)に開幕する「ISU世界フィギュアスケート国別対抗戦2021」。

日本代表の羽生結弦、紀平梨花らをはじめ、各国からトップスケーターが集う今大会は、新型コロナウイルス感染拡大後、日本ではじめて開催される世界大会としても注目されている。

大会の見どころはなんといっても、他のフィギュアスケートの大会とは異なり、”団体戦“としてチームで団結して戦う点。

男子シングル、女子シングル、ペア、アイスダンス4種目の総合成績で争う団体戦ゆえ、通常の個人戦にはないさまざまな特徴をもつ。

4月4日(日)放送の『TOKYO応援宣言』(情報番組『サンデーLIVE!!』内で放送中)では、そんな国別対抗戦ならではの魅力をプロフィギュアスケーターの鈴木明子が教えてくれた。

◆選手生活の岐路で迎えた国別対抗戦

2012年大会にチーム日本のメンバーとして出場した鈴木明子。

当時27歳の彼女は、直前の世界選手権で銅メダルを獲得。勢いに乗った状態で大会に臨んだが、ある葛藤を抱えていた。

どこにも言ってなかったんですけど、なんとなく世界選手権で納得のいく演技ができれば、やめてもいいと思えるところまでがんばれた手ごたえがありました。年齢の壁やどこまで自分がやれるか、誰もわからないじゃないですか。ソチ五輪まであと2シーズンつづけるか、なかなか決めきれてなかったです」(鈴木)

鈴木の脳裏によぎっていたのは、「引退」という2文字。

その葛藤を振り払ったのが、国別対抗戦だった。

◆「ひとりじゃないんだ」と思えた仲間の声援

国別対抗戦の最大の特徴は、国ごとに設けられた応援席。普段は個人で試合をする選手たちが応援席からチームメイトの演技に声援を送る姿は、この大会でしか見られない光景だ。

鈴木はチームメイトの大声援を受け、ショートプログラムで見事な演技を披露。演技直後、仲間たちへガッツポーズを見せた。

普段は応援席に仲間がいることなんてないので、『ひとりじゃないんだ』って思えたんですね。『がんばれ』とか拍手がすごい応援席から伝わってきて、とくに後半、苦しくなってきたときに応援席の前を通るとすごく感じました。自分だともう苦しいって思って心が折れてしまいそうなところが、『まだいける!まだいける!』って背中を押してもらえたような気がします」(鈴木)

仲間の声援を力に変えた鈴木は、翌日のフリーでも見事な演技を披露。キスアンドクライではチームメイトとよろこびを分かち合った。

「やっぱり自分の演技で仲間たちがよろこんでくれるのを目の前で見られるのはいいですね。私は代表で戦っている仲間たちをすごく尊敬しているし、大好きな仲間たちだったので、キスアンドクライで彼らと一緒によろこべたのはすごくいいなと思いました」(鈴木)

◆「みんなともうちょっとがんばりたい」

女子シングル1位に輝いた鈴木の活躍もあり、チーム日本が初優勝をはたした同大会。

さらに鈴木には、いまでも忘れられないシーンがある。優勝決定直後、海外選手たちがチーム日本を称えたのだ。

もちろんライバルではあるんですけど、みんないい演技に対してはダイレクトに反応を伝えていたので、よりよろこびが大きくなりました。世界選手権とかではちょっとピリッとした緊張感があって、なかなか声をかけたりするのは難しいんですけれど、『あと1試合みんなでがんばろう』みたいな絆があったのかな。

スケーターたちと過ごした時間がすごく濃かったので、シンプルにみんなともうちょっとがんばりたいなと思いました。不思議ですよね。フィギュアスケートって基本的には個人でやっているはずなのに、だからこそなのかもしれないですけれど、こうやってがんばっている人たちとともに時間を過ごして、チームとして結果が残せて、自分が力になれたと感じられたことが、より自分のモチベーションにつながったのかなと感じます」(鈴木)

大会前は引退を考えていた鈴木だったが、試合直後のインタビューでは晴れやかな表情で現役続行を宣言。

「みんなで団結してがんばるという思いが日に日に強くなって、もうワンシーズンがんばろうと思えました」と語った。

こうしたドラマを生んできた国別対抗戦。今年はコロナ禍で開催される。鈴木は自らの経験を踏まえ、選手たちに次のようにエールを送った。

「(国別対抗戦は)ひとりじゃないんだって思わせてくれるというか、スケートを一生懸命がんばる世界中の仲間たちと、ライバルでありながら1つのチームとして、絆が再確認できる試合かなと思います。

選手たちはこの1年すごく難しいシーズンを過ごしてきました。試合数も限られてきている中で、来シーズンのオリンピックに向けて何か心にもって帰られるような試合になってくれたらなって心から願っています」

※番組情報:『世界フィギュアスケート国別対抗戦2021 presented by SHISEIDO
◆地上波
4月15日(木)よる6:30~ 男女ショートほか(一部地域を除く)
4月16日(金)よる8:00~ 男子フリーほか
4月17日(土)よる6:56~ 女子フリーほか
4月18日(日)よる9:55~ エキシビション

◆ABEMA
4月15日(木)ごご3:05~ アイスダンス リズムダンス
4月15日(木)よる6:30~ 男女ショートほか
4月16日(金)ごご3:20~ ペア ショート、アイスダンス・フリーダンス
4月16日(金)よる8:00~ 男子フリーほか
4月17日(土)ごご3:15~ ペア フリー
4月17日(土)よる6:55~ 女子フリーほか

◆CSテレ朝チャンネル2(全選手・全競技・会場音のみで放送)
4月29日(木)あさ7:00~ 開会式、アイスダンス リズムダンス、女子ショート
4月30日(金)あさ7:00~ 男子ショート、ペアショート
5月1日(土)あさ7:00~ アイスダンス フリーダンス、男子フリー
5月2日(日) あさ7:00~ ペア フリー、女子フリー、エキシビション

◆テレ朝動画LIVE配信(有料)
4月15日(木)あさ8:30~ 公式練習、開会式、アイスダンスリズム、男女ショート
4月16日(金)あさ9:00~ 公式練習、ペアショート、アイスダンスフリー、男子フリー
4月17日(土)あさ10:00~ 公式練習、ペアフリー、女子フリー、表彰式

◆ライブビューイング(全国の映画館でLIVE上映)
4月18日(日) ごご2:00~5:00  エキシビション

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