寡黙にして実直、執念の捜査で事件の奥底に潜む真相に迫る新宿西署のベテラン刑事“モーさん”こと牛尾正直(うしお・まさなお)の活躍を描く森村誠一ミステリースペシャル 終着駅シリーズ』の最新作『停年のない殺意

4月1日(木)の放送を前に、1996年から牛尾刑事を演じ続けてきた片岡鶴太郎が本作のみどころをコメント。「終着駅シリーズの真骨頂。まさに終着駅らしい作品」と胸を張るとともに、長年にわたって夫婦を演じてきた故・岡江久美子さんへの思いと誓いを語った。

シリーズ最新作で描かれるのは、文房具メーカー社員・伊庭崇彦(堀井新太)が遺体となって見つかった事件。

第一発見者は被害者の妹・晴美(山谷花純)で、彼女は兄から「おもしろいものを見せてやる」と呼び出されていたと話す。しかし、その“おもしろいもの”とは何のことなのか。晴美はもとより、父・悌二(尾美としのり)も母・頼子(七瀬なつみ)も心当たりがないと打ち明ける。

聞き込みを進めた牛尾は、勤務先の社長・市野清明(国広富之)をはじめ、誰もが崇彦のことを“優秀で素晴らしい青年”とほめたたえていることを知る。そして、そんな非の打ちどころのない崇彦にこそウラの顔があったのではないかと疑惑を抱く。

また、父・悌二がつぶやいた“7.5センチの幸せ”とは何のことなのか。伊庭家について調べを進めるうち、平凡な一家に潜んでいた“嘘”の数々に気づいていく。

◆牛尾刑事の言霊を体に吸い込ませて

1996年放送の第5作から牛尾刑事を演じてきた片岡は、視聴者から長く支持されてきた終着駅シリーズの魅力を、「推理だけでなく、犯罪に手を染めることになってしまった人物の心情にまで思いを馳せる展開」だと説明。

そして、ささやかなすれ違いから壊れていく家族の姿を描く本作こそ、「終着駅シリーズの真骨頂。まさに終着駅らしい作品だと思います。放送よりひと足早く完成版を見たのですが、おもしろかったですね。私自身、涙してしまったぐらいです」と自信をのぞかせた。

また、約25年にわたって牛尾刑事を演じてきても「慣れることはなかった」とキッパリ話す片岡。

「僕は一切、過去の作品を振り返らないんです。どれだけ演じてきても、脚本をいただくたびに僕にとってはまた新たな作品という位置づけなので、脚本を読んだら彼の言霊であるセリフをしっかりと自分の体のなかに吸い込ませ、牛尾刑事の肉体と精神を携えて現場に行く…。これしかないです」と、一作一作緊張感を保ちながらストイックに演じ続けてきたことを明かした。

◆天国の岡江久美子さんに誓い

さらに本作では、1997年放送の第7作から共演してきた岡江さん演じる牛尾の妻・澄枝も、過ぎし日の追憶のなかで静かに登場する。

「ファンの方々はこの作品を見れば岡江さんの存在をあらためて感じてくださると思いますので、終着駅シリーズが続く、ということは、岡江さんもまた生き続ける…そんな意味があると思うんです」と、絞り出すように言葉を紡ぐ片岡。

「だから、天国の岡江さんには“シリーズが続くかぎり、精一杯、務めさせていただきます”とお伝えしたいですね」と誓った。

そして、「追憶シーンには牛尾刑事のナレーションが入るのですが、僕の思いを牛尾さんの言葉にのせています」と、岡江さんへの感謝をセリフに込めたと打ち明け、「みなさんにこの作品を見ていただいて岡江さんを思い返していただけたらうれしいですね」とよびかけている。

◆片岡鶴太郎(牛尾正直・役)コメント(全文)

――最新作『停年のない殺意』のみどころをお聞かせください。

家族…とくに父と息子の男同士なんて、なかなか面と向かって本心を吐露するのは難しく、行き違いが起きがちですよね。今回は、そんなすれ違いから生まれた、切なく悲しい事件が展開していきます。

ミステリーではありますが、事件の推理だけでなく、犯罪に手を染めることになってしまった人物の心情にまで思いを馳せていく展開…。それこそが終着駅シリーズの真骨頂であり、監督が常に追い求めているところです。そういう意味で、本作はまさに終着駅らしい作品だと思います。

放送よりひと足早く完成版を見たのですが、おもしろかったですね! 尾美としのりさん、七瀬なつみさん、国広富之さんらベテラン勢も素晴らしかったし、堀井新太くん、山谷花純さんら若手のみなさんもとてもいいお芝居をされていて、私自身、涙してしまったぐらいです。

そして、あらためて岡江久美子さんという素晴らしい女優さんを失った悲しみを感じさせられました。お亡くなりになって1年近く経ちますが、みなさんにこの作品を見ていただいて岡江さんを思い返していただけたらうれしいですね。

――あらためて思う、妻・澄枝役、岡江久美子さんの存在とは?

岡江さんが亡くなって、「終着駅シリーズはどうなるんですか?」というお問い合わせも多かったんです。監督やプロデューサーともとことん話しあったのですが、岡江さんに代わる人はいないという思いもあって、今回、追憶のなかでのご出演となりました。

この作品を見れば、みなさん、岡江さんの存在をあらためて感じてくださると思いますので、終着駅シリーズが続く、ということは、岡江さんもまた生き続けていく…そんな意味があると思うんです。だから、天国の岡江さんには“シリーズが続くかぎり、僕も精一杯、務めさせていただきます”とお伝えしたいです。

実は、そのシーンには牛尾刑事のナレーションが入るのですが、僕の思いを牛尾さんの言葉にのせています。岡江さんの出演シーンはきっと、みなさまの心に届くのではないかなと思います。

――1996年の第5作から牛尾刑事を演じてきましたが、25年を振り返って思うことは?

僕は一切、過去の作品を振り返らないんです。監督、プロデューサー、脚本家の方々が次はどんなメッセージを牛尾刑事に託してくれるのか、それを楽しみにしているので、25年続いたからといって“慣れる”ということはなかったですね。

どれだけ演じてきても、脚本をいただくたびに僕にとってはまた新たな作品という位置づけなので、脚本を読んだら牛尾刑事を務めるために彼の言霊であるセリフをしっかりと自分の体や魂に吸い込ませ、牛尾刑事の肉体と精神を携えて現場に行く…。これしかないです。

――視聴者のみなさまにメッセージをお願いいたします。

人間、日常生活のなかで、誰しも被害者や加害者になりうる瞬間があると思うんです。ふと心にわいた怒りのせいで感情的になってしまったり、配慮がほんの少し足らなかったり…。そういう一瞬の感情の交差のなかで犯罪は起きてしまうし、人は常にそういう危うさをもっているのだと思います。

そして事件が起きてはじめて、昨日までの平穏な日常がいかに大事だったか、“当たり前の尊さ”に気づく…。だから、そうならないように“今の私の行動は大丈夫なのだろうか”と常に省みる心を持つことが大事なんだなと思います。

終着駅シリーズにはそういう大きなメッセージが根底に流れています。コロナ禍の行き詰まった状況のなかだからこそ、日常の幸福を考えながら静かに最新作を見ていただけたらうれしいですね。

※番組情報:『森村誠一ミステリースペシャル 終着駅シリーズ37〜停年のない殺意
2021年4月1日(木)午後8:00~午後9:54、テレビ朝日系24局

テレ朝POST

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