SB周東佑京、驚異の盗塁成功率89.3%の裏に“足の選択”。「器用すぎる」とレジェンドも驚嘆

公開: 更新: テレ朝POST

今日11月24日(火)に行われる日本シリーズ・第3戦。

第1戦、2戦ともにソフトバンクが打線で圧倒し、シリーズ2連勝で、日本シリーズ4連覇へ弾みをつけた。

第3戦から本拠地・福岡PayPayドームに巨人を迎えるソフトバンクだが、キーマンとして特に注目されているのが、周東佑京(24歳)だ。

シーズン途中にレギュラーをつかむと、103試合で50盗塁。育成選手初の“盗塁王”のタイトルを獲得した。

ここまで盗塁を量産できたのはなぜなのか――11月19日(木)に放送された「報道ステーション」では、周東の盗塁の極意に迫った。

◆世界の盗塁王、福本豊氏がうなる“スピード”

今季、周東の活躍で特に大きな注目を集めたのが「連続試合盗塁の記録」だ。

世界の盗塁王・福本豊氏がもつ11試合連続盗塁の記録を46年ぶりに更新し、13試合連続盗塁の新記録を打ち立てた。

福本氏は周東の盗塁について、“スピード”が特に秀でていると話す。

「実際に見て、ほんまに速いなと思いました。加速もグッとつきますから。陸上のスタートのように、3歩くらいでトップスピードに入っている気がします。しかも、スタートがちょっと遅くても、それをスピードでカバーしているんですよね」(福本氏)

レジェンドも舌を巻くスピードが持ち味だが、周東のすごさはそれだけではない。12球団トップとなる驚異の盗塁成功率89.3%の裏には、独自の“ある技術”が隠されていた。

◆状況に応じて使い分けられる“スイッチスライディング”

2001年、メジャーリーグで盗塁王に輝いたイチロー氏が盗塁の際、常に左足を下にしてスライディングしていたように、ほとんどの選手はスライディングする足を決めている。

しかし、周東は左足、右足のどちらでも滑ることができるのだ。福本氏は自身の経験をもとに、これがいかに難しいかを語っている。

「僕は利き足が右で、(スライディングは)右足が下でした。一度、逆の左足を下にして(スライディングを)やったら軽く捻ってしまい、やばいと思って、それからやめました。(周東は)器用ですね。器用すぎます」(福本氏)

周東自身は、この“スイッチスライディング” によってスピードを保てているという。

「あまり(ベースに)足を合わせなくてもいいので、そのままスピードを殺さずにいけるところがメリットかなと思います」(周東)

指導する本多雄一コーチは、このスピードを生かすメリットに加えて、状況に応じた足の使い分けを可能にしているという。

「ショートやセカンドの動き、そしてベースカバーに入る人の動きを見て、スライディングを変えたりしています。結構応用なんですけど」(本多コーチ)

その技術が、まさに発揮された試合がある。

日本新記録となる12試合連続盗塁を決めた10月29日のロッテ戦。周東は、ずっとショートの動きだけを見ていたという。

「ショートがこっちに向かっているのが見えて、そのまま行ってもすぐにタッチされると思ったので、どうにかしてよけようと思いました」(周東)

この場面、途中までは両足でスライディングできる状態だったが、送球を受けるショートの動きを確認してから、タッチをかわしやすいほうのスライディングを選択したのだ。

「一塁のコーチボックスから見ていて、そのまま行ったらアウトになるなと思っていました。最後の最後、スライディングしたときに右に体をそらしたので、その辺の感覚はすごいなと思いました」(本多コーチ)

両足でスライディングできる技術と、その判断力。今日の試合でも、周東は間違いなくキーマンとなってくるだろう。

「僕が塁に出て盗塁すれば、得点につながるチャンスも広がるので、塁に出て、1個でも多くしっかり盗塁したいなと思います」(周東)

大事な一戦で勝負を分ける周東の“スイッチスライディング”に注目したい。

※放送情報:「SMBC日本シリーズ2020」テレビ朝日系列にて放送
第3戦 ソフトバンクvs巨人 11月24日(土)よる6時15分~(※一部地域を除く)
<ゲスト解説>前田健太(ミネソタ・ツインズ)
<解説>古田敦也前田智徳

PICK UP