羽生善治九段もリスペクト!世界一過酷なヨットレースに参戦する海洋冒険家・白石康次郎

公開: 更新: テレ朝POST

4年に一度開催される世界一過酷なヨットレース「ヴァンデ・グローブ」

明日11月8日(日)にスタートするその究極の世界一周サバイバルレースに、アジア勢初となる“完走”を目標に掲げ、海洋冒険家・プロセーラー・白石康次郎さん(53 歳)が参戦する。

テレビ朝日では、白石さんの出航約7時間前に、彼の挑戦を追いかけた特別番組を生放送。番組には、白石さんと親交の深い羽生善治九段からのメッセージが到着。

本日7日(土)から8日(日)にかけて前人未到となるタイトル100期をかけて竜王戦七番勝負の第3局に臨む羽生九段が、フィールドは異なるものの時をほぼ同じくして闘いの場に乗り出す白石さんに力強いエールを送った。

さらに、出会って一瞬で白石さんの人間性に魅了されたという女子プロゴルファー・上田桃子選手は、彼の人柄を大人気のアニメになぞらえた応援コメントを出している。

◆単独・無寄港・無補給で世界一周を目指す!大海原の超人レース

ヴァンデ・グローブは、“海のエベレスト”とたとえられる世界最高峰のヨットレース。

スタート地点は、フランスのヴァンデ県。グローブとは“地球”・“世界”の意で、まさしく“地球”や“大自然”を相手に孤独な闘いを繰り広げるサバイバルレースだ。

通常は10人前後で操舵する全長60フィート(約18メートル)の大型ヨットをたったひとりで操り、約4万5000キロメートルにもおよぶ航行距離をおよそ80日間かけて帆走。スタート後は全世界、どこの港にも寄ることは許されず、食料など一切の追加補給も認められない。

「赤道無風地帯・ドルドラム」や「帆船乗りの墓場」とよばれる難所の数々、漂流物やクジラとの衝突、高波による転覆の危険もあり、航行中は常に死と隣り合わせ。過去には行方不明者が出たこともあり、“完走率50%”ともいわれる超人レースだ。

◆アジア人で唯一参戦!新艇を得て世界一周に挑む白石康次郎の仰天伝説

そんな過酷すぎるレースに挑む海洋冒険家・プロセーラーの白石康次郎さんは、1967年生まれの53歳。

1994年、26歳のときに風力のみで走らせるヨットを単独で操り、“史上最年少(当時)単独無寄港無補給世界一周”を達成。その後も世界的なレースに度々参戦、これまで実に3度の世界一周を成し遂げてきた。

ヴァンデ・グローブには2016年にアジア人として初出場したが、約1カ月後、南アフリカ沖でマストが破損し、無念のリタイア。

約2年後、2018年10月よりDMG森精機が立ち上げた日本初の外洋ヨットチーム「DMG MORI SAILING TEAM」のスキッパーに就任。

しかし、再チャレンジに向け万全を期すために受けた健康診断の診断結果は「上行大動脈瘤」。2019年には人工血管置換手術を受けるという危機もあったが、それを乗り越え、今年7月に行われたヴァンデ・グローブの最終予選「ヴァンデ・アークテック・レ・サーブル・ドロンヌ」(約5900キロメートル)では20艇中10位の成績で完走。

今回の再チャレンジに際し、最新鋭の水中翼を搭載したハイスピードヨットを導入したこともあり、今や優勝候補のひとりに躍り出ている。

番組では、応援サポーターに『報道ステーション』で白石さんを取材してきた寺川綾、ゲストにケンドーコバヤシ、長濱ねるを迎え、出発の地レ・サーブル・ドロンヌ港からの生中継を交えながら、驚きの船上生活や陸では決して見られない絶景など、ヴァンデ・グローブの魅力を紹介。

さらに、白石さんが歩んできた挑戦の歴史、50代にしてサッカー日本代表並みの強靭さを誇る肉体のヒミツ、家族の思いなどをたっぷり取材していく。

◆“勝負師”として通じ合う羽生善治九段がリスペクト&エールを語る!

白石さんと深い親交を結んでいるのが、羽生善治九段。

2人は10年以上前、とある講演会をきっかけに知り合い、闘いの場は異なりながらも勝負を迫られたときの“決断力”が似ていることから意気投合。2010年には2人の対談をまとめた書籍『勝負師と冒険家―常識にとらわれない「問題解決」のヒント』(東洋経済新報社)を共著で発表している。

たったひとりでヨットを操り、世界一周に繰り出す白石さんについて「“あれ”をひとりでやるっていうのは、基本的に相当無理がある…」と感服している羽生九段は、「さまざま不確定要素がある中で“どういう心持ちで行くか”、“どういう選択をしていくか”というところは白石さんと話していて、かなり勉強になりました。瞬間的に決めなければいけないときの考え方や発想は(将棋と)相通ずる」と、白石さんと深く共鳴していることを明かす。

当の白石さんもまた、「将棋は一手ずつで、同時に二手、打てない競技。ヨットもシングルハンド(=単独航行)の場合、1回に1動作しかできない。そこらへんが羽生さんと対談して息の合うところ!」と、根底の部分で通じ合う間柄だと話している。

さらに羽生九段は、「(30年以上かけて)夢にたどり着くっていうのは、並々ならぬ思いがないとできないことなので、そこは素直に敬意を持ってすごいなと思っています」と、白石さんをまっすぐにリスペクト。

「“1回世界一周すると10年分くらいの経験を得る”とおっしゃっていたので、どんな風に変わっているのか、次にお会いするのが楽しみです」と期待を語っている。

◆上田桃子も激励メッセージ!

そしてもうひとり、プロゴルファー・上田桃子選手もまた、白石さんを熱烈応援!

ゴルフ番組での共演をきっかけに白石さんと知り合った上田選手。

「松岡修造さんとお会いしたときも、スゴいエネルギーだなと思ったんですけど、その倍のエネルギーを感じるくらい情熱的」と、出会ってすぐに白石さんのポジティブな人柄の虜になったことを振り返る。

上田選手はまた、「白石さんは『鬼滅の刃』のアニメを実体験しているような人。“気”で石が割れるとか絶対にないことだけど、白石さんならあるんじゃないか?と思わせてくれる…」と、その挑戦に勇気をもらっていることを明かし、「この時代、あんなロマンを持って生きてる人ってなかなかいないと思うのでカッコイイなと思うし、日本中の人に白石さんの人柄や魅力を知ってほしいと思う。白石さんならできると思う!」と熱い声援を送った。

※番組情報:DMG MORI presents『ヨットだけで世界一周 ひとりぼっちの大冒険~白石康次郎 世界最高峰レース ヴァンデ・グローブ2020出航直前SP~
2020年11月8日(日)13:55~15:20、テレビ朝日系24局

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