落選100回以上。“握手会アルバイト”から本物のアイドルになった少女<畑美紗起>

公開: 更新: テレ朝POST

秋元康プロデュースによるオーディションバトル番組『ラストアイドル』(テレビ朝日系、20178月に放送開始)から生まれたアイドル・ラストアイドル2期生の畑美紗起(はた・みさき)は、大学4年生で就職活動も終え、社会人になる道が決まっていながらラストアイドルに挑戦した人物だ。

©テレビ朝日 ラストアイドル2期生の畑美紗起(はた・みさき)

もともと、アイドルに憧れてオーディションを受け続けるも、落選続き。大学卒業時まで断続的に様々なオーディションに履歴書を送り続けるも、100回以上落選するという苦難を強いられてきた。

彼女はなぜ、それでもアイドルを目指し続けたのか。

アイドルになって、望んでいたものを得ることはできたのかーー。『ラストアイドル』に賭けた少女たちの、ビフォーアフターに迫る。

人生を変えた乃木坂46との出会い

19963月、埼玉県で生まれた畑美紗起。

当時0歳

幼稚園から小学校にかけては、習い事に打ち込んでいたという彼女。その一方で、きらびやかな世界に憧れる気持ちも目覚めていた。

当時1歳。人見知りだった

当時3歳。幼稚園の廊下で

「幼稚園の頃からクラシックバレエを始めて、塾やピアノを習っていたので小学校時代は忙しかった記憶があります。幼稚園から小学校低学年の頃は、アイドル好きな友だちの影響でミニモニ。さんが大好きで、生写真を一緒に集めたりしていたのを覚えていますね。友だちがモーニング娘。のオーディションを受けていて、羨ましいとは思いました。けど、自分は勇気が出なくって。ただ、バレエで人前に立つのも好きだったし、ぼんやりと芸能活動の仕事をしてみたい気持ちもあったと思います」

小学校入学時の一枚

中学時代、世間ではK-POPAKB48の楽曲が流行。それを横目に部活に励んでいた畑だったが、2011年に生まれたアイドルグループ・乃木坂46の存在が、彼女を変えた。

©テレビ朝日

「中学ではバレエを続けながらテニス部に入って、両方の練習を毎日頑張っていました。でも高校に入ったとき、乃木坂46というグループができて、一気にアイドルにハマったんです。オーディションも受けたんですよ。もちろん、全部落ちちゃったんですけど。悔しかったけど、大好きだったから握手会にもたくさん行ったし、もしかしたら、一番多く通っていた衛藤美彩さんは、ちらっと覚えてくださってるかも。ただの願望ですけどね(笑)」

当時14歳

ダンス強豪校に入学するも、アイドルになれず落選が続く

乃木坂に憧れてオタク活動に励みつつ、畑が入学したのはダンスの強豪校。

周りは経験者ばかりの厳しいダンス部に、オーディションを勝ち抜いて入部したのだった。

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「まず入部するのにオーディションがあって、選ばれるのは12人だけ。ダンスは未経験だったけど、バレエをやってたおかげか、なぜか選ばれちゃいました。13年続けたバレエとの両立は難しくなってしまって、ダンスを選んだんですけど、『スクール ライブ ショー』(NHK Eテレ)に出演したり、日本工学院が主催の全国大会に出場したり、いろんな経験をできたのはよかったです」

当事17歳

厳しいダンス部で練習をしながらも、アイドルへの憧れは日々強まっていく。

©テレビ朝日

「私が通っていた学校では、クリスマスや卒業式などのイベントごとにライブハウスを借りて、イベントを開くんですよ。周りはK-POPの曲を選ぶ人が多かったけど、私はアイドルの楽曲ばかり選んで。ダンス部とは別に、アイドル好きな子達と有志で組んで、AKB48さんの『ギンガムチェック』、乃木坂46さんの『ガールズルール』、ももクロさんの『行くぜっ!怪盗少女』とか、有名な曲をたくさん踊ってました」

アイドルのダンスを踊りながら、次世代アイドルのオーディションを受け続けるも、結果は出ない。強豪で鍛えたダンススキルには自信があったのだが

©テレビ朝日

「どのオーディションでも、書類の次は面接、その次は歌の審査という順番。私は歌が苦手で、面接か歌で落ちちゃうんです。正直、まずはダンスを見てほしい思ったことが何度もありました」

新卒入社の内定先も決まってからのアイドルへの転向

大学に入ってからは様々なアルバイトをしながら、アイドルとの握手会に通いつつ、オーディションを受け続ける日々が続く。

©テレビ朝日

「欅坂46が結成されてからは、乃木坂と合わせて大好きになって、長沢菜々香ちゃんの握手会にも通ってました。長沢さん、すごく優しくって、『アイドルみたいに可愛い』とか言ってくれるんです。そう言ってもらえると、やっぱり自分もアイドルになってみたいって気持ちが出てきちゃうんです(笑)」

学生時代のアルバイトは東京ドーム、アパレル店員、美容ライターなど、様々な職を経験した。ここでは未来のアイドルとの出会いがあった。

©テレビ朝日

アルバイトをしているとき、まわりに芸能活動してる女の子が多くって。諦めきれずに、いろんなオーディションを受けてたから、全部で100を超えてると思います」

しかし、無常にも結果が出ないまま時間が過ぎていく。

©テレビ朝日

「だんだん、年齢制限で受けれるオーディションが減っていったんです。最後望みをかけて、『ラストアイドル』の1stシーズンにも応募していたんです。それでもダメだったから4年生の頃には就職活動をして、内定ももらって。卒業後は働く会社も決まっていました」

22歳。ラストアイドル加入前

それでも諦めきれない気持ちが、彼女を再度『ラストアイドル』に挑戦させた。その結果、「ラストアイドル2期生」として、憧れ続けたステージに立つことになったのだった。

「アイドルの握手会会場でアルバイトをしてたこともあったんですよ」

自分自身がアイドルファンとして握手会場に向かう側だった彼女にとって、会場で迎える側になった心境はどのようなものだろうか。

©テレビ朝日

「実は、大学時代にアイドルの握手会会場でアルバイトをしてたこともあったんですよ。並んでいるファンの方からチケットを回収したり、ストップウォッチで時間を測ったりして」

並んでいるファンからは『アイドルになれるんじゃない?』って言われたこともあったという。

「今、自分にファンの方がいるって、なんだか変な感じです(笑)。だから、応援してくださるみなさんと、一人ひとりとお話しする瞬間が、本当に幸せです。最後の最後までお見送りしたり、撮影会で座ってる時も、立って挨拶したり、ファンだった時に自分がされて嬉しかったことは全部やりたいと思ってます」

『ミュージックステーション』出演や大きな予算がかかったMV撮影、大きな会場でのライブやイベント出演。かつて憧れ続けたステージに、自分が立っていることを信じられない瞬間もある。

23歳。ラストアイドルに加入し、夢を叶えた

何度も何度も、100回以上ふるい落とされ、自信を失っていた。そんな彼女が、ラストアイドルの活動を通して、自分を誇れる瞬間があったという。

©テレビ朝日

「『青春トレイン』のフォーメーションを決める前に全メンバーのオーディションがあって、私は一番上のAグループに入れたんです。akane先生(大阪府立登美丘高等学校ダンス部総監督)の振り付けは本当に難しいし、自分がやってきたダンスとは全然違うので、全神経を集中させました。今までずっと自分に自信がないままやってきたけど、初めて少しは自分を褒めてもいいのかなと思えました」

諦めなくてよかった。心からそう思う半面、まだまだやるべきことはある。

では、今後の夢とは?

©テレビ朝日

「まだまだ知名度も低いし、もっと多くの人に知ってもらえるように頑張っていきたいです。メイクやコスメ、お洋服が好きなのでファッションの仕事をやってみたいし、いつの日か大好きな衛藤美彩さんとお会いして、アイドルになれた報告をできたら嬉しいです」

<撮影:スギゾー、取材・文:森ユースケ>

©テレビ朝日

畑美紗起プロフィール

19963月生まれ、埼玉県出身。ダンスの強豪校で様々な大会に出場し、大学卒業後に『ラストアイドル』へ挑戦、2期生として加入。コンビニ、居酒屋、アパレル、ビール売り子、美容ライターなど、数多くのアルバイトを経験。ビール売り子時代もさぞかし人気だったのかと思いきや「売上はぜんぜんダメでした(笑)。押しが弱いんです」とのこと

※番組情報:ラストアイドル『ラスアイ、よろしく!
【毎週水曜】深夜1:56~2:21、テレビ朝日(※一部地域を除く)

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