吉岡秀隆、倉本聰と17年ぶりタッグ!“母”いしだあゆみと11ページの長尺シーン

公開: 更新: テレ朝POST

倉本聰氏が脚本家人生で初めて通年放送という長丁場に挑んでいるテレビ朝日開局60周年記念帯ドラマ劇場『やすらぎの刻~道』

脚本家・菊村栄(石坂浩二)ら“テレビ人”たちが入居する老人ホーム「やすらぎの郷」の人間模様、そして根来しの(清野菜名風吹ジュン)・公平(風間俊介橋爪功)夫妻の一代記を綴る「道」――2つの世界が絶妙なバランスで描かれている同作もいよいよ折り返し地点を過ぎ、両パートとも今後ますます劇的な展開が待ち受けている。

その「やすらぎの郷」パートに、吉岡秀隆がゲスト出演することが決定。倉本氏との強力タッグが17年ぶりに実現する。

◆吉岡秀隆、いしだあゆみ演じる玉子の息子役に

©テレビ朝日

吉岡が演じるのは、入居者のひとり、元女優・中川玉子(いしだあゆみ)の息子・牧田誠(まきた・まこと)。玉子は大女優・桂木怜子(大空眞弓)の“世話係”という立場で登場しており、これまでそのプライベートが描かれることはほとんどなかった。

しかし「やすらぎの郷 La Strada」で、ある“深刻な問題”が浮上。そのトラブルを解決するため大物フィクサーとかつて関わりがあった玉子が折衝役を担うこととなったのだが、実は若かりし頃、玉子はそのフィクサーとの間に息子をもうけていたことが明らかに。

玉子はわけあって離れてしまった息子・誠と30数年ぶりに対面を果たすが、アメリカの大学に留学したと聞いていた誠は、玉子の想像とはまったく異なる人生を歩んでいて…。

◆吉岡が10年ぶりに富良野を訪ねたら…

©テレビ朝日

吉岡が倉本作品に出演するのは、『北の国から2002 遺言』(2002年/CX)以来。吉岡は今年の夏、倉本氏と過ごした“富良野の夜”が、倉本作品との“縁”を再び結びつけたと話す。

「実は、約10年ぶりに富良野にいる先生を訪ねてお酒をいただいたんです。…で、少し長めの旅を終えて東京に帰ってきたら、“こういうこと”になっていて…(笑)先生の脚本が本当に素晴らしくて、かつ僕のことを考えながら書いてくださったことがとても光栄で、本当にうれしかったですね」

吉岡との再会で“誠”という人物を新たに想起した倉本氏は、すでに脱稿していたシナリオに手を加え、2話分のストーリーを一気に執筆したそう。

吉岡は「誠という人間の過去にいったい何があったのか、さらにはあゆみさん演じる母・玉子さんとの関係性まで、あれだけの分量のなかで見る人の想像をかき立てるところが素晴らしい。読んでいて鳥肌が立つほどでした」と、改めて倉本氏の生み出す世界に心震わせたことを語った。

◆いしだあゆみと久々共演で、目に涙が…

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しかし、倉本氏が新たに書き上げたシナリオには、11ページにもおよぶ長尺シーンが。それは再会した玉子と誠が境遇を語り合う、母子の静かな“山場”。

カットを入れずカメラを回し続ける“長回し”で撮影されたが、それぞれ日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、同主演男優賞の受賞歴を持つ2人だけあって、リハーサルから感動の演技を見せ、やさしく切ない場面を熱演。本番のクライマックスには2人の目に涙が光り、まさに珠玉のシーンに仕上がった

いしだあゆみとの共演は、映画『学校II』(1996年)以来。今回、久々に倉本作品というステージでじっくり向かい合った吉岡は「いやもう、ただただしびれました! どう芝居をぶつけても受け止めて返してくださるので、やっぱりあゆみさんはスゴイ」といしだへ信頼を寄せた。

また現在、3曲の主題歌を同作に提供している中島みゆきが、11月から『道』パートの“平成編”がスタートするのにともない、新たに2曲を書き下ろすことも決定。

タイトルは『終り初物(おわりはつもの)』と『観音橋(かんのんばし)』で、これにより計5曲の主題歌を物語によって使い分けていくという贅沢なオープニングが誕生した。

◆吉岡秀隆(牧田誠 役)コメント全文

©テレビ朝日

――『やすらぎの刻~道』の出演オファーを受けたときのお気持ちを教えてください
「実は夏ごろ、約10年ぶりに富良野にいる先生を訪ねてお酒をいただいたんです。酔っぱらってしまってあまり覚えていないのですが、とてもいい時間を過ごしました。…で、その後、少し長めの旅を終えて東京に帰ってきたら、“こういうこと”になっていて…(笑)。だからオファーというよりは、もう断れない、という状況でした(笑)。

でも、先生の脚本が本当に素晴らしくて、かつ僕のことを考えながら書いてくださったことがとても光栄で、本当にうれしかったですね」

――今回の脚本を読んで感じたことは?
「僕が登場するのは2日間分、つまり計2話なのですが、誠という人間の過去にいったい何があったのか、さらにはあゆみさん演じる母・玉子さんとの関係性まで、あれだけの分量のなかで見る人の想像をかき立てるところが素晴らしいなと感じました。それはもう、読んでいて鳥肌が立つほどでした。

また、今回のストーリーには“運動靴”がキーワードとして登場するのですが、『北の国から』の運動靴のエピソードは僕にとって特別な思いがあるんです。“うわ~先生!! ここで運動靴を出してくるとは~!”っていう感激もありました(笑)」

――誠役を演じるにあたって大切にしたところは?
「彼はお母さんのことが大好きで、根はやさしいヤツなのだろうなと思いつつも、どこか“怖さ”を潜ませることを意識しました、誠はもしかしたら誰かに狙われていて、人目を忍んで逃げているのかもしれない。そういう境遇をセリフのひと言ひと言から想像させられる人物だったので…。

また、今回は、すでにできあがっているチームを“乱さないように”という思いと、“ちょっとは乱したいな”という、相反する思いが胸にありましたね」

――いしだあゆみさんと久々に共演した感想は?
「いやもう、ただただしびれました! だって、(いしだ)あゆみさんは、僕の俳優人生のバックボーンにいる大切な存在“黒板純”の、大好きなお母さんですから…! やはりいろいろな思いがこみ上げましたね。今回も、どう芝居をぶつけても受け止めて返してくださるので、やっぱりあゆみさんはスゴイなと実感しました」

――誠という存在が、この物語で果たす役割とは?
「誠という存在を通して玉子さんの過去が垣間見えて、それがまたドラマの深みにつながればいいなと思っています。『やすらぎ』ファンの方々だけでなく、みなさんに倉本作品はひと味違うぞっていうことを改めて感じていただけたらうれしいですね。いや、ひと味どころじゃないですね。ひと味もふた味もです(笑)」

※番組情報:テレビ朝日開局60周年記念 帯ドラマ劇場『やすらぎの刻~道
毎週月~金・ひる12:30~12:50、テレビ朝日系24局
(BS朝日では、毎週月~金・あさ7:40~8:00)
※吉岡秀隆が出演する第177話、178話は12月放送予定!

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