女性アナたちの産休・育休、そして復職【テレビ朝日 市川寛子アナ・上宮菜々子アナ】

公開: 更新: テレ朝POST

報道ステーション』の気象情報やサブキャスターを長年担当してきたことなどでお馴染みのテレビ朝日・市川寛子アナウンサーが、2019年2月、2人目の子供の出産を経て産休・育休から復帰しました。

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産休を経て、「先輩でも同期でも後輩でも、いまは“ママさんアナウンサー”がたくさんいて、働くうえでとても心強く感じます」と話す市川アナ。2月に復職してから早速生放送でニュースを読んでいますが、産休・育休期間中はどのように過ごしていたのでしょうか。

市川アナ:「いっときは、自分がアナウンサーであるということを思い出せなくなるくらい、出産と産後の育児にまい進していました。メイクも、2年間くらいほとんどしませんでしたね。授乳もありますし、夜中も眠れませんし、その日その日を過ごして終わる。その繰り返しです」

そうした日々のなか、あるきっかけで自分がアナウンサーであることを意識したそうです。

市川アナ:「子供に絵本を読んであげるとき、ですね。そのときに、『あ、私アナウンサーだった』って(笑)。この言葉のアクセントは何だったかしら…ちゃんと声が出るかしら…って、自然と発声や言葉を意識しながら読んでいました」

そんな市川アナ。“復職後”については、「(復職してから)現場でニュースを読むと、少しヒヤヒヤすることもありますが、すぐに『そうそう、こうだった』と対応しています。やっぱり体で覚えていることがあるんだなと実感しますね」とのこと。

入社時の厳しい研修と、そこからの長い経験。これらが、復職してすぐに現場で活躍できることを可能にしているようです。

◆“自分ごと”から、“自分のこと”へ

また市川アナは、ニュースへの向き合い方にも変化があったといいます。

市川アナ:「よく“自分ごと”という言葉が聞かれますが、(出産を経て)さまざまなニュースが文字通り“自分のこと”になったように思います。最近では、“幼児教育・保育の無償化”などのニュースですね。また、児童虐待のニュースもそうです。子育てをする身としてまったく他人事ではなく、胸が張り裂けそうになり、涙が出そうになることもあります。でも、伝えないといけない。ニュースを読むという仕事の重みに改めて気づかされる毎日です」

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そして、市川アナと同じく2人の子をもつテレビ朝日・上宮菜々子アナウンサーも、出産・育児を経てニュースへの感じ方・見方が変わったそう。

上宮アナ:「子供を産んだからといって“人生経験を積んだ”とまで言えるわけではありませんが、やはり経験は理解を助けるということを感じます。読解力や想像力だけで理解しようとしても、そこには限界がある。経験によって頭に浮かぶ絵が増え、また理解できる気持ちの幅も広がりました。これは、児童虐待などのニュースに向き合うときだけでなく、復職後の働き方にも活かされているように思えます」

上宮アナがこのように言えるのは、2人目の子供の産休・育休から復職した後に担当した“ある仕事”に関係があるようです。

◆育休中、仕事の存在が励みに

上宮アナは、2017年12月の復職後まもなく、2018年4月に入社したアナウンサーたちの新人研修の幹事を担当しました。このとき、産休・育休を経たからこそ、以前とは違う気持ちで臨めたといいます。

上宮アナ:「私が新人の頃、『アナウンサーはみんなライバルだから、アナウンス研修というのは、先輩たちが時間を割いて自らライバルを作り上げているってことなんだよ』と言ってもらったことがあって、私はこの言葉で、他の部署とは少し違う、“アナウンス部の研修”の特別さや重みを知りました。

ただ、産休・育休明けに新人の研修を担当してみると、育児のなかで子供とずっと向き合ってきたことで、“人を育てたい”という思いが自分の中に根を張っていたことに気付きました。純粋に『全部受け取ってほしい』、『テレビ朝日を代表するアナウンサーになってほしい』と思え、一緒にがんばろうという気持ちでしたね」

なぜそのような気持ちになれたのか。上宮アナは、産休・育休期間を振り返りながら語ります。

上宮アナ:「育休中、家で赤ちゃんとずっと一緒で、なおかつ育児で四六時中手一杯な状況が続くと、社会からすっかり隔絶されてしまったような気持ちになります。自分が社会人だという意識すら消えてしまうこともありました。

そんな最中、面談のために会社を訪れることがあったのですが、そのときだけは“自分が社会人である”という意識がもてました。『私はここにも居場所があるんだ』と思えて、(結婚後の姓ではなく)“上宮菜々子”という自分を感じられるんです。

そうして“仕事”の存在がすごく励みになって、『戻りたい、絶対復職したい!』とずっと思っていました。そんな経験や思いを経たからこそ、仕事との向き合い方が変わって、もしかしたら人としても少し成長できたのかもしれないなと思います」

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こうして現在、これからも長く仕事を続けていくことを目指し、また後輩の育成にも引き続き尽力していきたいと話す“ママさんアナウンサー”たち。

市川アナはそんな未来について、「こないだも『約20年後にはアナウンス部に“令和生まれ”の新人が入ってくるんだね。それに立ち会えたら感慨深いね』って、アナウンス部の昭和世代で(笑)話してたんです」と想像をはたらかせていました。

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