宇賀なつみアナ「今のなかったことにして」超極薄千枚漬づくりで悪戦苦闘の連続!

公開: 更新: テレ朝POST

いま知っておきたい話題や気になるニュースをお届けする朝の情報番組『モーニングショー』では、月~金の日替わりコーナーが放送されています。

水曜日は、宇賀なつみアナウンサーが、伝統を守り、次の世代へ引き継ぐべく奮闘する輝く女性から人生を素敵に過ごす秘訣などに密着する名物コーナー「継ぐ女神」をお届け。

1月30日(水)の放送では、京都市で144年続く漬物店「田辺宗」の4代目女将・藤井千尋さん(29)に迫りました。

◆京都三大漬物のひとつ「千枚漬」

「千枚漬」702円(税込)

お店を代表するのは、この時期の京名物でもある「千枚漬」。11月から2月ごろに旬を迎える京野菜「聖護院かぶら」で作っていて、柴漬け・すぐきと並び、京都三大漬物といわれています。しかも、こちらの千枚漬は超極薄。他店にはない特徴が人気です。

◆ディスプレイ用皿にまさかの高額鑑定

そんなお店でディスプレイに使っていたというお皿や小鉢。先代から古い焼き物だとは聞かされていたそうですが、詳しいことはわからないとのこと。そこで番組で鑑定したところ、意外な展開になったのです。

山本博史鑑定士が見たところ、一つは李朝時代に作られた高麗刷毛目小鉢(こうらい・はけめ・こばち)、もう一つは安土桃山時代に美濃地方で作られた志野焼で、二つ合わせて200万円にもなるとても貴重なものだったのです。それを知り、千尋さんが「お漬物、盛ってる場合ちゃいますね」といえば、夫で4代目の宗右さん(44)も「2度と乗せません」。これまでのぞんざいな扱いに後悔する一幕となりました。

◆おいしさの秘密は極薄スライス

続いて千枚漬の作業場へ。江戸時代から京都周辺で栽培されるようになったという聖護院かぶら。人の顔ほどもある大きさですが、柔らかな肉質が千枚漬にぴったりだそう。

皮を剥いたら薄くスライス。2.6ミリというのがスタンダードな薄さだそうですが、千尋さんのところでは、わずか1ミリ。「薄くしますことで、中までしっかりと昆布ですとかお出汁の甘みが染み渡ります」。薄い分、破れやすくなりますが、そこは職人技です。

スライスしたら、千尋さんの出番です。かぶらをトランプのように均等に広げて、そのまま樽の中に敷き詰めます。宇賀アナも挑戦しましたが、「ちょっと待ってください。今のなかったことにして」「えっ・・・、なんだこりゃ」。悪戦苦闘の連続で千尋さんのようにきれいに広げることはできませんでした。

その後一日塩漬けし、北海道利尻産の昆布にお酢、砂糖を加えて一週間ほどで、千枚漬の完成です。

◆廃業危機を救う女将のアイデア

「とまと」540円(税込)「チーズ味噌漬」648円(税込) ※詳しくはお店にお問い合わせください

富山県の老舗料亭に生まれた千尋さん。大学時代を京都で過ごし、友人の紹介でご主人の宗右さんと知り合います。嫁いできた当時のお店といえば、「若い女性として入りやすくはなかった」うえ、商品もどこにでもあるような品揃えだったとか。特徴のないお店は年々客足も減少していたといいます。そんな状況に「店の歴史を終わらす覚悟もあった」とは宗右さん。

けれども千尋さんは「もったいない。絶対になくしてはいけない」と言ったのです。そして、他の漬物店との差別化に動きます。平凡だった商品も「トマトの浅漬け」や「チーズの味噌漬け」など女性客に受けるようなものを考案。薄さにこだわった千枚漬も、その一つです。

さらに、「田辺宗のお漬物をお召し上がりいただくために作りました」。それはお店2階に設けた漬物を主役にしたレストラン。生ハムやチーズを巻いていただく「千枚漬のクレープ風」などメニューもすべて千尋さんが考えています。

お店の大改革を成功させた千尋さんですが、「やりたいことの1割もできていない」のだとか。その頼もしさに宗右さんは「ついて行きます」といいますが、そこには優しい笑顔がありました。

◆他と同じことをやってもダメ

宇賀アナが今回の取材を通して心に残った「女神の一言」は、「他と同じことをやってもダメ。自分らしさを大切に」です。

どこにでもあるような漬物ばかりだった店を変えていこうとしたとき、職人さんたちには大反対されたといいます。それでも、ここしかないものを作ろうと根気よく説得して、お店が変わるとお客さんも増えていったそうです。他とは違う自分らしさを大切にすることが成功の秘訣かもしれないと話してくれました。

※田辺宗(たなべそう)
住所/京都府京都市上京区青龍町218
TEL/075-231-1269
FAX/075-320-2844
営業時間/10:00~21:00
定休日/なし

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