松本まりか“お岩さん”、小芝風花を心配し…妖怪たちの激アツ人情コメディ『妖怪シェアハウス』

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小芝風花が民放ドラマ初主演を務めた『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)の再配信が、民放公式テレビポータルサイト「TVer(ティーバー)」でスタートした。

甘い言葉を操り二股をかけるクズ男・健太郎(柾木玲弥)に貢がされ、仕事も財産も家も奪われてしまった男運の悪い主人公・澪(小芝)が神社の一角にある不思議なシェアハウスにたどり着き、姿は怖いが性根の優しい妖怪たちに囲まれながら復活と成長を遂げていくハートフルコメディ。

会社の同期であり恋人である健太郎に騙され、家賃が払えずに家を追い出された澪。さらに健太郎の仕事のミスをかぶって会社をクビになってしまい、破れかぶれの状態で彼の家へ助けを求めに走るが、部屋には見知らぬ女の姿が。ショックをうける澪に健太郎は「ハッキリ言ってお前は2番目」「帰れ」と冷たく言い放ち、家から追い出してしまう。

すべてを失った澪は、荒波八幡神社を訪れ神主・水岡(味方良介)に5円玉を差し出して祈祷を頼もうとするが、水岡が指差した貼り紙には「祈祷は5000円から」の文字。頼みの綱をすべて切られた澪は絶望のあまり泣き叫び、そのまま境内で行き倒れ……。

介抱された澪が目を覚ましたのは、神社の一角にあるシェアハウス。なんと、そこでは妖怪たちが人間に姿を変え、共同で生活を営んでいたのだ。人間の姿で看護師として働く“お岩さん” 四谷伊和(松本まりか)、弁護士兼経営コンサルタントとして辣腕をふるい、カレー屋のコンサルタントも行う “ぬらりひょん” 沼田飛世(大倉孝二)、骨董品の真贋を見分ける才能を活かし、オークション会社で働くイケメンの“酒呑童子” 酒井涼(毎熊克哉)、そしてシェアハウスの管理人を務める“座敷童子” 和良部詩子(池谷のぶえ) ──。

2000年の禁忌を破り、人間を家に上げたことに当初は反発する彼らだったが、クズ男に騙されズタボロの状態の澪に同情の気持ちも芽生え、ともに共同生活を送ることとなる。

自身も夫に二股をかけて裏切られ、命を落とした伊和は、同じ境遇にある澪に強いシンパシーを感じ、何としても復讐を遂げようと全力を注ぐ。伊和は「健太郎は、悪い人じゃないから…」と及び腰の澪の体に乗り移り、これまで澪が内側に溜めてきた怒りのパワーをいっきに開放。健太郎に痛快な仕返しを浴びせる──。

そして、このドラマの魅力はなんといっても伊和役を演じる松本のミステリアスな、鬼気迫る演技。しかし単に怖いだけでなく、悪い男に引っかかりがちな澪と過去の自分を重ね合わせ、献身的に支え続ける芯の強い女性としてのカッコよさがたまらない。とてつもなく怖く、そしてとてつもなく優しい“まりか様”の怪演が今回も光っている。

それに呼応されるように、意思を持たず流され続けてきた澪のなかにも、やがて力強い芯が出来上がっていく。澪が見せるドラマ序盤の気弱な目、そして回を進めるにつれて増していく目力のコントラストも見どころだ。

澪が遭遇するさまざまなピンチを、“人間味あふれる”妖怪たちが究極の解決法で救うさまは圧巻。片桐仁演じる「アマビエ様」など、毎話ゲスト登場する個性豊かな妖怪たちからも目が離せない。

また、小芝が主演を務める「ラッパー✕ゾンビ」という異色のシチュエーションドラマ『ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ』もTVerで絶賛配信中。健気な女子を演じさせたら天下一品、女優・小芝風花の魅力を堪能してみては。

(文・天谷窓大)

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