人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON～人生を変えたテレビ番組」vol.15は、土曜ナイトドラマ『先生を消す方程式。』（テレビ朝日系、毎週土曜23:00～）に、主人公・義澤経男役で出演中の田中圭さんが登場です。
世の中をブームに巻き込んだ『おっさんずラブ』（テレビ朝日系）、『あなたの番です』（日本テレビ系）などの大ヒットドラマ主演を果たすだけでなく、『ぐるぐるナインティナイン』（日本テレビ系）の人気企画「ゴチになります」のレギュラーメンバーや、特番『スゴ動画超人GP』（日本テレビ系）の超人サポーターなど、バラエティでも活躍を見せている田中さん。見る人を魅了する確かな演技力はもちろん、その端正なルックスとは裏腹に見せるユニークな一面は、世の女性はもちろん男性をも虜にします。
『先生を消す方程式。』で田中さんが演じるのは、命を狙われながらも、笑顔で指導していく謎の教師。本作について、田中さんは「普通じゃないドラマ」と評しており、ミステリアスな雰囲気を纏う義澤を演じることに迷いながらも「若手の頃に戻った感覚」と“楽しさ”を見出していると言います。
今回そんな田中さんが、俳優としてどのように形成されていったのかを探るべく、「どんなテレビやドラマを見て育ったのか？」「思い出に残っている先生とのエピソードは？」など、さまざまな質問をぶつけました。
――子供の頃によく見ていたテレビ番組を教えてください。
連ドラはよく見ていました。織田裕二さんが出ていた『振り返れば奴がいる』『踊る大捜査線』も好きでしたし、（酒井法子主演）『星の金貨』とかも好きで。
――『振り返れば～』は1993年放送。まだ幼い頃（8、9歳）ですよね？
そうですね。母親が（ドラマを）よく見ていたので、『金曜ロードSHOW!』のような映画系も一緒になって見ていました。親と見なくなっても（いしだ壱成主演）『聖者の行進』や、堂本剛さんの『金田一少年の事件簿』、堂本光一さんの『銀狼怪奇ファイル』など、たくさん見ていました。
――そんな作品の中で一番好きなドラマはありますか？
もちろん全部好きですが、“一番好き”というのを更新していきたいと思うので、昔の作品は昔の作品として好きという感じです。『池袋ウエストゲートパーク』も好きでしたが、理想でいうと今見ている作品やハマっている作品を「好き」と言えればいいです。それは、自分が出ている作品もそうですし。
――そんな中で、「この人を見て芸能界を目指すことになった」など、影響を受けた俳優さんはいますか？
芸能界に入る前はないです。職業として認識していなかったので。俳優がいるのはもちろん分かっていたのですが、職業として成立しているという感覚がなかったです。“テレビの人”みたいな。
――芸能界入ってから憧れる人がでてきた感覚ですか？
（芸能界に）入ってからは見方が変わりました。分かりやすいところでいうと、映画で窪塚（洋介）さんを見て“カッコいいな”と。ベタに高校時代に憧れていたし、周りがみんな窪塚くんの喋り方をマネしていた時代もあったし、この世界に入ってからのほうが憧れることが増えました。
――その立場になってみて分かることもあったと。
全く別世界だったテレビが“自分ごと”になりましたから。純粋に楽しんでいれば良かったものが、100%純粋ではなくなったというか。
――今後共演してみたい方はいらっしゃいますか？
若いときによく言っていたのは、大沢たかおさん。昔憧れていて、いまも尊敬している方です。まだ、お仕事でご一緒したことがないので、いつかしてみたいとは思っています。
――「先輩・後輩にこういう言葉をもらって変わった」などのエピソードはございますか？
言葉というよりは生き様みたいなものは、たくさん見てきているので、それが少しずつ蓄積されているなと思います。印象に残っている言葉も多々ありますが、それが“いまの自分にどう影響を与えているか？”と考えたとき、正直、分からないというのが本音ではあります。
――お仕事の多様化が進む中で、いまや“田中圭”というジャンルが確立されていると思います。ご自身が目指すべきところを教えてください。
モノマネされるようになりたいです。僕のモノマネは結構難しいと思うのですが、いつかされたらいいなと。（他の俳優のモノマネを見ていると）“特徴を捉えているな”と思うじゃないですか。そうなったときに、僕は特徴がないのが特徴でもあるので、それをどうやってマネしてくれるのか楽しみです。
――俳優としての信念や大事にしていることを教えてください。
なるべく自分にウソをつかないことです。あとは良い意味で適当に生きようと思っています。
（取材・文：浜瀬将樹）
