神田松之丞、テレビ出演で「編集癖」がついてしまったことを反省!?『松之丞カレンの反省だ!』

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神田松之丞
神田松之丞

――松之丞さんは、子供時代どんな番組が好きでしたか?

小学生の時、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)を見たかったのですが、親に禁止されていて。お昼の放送だから、なかなか見ることは出来ない時間帯ですが、たまたま友達の家で見たときに「『笑っていいとも!』ってこんな感じなんだ」という衝撃を受けたのを覚えています。ほかには、祖父母と住んでいたので一緒に時代劇をよく見ていました。二世帯住宅で、1階に祖父母が、2階に僕の部屋があって。ふたりとも耳が遠いからテレビのボリューム大きくて、音が2階まで聞こえてくるんですよ。冬のある日、大音量で『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)のフリートークが聞こえてきて「じいさんとばあさん、こういうのも見てるの?」と驚いて、恐る恐る1階に降りていったら、こたつにふたりがうずくまって寝ていて……。その後ろで『ガキ使』の音声が鳴っているという、その絵がすごくシュールで。子供ながらに、こういう年齢層の人たちも、意図しないところで『ガキ使』にふれあう機会があるなんて「メディアっていろいろなものを包み込むよな」と、ふっと思いましたね。

――ドラマや、他のジャンルの番組はいかがでしたか?

ドラマは、真田広之さんと桜井幸子さんが主演で出ていた『高校教師』(1993年にTBS系で放送、脚本は野島伸司)が好きでしたね。当時小学生くらいだったと思いますが、教師と生徒の恋愛や近親相姦などが扱われていて、すごく深いテーマですよね。あれを、教師側に感情移入して見ていたんですよ。こういう深いテーマのドラマを見てちょっと大人の階段をのぼったのかな。大晦日には、格闘技・紅白歌合戦・除夜の鐘といったものもね。

ダウンタウンさんやビートたけしさんの番組なんかを、「早く家に帰って見たい!」というドキドキした気持ちを感じさせてくれるのが、僕にとってのテレビでした。テレビって、世相を反映しますから、その時代時代に流行していたものを伝えていたんだな、と思いますし、テレビというのは僕の中で大切なものですね。

――最近はどんな番組をご覧になりましたか?

TVer(動画配信サービス)でカレンさんの出演しているドラマ『G線上のあなたと私』(TBS系)を見ました(笑)。今、いろいろな動画配信サービスがありますよね。

――テレビ番組の見方も、昔とくらべて、ずいぶんと変わりました。

Twitterでオンエア後に評判を知って「この番組を見たいな」という時に、こういうサービスで見ることが出来るので便利ですね。先日も、弘中綾香アナウンサーが出演している番組『激レアさんを連れてきた。』(テレビ朝日系)に、「グラップラー刃牙」の作者・板垣恵介さんが出ていたので見ましたよ。落語家の瀧川鯉斗兄さんが出ていた時もね。改めてネットでテレビ番組を見たときに、「テレビって、やっぱり優秀なスタッフさんがちゃんと作っているな」ということを発見しますね。いや、当たり前なんですが、YouTubeのようなスタイルで見ると、余計にそう思いました。あちらもあちらの良さはあるんですが。

――共演者や身近な方が出演する番組はチェックするようにしているんですか?

そうですね。共演者がどんな動きをしているのか、どんな番組に出ているのかは、ある程度情報共有しておいたほうが、一緒に出演するときに番組がより面白くなるかな? と思うところがありまして、見られるときは見ています。全然追い切れていないんですけど……。ただ、カレンさんに関しては、ドラマ以外はまったく見てないです(笑)。

――それはなぜ?

たまたま『ソクラテスのため息』(テレビ東京系)に出演されているのを見たとき、歌舞伎について特集していましたが、出演されている方も多いので、この『松之丞カレン』のようにカレンさんがずっと話しているわけではないですから(笑)。番組はすごくおもしろかったんですよ。ただ『松之丞カレン』の好きなところは、僕もカレンさんも、お互いよくしゃべってフルに“自分”が出る。そういう番組って珍しいのかな、と、ほかの番組を見たときに思いました。少しラジオっぽいんですよね。

――ラジオとテレビに出演されるとき、スタンスの違いは意識されていますか?

ラジオをやっている時の感じの僕を好きだと言ってくださる方が多いのですが、それを強引にテレビに持ち込むと失敗するんですよ。

――とはいえ、ラジオの時のようなキャラクターを求められることも多いのでは?

先日、あるコマーシャルの撮影がありまして「●●(その会社の扱っている商品)はいらねえ!」ってにらみを利かせる……という台本で(笑)。そんなに乱暴じゃないよ? ってね(笑)。全部台本にのっとった芝居ですが、人に言わされている毒舌って一番面白くないから。テレビでも「毒舌のキャラを」と求められると逆に一番面白くないキャラになりがちになるので、それをいかにナチュラルに私の言葉として発するか。しかもテレビはいろいろな人が見ているから、きっちりフォローをすることが結構大事なことなのかな、と思います。それでいうと『松之丞カレン』は、カレンさんもいるし、反省もするから中和されて、上手にテレビに反映されているな、と思っています。僕のラジオ的な良さを、最大に活かしてくれている番組ですね。

――テレビ番組に出演される機会もどんどん増えそうですね。

番組ごとにチューニングをしながら少しずつ変えていますが、芸人さんたちはみんなそうしているんじゃないですかね? 僕は、引き出しが多いほうではないので、「完全なる文化人風」か「完全なる毒はき」の2つ。キツいなぁ~(笑)。逆に、『報道ステーション』のような番組に出演させていただいた時に文化人面をしてやってるのは、僕の中で面白いですけどね。ザ・文化人面でちょっときわどい発言をしても許されるという、内容のない文化人でした(笑)。でも、ゲストで呼んでいただくときは、皆さん優しいですし、フォローもありますので、あまり気にせず自然体で出演しています。だって「魔法の編集」がありますから。

――そして、講談師としては、2020年2月11日に真打昇進が決定。六代目神田伯山の襲名を控えていらっしゃいますが、今のお気持ちは?

なってみないとわからない、というのが正直なところです。神田伯山という名前に変わることで、もちろんプラスの要素は色々ありますが、どんなマイナスがあるのかは見えないですね。今、『松之丞カレン』という番組タイトルで、スタッフさんたちが“神田松之丞”という名前を広めてやろうという気持ちでやってくださっていると思いますが、伯山になるとゼロになるので、「神田伯山って誰だ?」ってなる。また最初からやり直しになるので、そっちのほうが心配です。むしろ、伯山になってからは、今まで以上に積極的に出ていかないと“松之丞”に負けてしまいますからね。

――名前が変わるというのは、そういう事も含めて一大事ですね。

カレンさんにも「伯山になることは良いことなんですよね?」って突っ込まれまして。襲名は良いことですし、売れないお笑い芸人がコンビ名を変えるのとは違いますよ(笑)。ですが、一般の方からすると「なぜ名前を変えるの?」と思うでしょうね。なので、理由も含めて伯山が大事な名前ということを1年かけて伝えていきたいと思っています。

――芸能界でも松之丞さんの人気が高まっていますね。

ありがたいことです。松本潤さんが僕のラジオを聴いてくださっていると知りましてね。“松潤が聴いている”と書いておいてください(笑)。もう『松之丞カレン』も松潤が見ているということにすればいいんじゃないですか? 見ていないかな? 不用意に松之丞のラジオを聴いていると発言したがために、こんなに名前を利用されるという……。松本さんもどうしていいかわからないだろうな(笑)。

――そういう広がりについていかがですか?

松本さんと僕、同世代なんですよ。みなさん優しいですから、自分たちの影響力もわかっているでしょうし色々気をつけていると思いますが、そんな中で「松之丞のラジオ聴いてます」とファンクラブの会報誌で、わずか6行の中で松本さんが発してくれたというのは、本当にうれしいことです。

――では最後にファンの方へメッセージを!

「俺たちは松潤と同じ船に乗っている!」ということですね! これからも、松潤が喜ぶラジオとテレビを作っていきたいと思います。ファン(松潤)を裏切れないということで。

――(笑)……。

あ、ダメですか? では、『松之丞カレン』についての目標は、今の深夜に放送されている感じが好きなので、このままで……とも思いますが、スタッフさんたちは一生懸命やってくださっていて23時台のオンエア枠を目指していますからね(笑)。Twitterを見ていると『松之丞カレン』好きだ、とツイートしてくださっている方も増えているようで、色々な層の方が分け隔てなく見てくれている感じをうけます。その人たちを裏切らないようにしたいですね。よく裏切るんでね(笑)。

回を重ねていくと、ロケ場所も限られてきますし、維持するのは大変だろうな、と思いますが、カレンさんとは全く打合せもなくしゃべることが出来るので、稀な番組だなと思っています。いつまで続くかはわかりませんが(笑)、皆さんが喜んでいただけるような番組を届けられたらいいですね。

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