堀田真由、間宮祥太朗の大喜利に戦々恐々!?『べしゃり暮らし』撮影秘話を語る

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土曜ナイトドラマ『べしゃり暮らし』(テレビ朝日系、毎週土曜23:15~)が7月27日からスタート。『ろくでなしBLUES』や『ROOKIES』を生み出した森田まさのり先生が描く“漫才漫画”を間宮祥太朗さん&渡辺大知さんで実写化。劇団ひとりさんが連ドラ初の演出を担当します。

同作で、主人公・上妻圭右(間宮)の幼馴染である土屋奈々を演じるのが堀田真由さん。『チア☆ダン』(TBS系、2018年)『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系、2019年)など話題作への出演が続く堀田さんに、今作への思い、そして自身の挫折と成長について伺いました。

――出演が決まった時のお気持ちは?

人気漫画ということは知っていましたし、主人公を支える奈々ちゃんを演じるということで、私で大丈夫かな? と正直少し心配もありました。個人的には、私の親友の名前がナナななので、すごく嬉しかったのを覚えています(笑)。

――原作の印象は?

「青春モノって、こんなに感動するんだ」というのが率直な感想で、私自身につながる考え方もたくさん得られました。続けることは大変。でも、続ける人が勝ち残る。それって芝居も同じで、「やめる」と言ったら終わりだけど、やり続けていたら何か見えてくるかもしれないんですよね。そういう前向きな作品なので、現場も明るく楽しいです。

――作品のおもしろさはどこにありますか?

人生は、本当に自分が思うようにはうまくいかないんだなっていうところでしょうか。そういう部分がリアルですし、おもしろいなと感じます。

――役作りについて聞かせてください。

原作がある時は、撮影に入る前にいろいろと考えます。でも、衣装合わせの時に劇団ひとりさんから「好きな感じにしていいよ」と言われて。「かわいいって言われたい? 綺麗って言われたい?」と聞かれたので「じゃあクールビューティーに思われたいです」と(笑)。奈々のイメージに寄せて今よりも髪を短くするのかなと思ったら、「髪は切らずにこのままで、真っ黒にする必要もないよ」と言われて、そこで原作とは別の作品になるんだなと頭が切り替わりました。現場に入って感じたままにやっていこうと思えたので、今は良い意味で、深く考え過ぎずにやっています。

――劇団ひとりさんの演出は、他の現場との違いを感じるところはありますか?

他の作品だと、本番前の段取りから、緊張感というか空気がカチッとすることが多いんです。でも、この作品はお笑いをテーマにしているということもありますし、フラットに「いつの間にか始まっていた」という感じで本番が始まるので、肩の力が抜けますよね。撮影でも、長期戦に持ち込むわけではなく「できるだけ短く、早く撮ってあげよう」と、役者側の気持ちをすごく汲んでくださる方だと感じています。

――今回、挑戦になりそうな部分は?

みなさんアドリブがすごいので(笑)。もともと苦手ではありませんが、アドリブがない作品が続いている中で、急にアドリブがある作品がくると「あ! アドリブがあるんだった」みたいな(笑)。でも、間宮さんが「気楽に来てくれていいよ」と言ってくださって。今では、“セリフを言わなきゃ”というより、“口から言葉が自然と出る”というほうが正しい気がします。この感覚は初めてかもしれません。

――とくに印象的だったアドリブはありますか?

現場もそうなんですけど、カメラが回っていないところで大喜利をさせられるんです(笑)。

――急に振られるんですか⁉

そうなんですよ! エキストラさんがいる中で「役者として、ちゃんとしていなきゃ」と思っているのに、ガンガン話しかけてくるんです(笑)。そしたら、エキストラさんを巻き込んでの大喜利大会が始まっちゃって。最初は驚いたんですけど、エキストラさんたちは私たちのために来てくださっているし、みなさんあっての作品なんですよね。そんなエキストラさんたちが退屈しないように、現場を盛り上げてくださっている先輩はカッコいいなと感じています……が、怖いです(笑)。だから「今、私集中してるんで」っていうオーラを出すようにしています(笑)。

――女優オーラを出さないとですね(笑)。物語で、圭右の人生は相方の辻本(渡辺)と出会うことで大きく動き出します。堀田さんにとって、そんな出会いはありましたか?

実は、私のことを見つけてくださったのが今のマネージャーさんなんです。アミューズのオーディションがあって、その時にたまたま入ったブースでマネージャーさんと出会いました。最初から運命は決まっているとも言うけれど、私がその会場に行かなければ、そのブースに入らなければ、1分でもズレていたら……と考えると、やっぱりすごいことだなって。芸能界に入るキッカケになったこの出会いが、人生の中で一番大きいですね。

――作品では挫折も描かれます。ご自身が挫折した経験は?

挫折はたくさんしてきました(笑)。一番悔しかったのは高校受験の時。バトントワリングができる高校に行きたかったんですけど、受験資格が足りなかったんです。自分がやりたいと思っていたことができなくなって、何をしていいかわからなくなってしまって……。そんな時、表舞台に立つことが好きだったこともあり、オーディションを受けました。挫折がなければ今がないとは思うけれど、受けることすらできなかったことが悔しかった。その悔しさが、演技をする上で活かされていたりもしますね。

――そんなオーディションから今年で5年。成長したと感じることは?

地元の親友たちは今、ちょうど就活を始める時期です。私は16歳で夢を見つけて東京に出ると決めたけど、人と比べてすごいわけではなくて、「ちょっとだけ早く就職先が見つかった」くらいの感覚で(笑)。でも、友達から「そうして見つけた夢に向かって、今でもがんばっている姿を見ると、自分もがんばろうと思う」と言われることが、すごくうれしいです。私もまだまだ夢を追いかけている途中。全然満足はしていないけど、そう感じてもらえるところまで来られたことは、成長かなと思っています。

――では、今後も変わらずに持ち続けたい信念はありますか?

漫画『べしゃり暮らし』の中に「楽しいから笑うんやない 笑うからこそ楽しいんや」みたいなセリフがあるんです。そう言える人生を送りたいし、悔しいこともいろいろありますけど、たしかに笑っていたらなんとかなるのかなって。(出演した)『連続テレビ小説 わろてんか』(NHK)も“笑い”をテーマにした作品でしたし、“笑い”との繋がりが多いんですよね。自分が楽しくないと、見てくれるみなさんにも伝わらないと思うので、楽しく生きて、笑顔を大切にしたいなと思っています。

(撮影・文:勝浦阿津希)

<第1話>
主人公・上妻圭右(間宮祥太朗)は、幼い頃から人を笑わせることが大好きで、笑いのためなら命がけで何でもやる“学園の爆笑王”だ。いつもの調子で、親友の子安蒼太(矢本悠馬)たちと昼の校内放送で軽快なトークを届けていた圭右の前に、関西出身の転校生・辻本潤(渡辺大知)が現れる。圭右は、辻本の関西弁を聞くやいなや、彼を放送にひき込む。すると、突然のアドリブにも関わらず辻本が絶妙なかけ合いを披露し、全校中が大爆笑となる。

辻本が漫才大会で優勝経験もある元高校生芸人だと知った圭右は、ライバル心を抱き“打倒辻本”を掲げる。一方辻本は、笑いを取るために全精力を傾ける圭右に興味を抱く。

そんな圭右の父・上妻潔(寺島進)は一転、大のつくお笑い嫌い。姉・上妻しのぶ(徳永えり)も手を焼いていたが、潔のお笑い嫌いには、思いもよらない衝撃の理由があった……。一方、関西在住の高校生・鳥谷静代(小芝風花)が突如、単身上京してきて……!?

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