飯豊まりえ「センシティブハートだけど、意外と頑丈」大森南朋とタッグ『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』

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7月11日からスタートする木曜ドラマ『サイン―法医学者 柚木貴志の事件―』(テレビ朝日系、毎週木曜21:00~)で、主人公・柚木貴志(大森南朋)の助手となる新人解剖医・中園景役を演じる飯豊まりえさん。

原作は、韓国ドラマ『サイン』(2011年)。事件の真相を追う無骨な天才法医官と新人女性法医官が、“真実”を隠ぺいしようとする絶対的権力に立ち向かう様を描いた大ヒット作が、日本版としてよみがえります。

権力側がねつ造する“真実”と、解剖医が突き止める“真実”がぶつかり合う法医学サスペンス。本作で自身初の医師役に挑む飯豊さんに、ドラマの見どころや意外な“真実”について語っていただきました。

――出演が決まった時のお気持ちを教えてください。

久々の連ドラなので、すごくワクワクしています。以前ドラマ(『居酒屋ふじ』テレビ東京系)でお世話になった大森さんとの再共演も嬉しいですし、久しぶりに“気が強い女の子”を演じられることも楽しみです。

――台本を読んだ印象はいかがですか?

外科医や産科医のほうが医療ドラマの題材になりやすいイメージで、解剖医というと、あまりスポットが当たらない“陰の存在”というイメージでした。でも、実はすごく“強い存在”で、本当に重要な職業だと改めて感じました。一見、自殺に思えるけれど他殺であった、というような司法解剖しないとわからないことはいっぱいあるんです。実際に解剖医の方にお話を聞いて、本当に(司法解剖が必要な)事件が起きているということも、たくさんの人に知ってほしいと思いました。

――役作りについても聞かせてください。

景ちゃんは、人との距離感が近いけど、常識がない子ではないんです。芯が強い女性ですが、それには理由があって、彼女が抱えている過去を理解して、先輩にも立ち向かう姿勢を強く示したいなと思っています。解剖の手順やメスの持ち方は、何度かリハーサルさせていただきました。解剖のシーンは難しいですが、いかにリアルに近づけていけるかがミッションですね。

――役に共感する部分はありますか?

柚木さんに毒舌を吐かれても、立ち止まったり、折れたりしないところはすごく素敵だなと思います。自分もそういう人間でありたいし、好きなものに対して折れたくないとか、決めたことに対して真っ直ぐでいたいっていう部分は共感します。

――飯豊さんも、打たれ強い方ですか?

センシティブハートだけど、意外と頑丈です(笑)。何かを言われて燃えるっていうタイプではないけれど、途中で逃げたりはしない性格です。

――今作で、とくに注目してほしいところは?

政治が絡むことで、真実じゃないことも真実として世に出ることがある。解剖医として「本当は違うのに」っていう戦いを描いていくドラマです。一話完結なので観やすいと思いますし、人間のドロドロとした部分が描かれていて、リアルなお話です。セットもカッコいいですし、映像も360°の方位から撮影したり、3Dなどの最新機器も取り入れていくそうなので、私も楽しみにしています。

――柚木×中園コンビの空気感も見どころになりそうですね。

本人同士はバチバチなんですけど、周りから見たらクスッと笑えるというか、ほほえましいというか。お互い「嫌い、嫌い」と言ってるけど、本当は「好き」みたいなコンビです(笑)。

――なるほど(笑)。大森さんとは、何かお話されましたか?

大森さんが「セリフ長いね」と、ポツリと言っていたのが聞こえてきました(笑)。大森さんとのやりとりが多いので、私も大森さんのセリフまで覚えて、「なんだっけ?」と聞かれた時にアシストできたらいいですね。

――ドラマ同様、大森さんの助手になると。

はい、そこからサポートしていけるように頑張ります!

――大森さんや、共演者さんとの顔合わせはいかがでしたか?

大森さんからは「久々だね~」と声をかけてもらいました。そして、実は、父が松雪泰子さんのファンで、母は仲村トオルさんが大好きなんですよ。両親ともに「共演してくれてありがとう~!」と喜んでいました(笑)。まだ松雪さんと仲村さんには伝えていないので、今後、タイミングを見て報告させていただきます。

――チームの雰囲気は、どんな感じでしょう?

これから撮影に入るのですが、スタッフさんも含めみんな優しくてほんわかしているけど、アツい人達です。真夏で暑くなるのに、現場もアツくなりそうです(笑)。

――緩さとアツさのギャップは、ドラマにも共通しそうですね。

そうですね。柚木さんと景ちゃんのやりとりは、箸休めみたいにほっこりできると思います。でも、だんだん二人の絆が強くなっていくので、私も台本を見ていて泣きそうになりました。回を重ねるごとに、なぜ景ちゃんが解剖医になったのかが明かされていくので注目していただきたいですし、感情移入してもらえるんじゃないかなと。

――今作は同世代の方より先輩が多い現場ですが、臨む姿勢に違いはありますか?

先輩が多い現場というのは、安心感が大きいですね。 同世代が多い現場の方が緊張します。同世代が多いと、「盛り上げなきゃ」ってハイになっちゃうんです(笑)。でも先輩が多いと、お芝居も自分が用意していくというよりは、周りに合わせていけば素敵なものになると確信しているので、背中を追って行こうかなと思っています。

――撮影中、楽しみにしていることはありますか?

この夏はお祭りに行けなそうなので、誰かがお祭りのアイテムを差し入れしてくれることを願っています(笑)。なければ私がカキ氷機を買って現場に差し入れをしようかな。でも、(差し入れで)屋台が来ないかなぁ、花火もしたいなぁ、スイカもいっぱい食べたいなぁ(笑)。

――(笑)。ドラマでは「真実」がキーワードとなっています。最後に、飯豊さんの意外と知られていない真実があれば教えてください。

母に「出不精」と言われました。 「友達が多そうだね」ってよく言われるんですけど、全然そんなことないんです。夜も全然出歩かないですし、夜10時にはベッドにいます(笑)。一度外に出たらアクティブに動けるんですけど、おうちにいると「外に出たいなー、どうしようかなー」と言っているうちに、夜になっちゃうことが多いですね。結構こだわりが強いので「こういう趣味があります」とか「こんなところに行ってます」とか言うんですけど、意外と外に出ません(笑)。これは、みんなが知らない真実です!

(撮影・文:勝浦阿津希)

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