岡田准一『白い巨塔』主演の苦悩明かす「役柄が動揺すると自分も動揺」

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テレビ朝日の開局60周年を記念した5夜連続ドラマスペシャル『白い巨塔』(5月22日~5月26日、5夜とも21:00~)で主人公の財前五郎役を演じる岡田准一がこのほど取材に応じ、本作への意気込みや、昭和の名作を今の時代でリメイクする難しさなどを明かした。

原作は、1965年に新潮社より刊行された、作家・山崎豊子の同名長編小説。過去に何度もドラマ化された医療ドラマの名作で、大阪の大学病院を舞台に医学界の腐敗を描く。松山ケンイチが財前の同期で、ライバルでもある浪速大学医学部第一内科・准教授の里見脩二、寺尾聰が財前の師で、浪速大学医学部第一外科・教授の東貞蔵、沢尻エリカが財前の愛人・花森ケイ子を演じるほか、財前の義理の父で圧倒的な財力を誇る産婦人科医・財前又一役を小林薫、浪速大学医学部長・鵜飼裕次役を松重豊岸部一徳椎名桔平八嶋智人高島礼子柳葉敏郎岸本加世子市毛良枝浅田美代子筒井道隆小林稔侍といった名だたる実力派俳優たちが出演する。

岡田は撮影について「大河ドラマの撮影を思い出しました」といい、「上り詰めて落ちるというストーリーで、後半追い込まれていく際には精神状態があまりよく無くて大変でした。現場で不安定になってセリフが出てこない。役柄が動揺していると自分も動揺するようになってきた」と追い込まれた様子。

「ダークヒーローでもあって、ひどいこともする。後輩を追い込んだり横暴でもある。このコンプライアンスの時代に、今の時代にそぐわないそのエネルギッシュさが、どこかまぶしく見えるような、そんな風になればいいなって」と思いながら財前を演じたといい、「そういうものもまた、求められている時代だという気がしているんです。精一杯、駆け足で生ききっていく。良い人の役より断然楽しい。やりがいはあった」と心境を明かした。

また、同作については田宮二郎さんが財前五郎役を演じた映画版(1966年)やテレビドラマ版(フジテレビ系、1978年〜1979年)が伝説的に語られることが多いが、田宮さんの財前を「意識したか?」と問われると、「していない」とこれを否定。「真似をするなら前を見てくれっていうことになってしまう。田宮さんの財前は素晴らしいです。田宮さん自身があのセンセーショナルな時代を体験されているわけだし、それを超えるのは無理だなって。比べられるとしんどいかなと」と述べ、「でも、見ているうちに同じものだけどこれは別ものだとわかってもらえると思います。みなさんがすんなり入っていけるような内容になっていると思います」と改めて本ドラマをアピールしていた。

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