東山紀之、故・市原悦子さんを偲び「責任というものがさらに大きくなった」『必殺仕事人』今春放送!

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東山紀之主演で2007年7月に『必殺仕事人2007』(テレビ朝日系)として復活した時代劇シリーズの最新作『スペシャルドラマ 必殺仕事人 2019』が、今春放送されることが決定。また、東山、松岡昌宏知念侑李和久井映見遠藤憲一とおなじみの仕事人たちに加え、東山が演じる同心・渡辺小五郎の妻・ふく(中越典子)の叔母・てん役でキムラ緑子が出演する。

今回のスペシャルで13年目に突入する“必殺シリーズ”。平成の最後を飾る本作で、仕事人の敵となるのは貧しくても懸命に生きる若者を食い物にして私腹を肥やす極悪非道な商人。この商人は、ひたすらマジメに働く若者の商才を利用しようと罠を仕掛ける。商人に目をつけられてしまったがために、幸せな日々が一転、運命に翻弄されることになる若者と、彼を支える許嫁、2人の運命やいかに!? 奉行所に圧力をかけられるほどの権力をもつ黒幕と、小五郎の直接対決に注目が集まる。

また、小五郎の義母・こうを演じ、2017年に亡くなった野際陽子さんに代わる渡辺家の新しい同居人としてキムラの出演が決定。キムラは「初めて“必殺”の世界に入れていただくことになり、とてもうれしく思っております。私が演じる綾小路てんは、野際陽子さんが演じてこられた小五郎の義母・こうの妹です。こうの遺志をしっかり継いで、うだつの上がらない小五郎のお尻を叩いていきたいと思っております。“表”の顔の小五郎とのコミカルなやりとりを見て、楽しい気持ちになっていただければうれしいです」と、作品への意気込みを語った。

なお、1月12日に亡くなった市原悦子さんによるオープニングナレーションは、今後も継続することが決定した。

京都で撮影中の東山、松岡、知念からのコメントが到着。以下に紹介する。

<東山紀之(渡辺小五郎役)コメント>

――13年目に突入しての意気込みは?

京都の撮影所に来ると、良き思い出と良き先輩たちの顔が浮かんできます。前回まで出演していただいた野際(陽子)さんと今回はお会いできず、市原悦子さんも亡くなられて……。そういう意味では、僕ら3人がこの作品に携わる責任というものがさらに大きくなったと思っています。それをしっかりと受け止め、この作品を後世に伝えたいな、とさらに強く思っています。昨日は思いがけず早く撮影が終わったので、映画『ボヘミアン・ラプソディ』を見に行ったんです。その帰りに歩いていたら、藤田(まこと)さんや野際さんの思い出が自分の中に強く出てきて……。そういう思いも自然の理で仕方ないことなんでしょうけど、ドラマをやる上でその思いが生きればいいな、と思いました。

――新しく同居人となるキムラ緑子さんの印象は?

緑子さんとは今回初めてご一緒させていただくんですけど、とても雰囲気のある方なので、ご一緒させていただく撮影日をとても楽しみにしております。

――2012年からナレーションを担当された市原悦子さんへの思いは?

市原さんには何度かご挨拶させていただいたことがありましたが、とてもやさしい先輩で、ぜひご一緒させていただきたかったなという思いがあります。なので、やはりこれからは思い立ったら強引にでも共演させていただくように動こう、積極的にいこう、と思うようになりました。野際さんもそうでしたが、先輩たちは撮影中も苦しさなど一切、見せなかった……。皆さんからプロ意識を教えていただいたので、次は僕らがそれを見せていく番だなと強く思っています。

――平成最後の“必殺”について思うことは?

昨日映画を観た後に、天皇陛下の「御即位30年御成婚60年記念 特別展」を見てきたんです。平成という時代をあらためて振り返ってみると、たくさんの災害や苦しいこともありましたけれども、そこから立ち直る日本人の強さを見たような気もします。その“平成”という時代に、僕らの『必殺仕事人』という作品が存在していることに達成感も感じています。いくつかの別れも経験しましたが、これからの出会いにも期待したい。そして新しい時代が来て、新しい人たちが新しいことをしてくれることを心待ちにしています。

――今、あらためて“必殺”の魅力とは?

僕は『必殺仕事人』を見て育ちました。表現方法は昔と今では違うし、使うものも違ってきてはいますが、恨みをもつ気持ちや、それを晴らしたいと思う気持ちは変わらない。それを表現するのが、まさに“必殺”のような作品なのでしょう。“必殺”は時代を映す鏡。それを楽しんでいただけたらと思います。

<松岡昌宏(経師屋の涼次役)コメント>

――13年目に突入しての意気込みは?

これまでいろんな涼次がいたなぁ、と思いますね。最初は前髪がふにゃふにゃだったんですけど、それからポニーテールになり、今は坊主という段階があって……。でもこうやって、役で遊べて楽しめるということはうれしいです。シリーズが始まったときは30歳で、今は42歳ですけど、これだけ長いことやらせてもらった役はないんでね。できるだけ長く涼次を演じたいし、「まだ殺さないでね」と思います(笑)。先ほど(東山)先輩ともちょっと話したんですけど、来年とか再来年とかに、またいい節目ができたら、1クールの連続ドラマで一度できたらいいですね。時代劇には1時間でやる楽しさもあるので。

――冬の京都で楽しみにしていること。

行きつけの居酒屋さんが多いので、そこへ行って、常連のおじさんとしゃべってるのが一番好きですね。10人くらいしか入れない店を3軒ほどローテーションしてるんですけど、そこに行けば知ってるオヤジさんが2~3人いるので、「おぅ」って言いながら、しゃべって食べて飲んでますね。みんな、僕が必ず行く銭湯のお客さんなんですよ(笑)。銭湯から「じゃ、行くか」って店に行って、刺し身を食って、湯豆腐をつつくという。それがまた楽しいですね。

――2012年からナレーションを担当された市原悦子さんへの思いは?

僕にとって市原さんは“必殺”の先輩でもあり、“家政婦”の先輩でもありました。『まんが日本昔ばなし』で育っていますしね……。生前、僕らの番組に何度かお見えになったことがありましたが、非常にテニスがお好きな方で、たくさんお話してくださったのを覚えています。本当にやさしい先輩で、いろいろな役をおやりになっているからこそなのか、普段はとてもナチュラルな方でした。やはり素晴らしい俳優さん、女優さんは、こんなにもナチュラルなものなんだな、と思いました。偉ぶることもなく、やさしく接してくださって……、とても素敵な“おばちゃま”でした。

――平成最後の“必殺”について思うことは?

僕はちょうど平成元年にこの仕事を始めました。そう考えると、昭和の時代に始まり、平成、そして新しい時代へと続いていく『必殺仕事人』はすごいな、と思います。世の中は変わっていくけれど、“必殺”は変わらない――そこに参加出来ていることの喜びを感じます。何年も続いていくものは少ないので、やれる限りはこの作品を続けていきたいです。

――今、あらためて“必殺”の魅力とは?

時代物と時代劇は違い、時代劇は“劇”です。フィクションなんですよね。そういう中でも、“必殺”は昔からなんでもあり。ラジカセが出てきたり、宇宙に行ったり……。仕事人と悪人の両方を経験している役者さんもたくさんいらっしゃいます(笑)。津川雅彦さんなんて、両方やってらっしゃいますからね! だからもしもこの先、僕の演じる涼次が死んでも、悪役で出てくることができます(笑)。本当になんでもあり、オールマイティーな時代劇って“必殺”だけ。難しく見るものではない、エンターテインメントだと思います。

<知念侑李(リュウ役)コメント>

――13年目に突入しての意気込みは?

僕は5度目の出演なので、今年こそは知念侑李が演じているリュウの名前を、たくさんの人に覚えていただけたらいいなと思います。実は、今回から台本の登場人物のページで、リュウにもちょっと変化がありまして……。皆さんは台本の役名のところに表稼業が書いてあるんですけど、今まで僕はそこに “仕事人”とだけ書かれていたんです。でも今回は“風来坊”って書いてありました。「おっ、ちょっと文字がカッコいいぞ!」と思って調べたら、“ひとつのところにとどまらない”という……相変わらずフリーターみたいな感じです(笑)。風来坊なリュウを今年こそは、たくさんの人に覚えていただけたらいいなと思いながら、撮影に臨みました!

――平成最後の“必殺”について思うことは?

僕はいつも先輩方と一緒にやっているので、若手の気持ちでいたのですが、こうしてひとつの時代が変わるとなると、自分よりも下の世代が増えるということなんだなと改めて感じます。そろそろ大人としてしっかりとやっていかないといけない立場になっていると感じるので、今後も大人としてこの作品に参加し、たくさんの若い人を迎えていけたらなと思います。

――今、あらためて“必殺”の魅力とは?

時代劇は、どうしても若い世代からすると少し遠い存在に感じてしまいがちだと思うんです。でも実は時代劇というのは“必殺”に限らず、すごくわかりやすいんです。“悪いやつを斬る”ということは、どの時代にも通ずるものなのではないでしょうか。だから、どんな世代にも、その魅力が伝わるのが“必殺”だと思います。

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