稲葉友『おっさんずラブ』枠で民放初主演に緊張「このプレッシャーいる?」

稲葉友 © 撮影:松本理加

稲葉友が、12月28日(金)に放送される『平成ばしる』(テレビ朝日、24:20~25:20 ※関東ローカル)で民放ドラマ初主演を飾る。「2018ユーキャン新語・流行語大賞」トップ10入りも果たした『おっさんずラブ』を生んだ同局の年末深夜ドラマ枠での放送ということもあり、早くも注目が集まっている。

同ドラマはヒロインに阿部純子、本人役で松重豊が出演するほか、脚本・監督は劇団ゴジゲンを主宰し、俳優としても活躍する松居大悟が務める。舞台は複数のメディアがオフィスを構える六本木ヒルズ。「テレビ朝日」、FMラジオ放送局の「J-WAVE」、インターネットテレビ局「AbemaTV」など、六本木ヒルズに拠点やスタジオを構えるメディアが実際に登場。そこで働く人々が大晦日、“年越しそば”を発端に大混乱を起こすという奇想天外な物語が展開する。

稲葉が演じるのはテレビ朝日のAP(アシスタント・プロデューサー)の猫宮唯。ドラマの中で登場する番組や出演者もすべて本物で、テレビ朝日『東京らふストーリー』の山崎弘也アンタッチャブル)、フットボールアワーなど各メディアに出演する実際の番組キャストがそのまま登場することも話題だ。

メディアの垣根を越えたこの注目のドラマに主演する稲葉さんに、改めてドラマの見どころなどを語っていただいた。

――『おっさんずラブ』を生んだ年末深夜ドラマ枠での放送。正直プレッシャーは?

『おっさんずラブ』というフレーズをキッカケに見てくれる人がたくさんいると思うと、「ありがとうございます」という思いです。でも、このプレッシャーいるのかなって……。撮影に入る前はこの部分のプレッシャーが結構きつかったです(笑)。

――民放ドラマ初主演については?

主演という肩書きにもプレッシャーを感じやすい性格ではありますが、映画や演劇では主演をした経験もありますし、何度目かの初主演という心境です。現場に入ると主演が一番いろんな人と関われますし、そういう意味では主演のお仕事を頂けるのは自分にとってはとても嬉しいことなんです。実際現場に入ると、様々なプレッシャーから解放されてすごく楽しかったです。

――演じる猫宮唯はテレビ局のAP。役作りはどのように?

これまで一緒にお仕事をさせていただいた方たちを参考にしていますが、ドラマがスポットを当てるのはAPという職業の方ではなく、猫宮のキャラクターだと思っています。ドラマは一夜限りの1時間ドラマですし、実際の“APあるある”を入れ込んで、この仕事のリアルを再現するというよりは、猫宮のキャラクターをいかに表現していくかに力を入れました。どんな職業の人でも、どこかで猫宮のような立場、段階の時の経験ってあるはずなんです。そこをうまく表現していこうって。

――猫宮唯の人物像に関してはどんなふうに捉えていますか?

心臓が小さいネズミか猫のようなキャラクターで、回せるギアをすべて回して速い動きで活動している人間という感じです(笑)。自分が何かをやろうとしたことで起きる事故に直面したり、ドジな一面もありますが、仕事ができないわけでもない。ダメダメではなく、仕事のペースが早過ぎて、そして抱えすぎてトラブルに直面してしまうという印象です。これはAPという職業に限らずどの職業でも同じような状態に陥っている人はいるだろうなって。それをうまく演じられたらと思っていました。トラブルに対して殺伐とするのではなく、必死さの先にある愛嬌を大切に演じたので、それが届けばいいなと思っています。

――猫宮を演じる上で感じた自分との共通点は?

ハイペースで動く感じは近いなと思いました。猫宮の回転数と自分の回転数に近しいところはあるなって。こんなにドタバタはしないですけれど……(笑)。でも、共感できることはたくさんありました。

――テレビ朝日、J-WAVE、AbemaTVという実在のメディアが垣根を越えて登場しますね!

業界の人が見たらどう思うんでしょうね(笑)。個人的には深く関わらせてもらっているメディアさんばかり。テレビ朝日さんは『仮面ライダードライブ』で、AbemaTVさんもドラマやバラエティに出させてもらっています。「J-WAVE」さんに関しては3年目に突入したレギュラー番組『ALL GOOD FRIDAY』(毎週金曜、11:30〜)があるくらい。育ててもらったメディアさんばかりで、「J-WAVE」の撮影ではそこでお芝居をした経験がないので、不思議な感じでした。親戚に芝居を見られているような……。でも、そういうお世話になった思い入れのあるメディアさんばかりとあって、逆にこの役をほかの誰かがやっていたら嫉妬していただろうなって。自分がやれて本当によかったです。

――脚本・監督の松居大悟さんとのタッグについて聞かせてください

監督と俳優という関係ですが、話を頂いたときは不思議な気持ちになりました。僕がこの業界で初めて仕事をさせてもらったのは20歳の時。その頃から知っていて、お互いの芝居を見に行ったり、飲みにいったりという関係が続いていて、ずっと繋がっていた人。ここで再会できて、なかなか言葉にし難い感覚でした。

――話が決まった時、松居さんには何か声をかけられましたか?

「頼むよ」って(笑)。でも一緒に仕事できるのが正直嬉しかったですね。松居さんは作品も面白いですし、松居組そのものが自分にとって居心地のいい場所なんです。最初に仕事をしたときは松居さんちでミュージックビデオと映画の撮影をして、撮影が終わって打ち上げも松居さんち。松居さんの家の冷蔵庫を開けてみんなビールを飲むという感じだったんですけど、それがあったせいか、今でも距離の近さを感じるんです。とにかく嬉しかったです。

――ヒロインの阿部さんはどんな印象でしたか

むちゃくちゃ可愛らしい人。もっとクールな感じの人だと思っていたんです。すましている感じの全くない、飾らない人。すごくピュアで、自分の好奇心に正直な人で、ひとつしか歳は変わらないのに親戚の子どもを見ているような愛らしさのある人だなって。でもふとした表情が綺麗で魅力的。不思議な魅力を持った人だなと思いました。

――作品タイトルにも「平成」とありますが、今年は「平成」最後の年。稲葉さんにとってどんな時代でしたか?

生まれて育った時代。すべてだし、それでしかない。僕は昭和を知らないし、これから先も知らない。「平成」が終わるという感覚が実はよくわからないんです。時代が終わった経験をしたことがないので。父親に「昭和」が終わった時のことを聞いたら「よくわからなかった」って。だから自分もあんまり気にしないでおこうって。

――この先、どんな役者になっていきたいですか?

どこにでもいられる役者になりたいです。作品の中でどの位置にでも立てる役者になりたい。作品の外でも稲葉友として自覚を持って生活していきたいと思っています。来年は27歳になりまして、もういい大人。いろんなことをちゃんとしないといけない年齢だなって思うんです。年齢にふさわしい、どこに行っても人としてきちんとした自分であらなければと思っています。若手だけど新人じゃない。役者としても自覚を持っていろんなことに取り組んでいきたいです。

――最後に作品について改めて見所を聞かせてください

年末にぴったりなパニックコメディです。日本の師走、年末だからこそ感じられる人の温かさがしっかり詰まった作品になっています。出会い頭でばったり見ちゃったって人もこのドラマと出会うことできっと素敵な感情がわくんじゃないかなって。たくさんの人にこのドラマに出会って欲しいです!

(文・インタビュー:名鹿祥史)

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