綾野剛『ハゲタカ』撮了も「終わった感じがしない」

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綾野剛主演のドラマ『ハゲタカ』(テレビ朝日系、毎週木曜21:00~)のクランクアップ取材会が都内で行われた。

外資系投資ファンドを率いる“買収者”鷲津政彦の生き様を描いた真山仁氏の小説をドラマ化した本作。綾野は、主人公の鷲津を演じており、この日最後の撮影を終え感慨深げ。「彼を生きれたことは光栄。この作品を通して改めて自分の中で、役者としての血や肉が形成された感じがします」と感想を述べた。

近代的なビルの一角で小林薫演じる三葉銀行の飯島亮介と鷲津が対峙する重要なシーンの撮影が行われたが、撮影が終わった瞬間に拍手が起き、小林が綾野に花束を渡すと、綾野もホッとした表情を浮かべ、「鷲津という人は常に次しか見ていない人物。そういう意味で終わった感じがしない」とコメント。

「(演じる側も)全然疲労感がない。全く終わらせられない感じ。小林さんとの最後のシーンだったわけですけど、別れた瞬間に鷲津はもう次を見ている。クランクアップという感じがない。こういう経験ははじめて」と述べ、「役になりきっていたとかそういうことじゃなくて、この人の終わり方がわからない。鷲津という人は生き続けようという人なんだろうなって。それが今日改めてわかった。鷲津の四半世紀を生きたわけですけど、生き甲斐のある人でした」としみじみ。

撮影前には小林と熱心に話し込む姿も見られ、綾野は「小林さんが考える“飯島という人”の独白を聞いたんです」と照れくさそうに紹介。「(小林と)今まで何度も共演させてもらって、息子役をやったり、常にどちらかというと子ども扱いされる役が多く、胸を借りていればいいだけだったので、それが心地よかった」と告白するも、「自分の役に対して“こう思っているんだ。こういう気持ちなんだ”っていう独白を一度も聞いたことがなく、それを急にお話ししてくださったので、自分もそういう環境に辿り着けたのかなって……。一人の男として見てもらえた」と嬉しそうな表情で語り、「本番前にずるいなあって思いました」と照れ笑いも見せていた。

本作の撮影についても「数々のベテランから若手までいろんなタイプの方々とひとつの作品を通して向き合えたことは役者冥利に尽きます」と綾野。「なによりみなさんが気持ちいい顔して帰られていく姿を見ていて、またどこかでこれが何か形を変えて戻ってくるような気がしました」と名残惜しそうに話していた。

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