弘中アナ『おっさんずラブ』名台詞を“激レアさん”に引用「アリよりのアリ」

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7月16日放送の『激レアさんを連れてきた。』(テレビ朝日系、毎週月曜23:15~)は、インドと『巨人の星』が好きすぎて『インド版巨人の星』を作り、大成功したという男性が登場した。

同作品は、1968年~79年にわたり3つのシリーズに分かれて放送された人気野球アニメ。一方のインド版は、『SURAJ THE RISING STAR(スーラジ ザ・ライジングスター)』と名付けられており、主人公でスラム街出身のスーラジが、厳格な父と優しい姉と暮らしているという設定。しかし、彼がやっているスポーツは野球ではなくインドで大人気のクリケットである。

そんなアニメを作ったのが、今回“激レアさん”として紹介された日本人のコガさん。学生時代に4か月インドを放浪する旅に行き、すっかり同国の愛好家となってしまった人物だ。コガさんはインドの魅力を「何でもアリな国」と語る。これまでにも50~60回は訪問しているそうで、住んでいた時期もあるという。

大学卒業後、コガさんは大手出版社である講談社に入社。「出世よりインド」との思いから、自身が編集長を務める雑誌に『インド特集』を組むなどしていたのだとか。そんな彼を見て、上司から海外事業部へ異動を命じられたとのこと。

仕事でインドのスラム街を取材していた時、コガさんはクリケットで遊ぶ少年たちを見て『巨人の星』を重ね合わせた。そこで「クリケット版の『巨人の星』をつくろう」とアイディアがひらめいたそう。これに対し、弘中綾香(テレビ朝日アナウンサー)は、「(当時のコガさんは)『これ、アリよりのアリだな』と思った」と同局でヒットしたドラマ『おっさんずラブ』の名台詞に絡めて紹介した。

アニメを制作するにあたって、さまざまな問題が浮上。まずは、コガさん自体がクリケットのことを知らないということ。これは、道端でやっている草クリケットに強引に乱入して教えを乞うた。現地の人の反応については「日本人は珍しいからみんな喜んでくれた」と回顧した。そのほか、原作者への許可はクリケットの道具を用いて直接出向き解決。スポンサーもアニメの中に登場させることで5社を集めた。また、インドのテレビ局は地上波が1局、ケーブルと衛星局で800チャンネル以上ある。そんな数ある放送局でもベスト5に入るカラーズと契約することに成功した。

いよいよアニメ制作。しかし、文化の違いもあり、ここでも問題が発生する。原作では、ライバルとの対決で秘めたる闘志を見せたり、勝利をしても素直に喜ばなかったりするが、インドの制作会社が提示したのは「勝てばすぐドンチャン騒ぎする」というものだった。もちろん却下したそう。

また、アニメに登場する『大リーグ養成ギブス』は、金属の部分が、昔インドで拷問時に使われた拘束具を連想させるのでNG。よって、インド側のアイディアで「スラムであれば道端に落ちていても自然だ」とタイヤのチューブで代用する。このほかにも母親不在はNG、ちゃぶ台をひっくり返すのもNGなど、さまざまな禁止事項があり、あらゆる工夫が施された。

こうして『SURAJ THE RISING STAR』がインドで放送されることになったのだが、これが大ヒット。アニメの影響でクリケットを始める子どもまで出てくるほどであった。ちなみに現在コガさんは、新たな事業を展開中。日本の絵本をインドで翻訳して出版しているとのことだ。

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