片岡鶴太郎、牛尾刑事が「タブレット」なんてシリーズ史上初!

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新宿西署のベテラン刑事“モーさん”こと、牛尾正直(うしお・まさなお)が、森村誠一氏の原作に登場して今年で30周年(※初出は1987年1月刊行の『駅』)を迎える。テレビ朝日では、片岡鶴太郎を主演に迎え“牛尾刑事30周年記念作”の第2弾『森村誠一ミステリースペシャル ガラスの密室』を、6月24日(日)21時から放送する。放送を前に、約22年に渡って牛尾刑事を演じ続けている片岡が、作品について語った。

牛尾刑事が登場する森村誠一ミステリーは、『終着駅シリーズ』として長年親しまれている。劇中で“ガラケー”を使っている牛尾刑事だが、今回の『ガラスの密室』では『終着駅シリーズ』史上初めて、タブレットやスマートフォンなど現代社会に欠かせないアイテムがストーリーに濃密に絡んで描かれることが明かされた。

これには片岡も、「『終着駅シリーズ』はこれだけ本数を積み重ねてきても毎回、新鮮さを感じるのですが、牛尾がタブレットを手に取るなんてシリーズ史上初! さらに、今回は妻の澄枝さん(岡江久美子)もスマホを持ったり、動画サイトが事件に絡んできたりと、特に“時代性”を感じました。でも、牛尾刑事が使っているのはガラケーです。やはり、彼にはガラケーが似合いますよね(笑)。僕自身はスマホを使っていますが、あまり詳しくない(笑)。牛尾がいつかどんなタイミングでスマホになるのか、それもまた楽しみです」と、驚いた様子。

時代を反映するものを取り入れながらも、牛尾の“足で稼ぐ”捜査の姿勢と、同シリーズが一貫して見つめてきた“人間ドラマ”は変わらない。そして、“変わらない”といえば、シリーズ第1作から演出を手掛けてきた巨匠・池広一夫監督(88歳)が、本作でもメガホンを取っている。池広監督は昭和の大スター・市川雷蔵主演『眠狂四郎』シリーズや、“怪優”勝新太郎主演の『座頭市』シリーズなどで知られる邦画界の重鎮だ。

片岡は「最初、監督から『寡黙な刑事でいくから』と言われたのですが、台本を読んでみたらものすごいセリフ量!『これのいったいどこが寡黙なんですか?』と聞いたら、『これだけセリフがあっても、寡黙に見えるように芝居をしてくれ』と無茶なことを言われました(笑)」と、監督との出会いを振り返り、「台本には“カット割り”が詳細に書きこんであって、衣装合わせの段階で監督のアタマにはその台本がすべて入っているんです。本当にスゴイ!」と、88歳にしてなお作品に情熱を注ぐ池広監督の姿勢に敬服していた。

また、本作では八ヶ岳ロケも敢行。「ロケ中は素晴らしい天気で、八ヶ岳は空気がおいしくて、ヨガをやっても気持ちよかった!」と撮影秘話を明かした。牛尾刑事登場30周年を記念する作品とあって、今回はどんな人間ドラマが紡がれていくのか期待もひとしおだ。

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