石丸幹二、“題名のない”初MCに「こんなにも重圧がかかるものか!」

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俳優の石丸幹二が、4月から『題名のない音楽会』(テレビ朝日系列、毎週日曜9:00~)の6代目の司会を務めることがすでに発表されているが、3月6日(月)に東京オペラシティコンサートホールにて行われた初の公開収録に臨み、集まった聴衆に“劇場支配人”としての姿を初披露。また、収録後に開かれた会見では「ほっとしました(笑)」と初収録の感想を話しながらも、新生『題名のない音楽会』の魅力を熱くアピールした。

3月まで5代目として司会を務めてきたヴァイオリニストの五嶋龍は、前任の世界的指揮者・佐渡裕からバトンを受け継ぎ、当時27歳という番組歴代最年少の司会者としても注目を集めたが、現在拠点とするニューヨークと日本を行き来しながら司会を全うすることが難しくなり、石丸にバトンを渡すこととなった。

石丸といえば、ドラマ・映画・CMに引っ張りだこで知名度も抜群。また、クラシックを土台にピアノ、弦楽器、管楽器、声楽をそれぞれ高いレベルで学んできた充実の音楽的素養、そして、25年以上にわたり日本のミュージカル界をけん引する舞台俳優として培われた舞台精神と、いくつもの才能と魅力を兼ね備える人物で、3月5日に記念すべき放送2500回を迎え、これからさらなる歴史を刻もうという同番組にとって、まさに得がたい逸材だ。

そんな石丸が新MCとして担うのは、単なるプログラムの進行役ではなく、マルチなタレント性があるからこそ務まる、音楽をこよなく愛する“劇場支配人”。4月からは、コンサートホールを遊び場のように楽しむ石丸支配人が、自身イチオシのアーティストを観客に熱を込めて紹介し、音楽好きの代表としてゲストと聴衆をつなぐ架け橋となっていく。

そして、石丸支配人の記念すべき初収録の題名は「劇場支配人の音楽会」。音楽史上語り継がれる伝説の劇場支配人、ロシアのセルゲイ・ディアギレフ(1872~1929)、ヨーロッパとアメリカで活躍したマックス・ラインハルト(1873~1943)の功績を、三ツ橋敬子の指揮、東京フィルハーモニー交響楽団の演奏とともに、親しみやすくナビゲートする。

収録の冒頭で石丸は「わたくしが生まれる1年前に始まった歴史ある番組の司会に就任できましたことを、大変光栄に思っております。どうぞ一緒に楽しんでいってください」と、持ち前の美声で客席にあいさつ。続けて「皆様の音楽心をくすぐるようなラインナップにご期待ください」と、はやくも劇場支配人らしい言葉で番組の引き立てを呼びかけていた。

演奏は、石丸の就任に合わせて選ばれた楽曲、モーツァルト作曲の「音楽つき喜劇“劇場支配人”序曲」で華々しくスタート。石丸はステージ上で演奏に聴き入りつつも、タブレットを片手に番組を進行するというこれまでにないスタイルで、新しい司会者の誕生を印象づけた。初回収録の模様は、4月2日から放送される。

この収録後、石丸は「ほっとしました(笑)」と安堵の表情を浮かべ、「『題名のない音楽会』という歴史ある番組の司会には、こんなにも重圧がかかるものか! と、しゃべりながら感じたスタートでしたが、お客様がどんな表情で私の話や演奏を聴いてくださっているのかがよく見えましたので、安心できましたし皆様と一緒に番組を作ることができたかなと思っています」とコメント。また、この番組へのオファーについては「この番組に歴史があることと、歴代の司会者がスーパープレーヤーであったり作曲や指揮のエキスパートでいらっしゃるという中で、わたくしはどのような立場になればいいかというのは正直、悩みました。ただ、自分がミュージカルや音楽に関わる業界で経験してきたことを、皆様と共有できればとの思いからお引き受けしました」と述べている。

石丸は、“劇場支配人”として音楽の水先案内を務めていくわけだが「“劇場支配人”が持つプロデューサー的な側面から、自信を持って皆様にメッセージをお伝えすることをモットーにしたいと思います。この番組が始まったときは黛敏郎さんが司会をされていましたが、記憶をたどってその司会ぶりを思うと、あの堂々としたスタイルこそが劇場支配人。今回の初収録では、黛さんのようにカメラから目線を外さずにしゃべる余裕はございませんでしたが、それ自体が目標ではなく、自信を持って情報をお伝えする姿を100点とすると、今回は50点くらい。それでも甘いでしょうか」と笑顔を見せていた。

また、石丸は「“劇場支配人”という肩書を一つの役と考えれば、たしかに演じている部分もあるかもしれませんが、この番組では役ではなく私自身でいた方がいいと思い、舞台とはまったく違う心構えで臨みました。実際に終わってみて、演じているときとは違う私が存在していたと思います。この番組では、司会をしつつも演奏を間近で聴く聴衆にもなるわけです。聴衆である自分はお客様と感動を共有する存在。とっても“生”の感覚の自分がいました」と振り返っていた。最後に「歴代の司会者の方たちは、ご自分のフィールドの音楽を番組で取り上げていらっしゃるので、私もミュージカルや過去に演奏していたサクソフォーンを通して吹奏楽、合唱、古楽器など興味のあるジャンルを紹介できたらと思っています。特にミュージカルは歴史こそ浅いですが音楽の幅は広いので、取り上げる機会があればと思います。また、観客の皆さんと一緒に演奏するようなケースがあってもいいかもしれません」と今後の展望についても言及していた。

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