仲間由紀恵「自分の殺され方が一番イヤ」プレッシャーから悪夢!?

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仲間由紀恵を主演に迎えた2夜連続ドラマスペシャル『そして誰もいなくなった』が、3月25日(土)、26日(日)の21時からテレビ朝日系列にて放送される。同ドラマは、“ミステリーの女王”として名高いイギリスの女流作家、アガサ・クリスティの傑作推理小説を、日本で初めて映像化したもの。

2日、同局にて制作発表記者会見が行われ、主演の仲間をはじめ、向井理柳葉敏郎荒川良々余貴美子沢村一樹大地真央藤真利子橋爪功津川雅彦、監督の和泉聖治が出席した。ステージの幕が開き、ドラマセットさながら、重厚感あふれるステージに“シリアスな表情”で姿を現した役者陣。これには仲間も、「今日はドラマの雰囲気を楽しみながらお付き合いください」とほほ笑んだ。

今回仲間が演じるのは、孤島のホテルに招待され、不可解な連続殺人事件に巻き込まれていく元水泳選手の女性・白峰涼。今作はそのタイトル通り、主要登場人物全員が死んでしまう(殺されてしまう)というストーリー。映画『リング0 バースデイ』(2000年)で貞子を演じた際、「ボコボコに殴り殺されて、井戸に捨てられた」経験はあるが、テレビドラマでは初めての“殺される”役だ。それについて「撮影を控えていた時期は、イヤ~な夢を見るようになりました。皆さん悪夢は見ませんでしたか?」と俳優陣に投げかけると、津川が、「僕なんか出演する度に死んでいるよ」と慰めの言葉をかけ、その場を和ませていた。各々違う殺され方をするところも見どころのひとつだが、仲間は「どなたの殺されかたもイヤですが、自分の殺されかたが一番イヤですね」としみじみ語っていた。

そして、人気の新進ミステリー作家・五明卓役の向井は、「僕の役は、歳も一番若く軽妙な役で、時には場をひっかきまわすスパイスになればいいなと思いながらやらせていただきました。ご覧の通り、すごく重々しい雰囲気の中での撮影で今まで“かいたことのないような汗”をかきながら、日々すごく勉強になりました。今回、初めて殺される役をやりまして、ある意味とても重要な役をいただいたと思うので、見逃さないでいただきたいです」と述べた。

軍事評論家で元傭兵・ケン石動役の柳葉は、「素晴らしい現場で、緊張感に包まれながらやらせていただきました。この作品の初日が、ケンが戦場で暴れているシーンから撮影が始まり、その時からアドレナリンがバッとでて。画面を通して感じていただけたらと思います」と、ハードな撮影を振り返った。

豪華なドレス姿で登場した元銀幕の大スター・星空綾子役の大地は、「人間の持っている裏腹な部分、本音の部分、とても人間くささみたいなものを感じる作品だと思います。今回の役は、原作よりは少し華やかな役柄に作っていただいています」とニッコリ。

また、東京中央救急センター外科部長・神波江利香役の余は、「今回の現場は、有名芸能人と先輩たちに囲まれていて、セリフを間違えないようにという“恐怖とプレッシャー”の毎日でした。その、心のサスペンスが役柄に反映されたのではないかと(笑)。私が一番寒い殺され方をしているので、そこも観ていただきたいと思います。別の死に方がよかった……」と明かした。

これをうけてか、元刑事で現在は探偵業の久間部堅吉役の國村は、「それぞれ死に方がちがうんですけど、僕は、余さんほど大変じゃなかったのでよかったです。ただ、死ぬ順番は、最後じゃないほうがいいな。タイトルみたいに、現場に誰も居なくなって自分だけの撮影になったらねえ」と笑いを誘った。

物語の舞台となる「自然の島ホテル」の執事・翠川信夫の妻・つね美役の藤は「撮影も楽しくて、あっという間でした。私は、他局のドラマで“最多犯人役記録”をもっていて、“殺す”のは得意ですが、今回は“殺され”ました(笑)」とお茶目な笑顔を見せた。

藤が演じたつね美の夫・信夫役の橋爪は、「非常に個性的で、一筋縄でいかない方々ばかりで、まとめるのが大変でございました(笑)。和泉監督とも久しぶりで、完成作品が楽しみです」と目を細めた。

元国会議員・門殿宣明役の津川は、「僕の言いたいこと、ほとんど言われちゃった(笑)」と役者陣の顔を見まわしつつ、「橋爪さんは、現場を取り仕切って下さって、現場の雰囲気を和らげてくれていました。実は、大地さんとの共演が初めてで、とても嬉しく思います」と述べた。

そして、事件現場の管轄・八丈島東署の警部補・多々良伴平役の荒川は、「あまり芝居では緊張しないのですが、この制作会見の説明が行われた時に、皆さんおそろいの中、自分が一番最後に入ってきてしまい……その時が一番緊張しました」と、肩をすぼませた。

その相棒となる警視庁捜査一課の警部・相国寺竜也役の沢村は、「荒川君と僕は、皆さんが撮影を終えた後、本当に事件の後、という形で現場に入らせていただいたのですが、皆さんの足跡をひとつづつたどっていくように事件を解決していきました。荒川君とも言っていましたが、皆さんとお会いした時に、なんだか亡霊にあったような気持ちになって(笑)。違う意味ですごく怖かったです」と笑わせた。

そんな本作を手掛けたのは、テレビ朝日『相棒シリーズ』で知られる和泉監督。悪夢を見たという仲間とはうってかわり、夢に3回ほどアガサ・クリスティ本人が出てきたという。「日本の映画を見たことありますか? EUの離脱については? なんて、色々聞きたいことがありましたね(笑)彼女はずっと英語で喋っていたけど(笑)」と。作品については、「これまでオマージュ作品は色々ありましたが、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』そのものをやると聞いた時は、驚きました。キャスティングも、これだけの俳優陣が集まることはそうそうありませんし、皆さんに頑張っていただきました。相当面白い作品ができたと思っています」と自信をのぞかせた。

1939年に刊行され、全世界で累計1億部以上を売り上げているこの作品は、絶海の孤島にあるホテルに招待された10人の客がひとり、またひとりと殺されていき、ついには全員が殺され、後日10体の死体が発見されるという“クローズド・サークルミステリー”の代表的作品。これまで何度も舞台や映画・テレビドラマとして上演、上映されてきたが、日本での映像化は今回が初。脚本を担当するのは数多くのサスペンスドラマを手がけてきた江戸川乱歩賞作家・長坂秀佳が務める。日本初映像化にふさわしく豪華キャストが集結。日本のミステリードラマの歴史に新たな1ページを刻むことになるだろう。

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